異世界召喚 ~依頼されたのは魔王討伐ではなく……~

オフィス景

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106 ミネルヴァの覚醒

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「ごめんなさい。わたしがちゃんと話できなかったせいで……」

 部屋に戻ったミネルヴァは、見るも気の毒なくらいうちひしがれた。

「あれはな、誰がどう話しても同じ結論にしかならんかったと思うぞ。だから気にすんな」

「そうね。でも、あれは酷かったわね」

 シルヴィアも顔をしかめている。

「あまりにも女を馬鹿にしてるわ。ミネルヴァ、わたしも協力するから、絶対にあの人ギャフンと言わせるわよ」

「はい。よろしくお願いします」

 二人ががっちり握手を交わす。もしかして二人の間のぎこちなさを取っ払うにはいいイベントになるのかもしれないな。

「で、具体的にどうする?」

「まずは、ミネルヴァに自立してもらいます」

「自立?」

「ええ。誰かに頼るのではなく、個人で生きていけるようにならないと、ミネルヴァを認めさせることはできないでしょうから」

「なるほど」

「一番手っ取り早いのはわたしみたいに冒険者になって、わかりやすい手柄を立てることね」

「ふむふむ」

「それでなんだけどーーミネルヴァ、あなた何か新しいスキルとかに目覚めてない?」

「スキルですか?」

「わたしの治癒魔法って、呪いが解けた後に発現したのよ。だから、もしかしたらあなたにもって思ったんだけど」

「えーっと…ちょっとわからないです……」

「コータローの手を取ってみて」

「はい」

 言われるがままにミネルヴァと手をつないだ。

「そうしたら念じてみて。コータローに伝われーって」

「…何を伝えればいいんですか?」

「逆よ。何が伝わるか、なの」

 ミネルヴァは首を傾げていたが、正直俺もよくわからなかった。

「うーん……」

 よくわからないながらもチャレンジする素直さって、ミネルヴァの美点だよな。

 何となく微笑ましい気分になった時、不意に変化が表れた。

 つないだ手からアツいものが全身に広がっていったのだ。

 シルヴィアの治癒魔法の温かさとは違う、力強さを感じる熱さだ。

 活力が全身に漲ってくる。

「…う、お…あ、熱い……」

「そこまででいいわ」

 ストップがかかって熱さの流入は止まったが、体内に溜まった熱が行き場を求めて荒れ狂う。

「なるほど。どうもミネルヴァのスキルは身体強化系みたいね」

「身体強化系?」

「スピードが上がったり、腕力が強くなったり、身体能力をアップさせる力ね」

「それはすげえな」

 シルヴィアの治癒魔法もレアスキルだが、ミネルヴァの身体強化魔法はそれに全然負けてない。使い方によっては、かなり強力な魔法になる。

ただ、それは使い方を間違えなければ、の話である。

これは意図した使い方とは違うんだろうが、今とてつもなく身体がアツい。暴発しそうだ。しかも、刻一刻とアツさが増していく。

ヤバい…おさまりがつかん……

「コータロー、大丈夫?   顔が赤いよ。熱でもある?」

俺の様子に気づいたシルヴィアが声をかけてきたが、ここで限界が訪れた。

「ごめん、シルヴィア。我慢できん」

ガバッとシルヴィアを抱きしめる。

「え?   ち、ちょっと……」

戸惑うシルヴィアには頓着せず、服を剥いでいく。ミネルヴァがいるのもおかまいなしだ。自分で自分を獣だと思うが、どうにも止まらなかった。
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