異世界召喚 ~依頼されたのは魔王討伐ではなく……~

オフィス景

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118 想定外

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「そのまままっすぐ走れ!」

 すれ違いざまに姉弟に指示を出し、俺は勢いを殺すことなくゴブリンとオークの群れに突っ込んだ。

「しゃあっ!」

 双剣を抜き放ち、疾らせる。

 剣が軽い。自在に振れる。

 十匹を倒すのに恐らく三十秒かかっていない。

 やるじゃん、俺。

 これなら逃げられるかも、と淡い期待を抱きかけたが、世の中そんなに甘くはなかった。

 すぐに別のオークに見つかってしまった。

 まだあの姉弟は遠くまでは逃げれていない。こっちでオークどもを引きつける必要があった。

 ゴブリンとオークだけなら何とかなるか。

 それでもさっきの倍以上がこっちに向かって来ている。厄介は厄介だ。

 ギリギリまで引きつけてから逃走に移る。もちろんオークどもが着いてこれるスピードで。

 オークの中にも足の早いヤツとそうでないヤツがいる。少し走ると、追ってくる隊列が長くなる。

 これが俺の狙いだ。

 先頭と後続の差がある程度着いたところで足を止める。とりあえずオークが二匹。

 瞬殺する。

 これを何度か繰り返すと、大分数が減った。時間も稼げたし、そろそろ本気で逃げようか。

 そう思った瞬間だった。

 背筋にかつて感じたことのないレベルの悪寒を覚え、俺は反射的にその場から飛び退いた。

 ほぼ同時に地面が弾け飛ぶ。

 もし一瞬でも遅れていたら、俺が弾けていた。

「あっぶねえーっ」

 不意の一撃をかわせたのは僥倖だったが、不幸が終わったわけではなかった。

「…魔族かよ……」

 最悪な相手が出てきやがった。

 が、これでわかった。ゴブリンやオークのくせに統制が取れていたのは、魔族に率いられていたせいだったってことだな。

 魔族が絡んでるってのは重要な情報だ。このところ活発化していた魔物の動きの裏付けが取れた形になる。

 できれば戦闘は避けてこの情報を持ち帰りたいのだが、魔族相手じゃ逃げ切るのも難しいか……

 覚悟を決めて魔族と相対する。

「あれ……?」

 微妙な違和感。

 前に魔族とやり合った時と比べて、プレッシャーを感じてない?

 まあ魔族の中にも強い弱いはあるんだろうから、たまたまこの前戦ったヤツが強かったってことなんだろうな、うん。

「来いや、おらあっ!」

 先手を取って仕掛けていく。

「…え、マジで……?」

 俺の動きに、魔族がついてこれない。次々と双剣が魔族を捉える。

 そのまま圧倒した。


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