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124 シルヴィアの心配
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ブライト王子が魔族を討ち取ったことにより士気が天井知らずに跳ね上がり、戦場の各所で圧倒し始めた。
「もう一体いる。そいつを倒せば、この戦いは終わりだ」
リョウさんとユキノさんも優勢に進めてはいたものの、決め手に欠けていたようだ。
さっきと同じやり方で、ブライト王子がとどめを刺した。
魔族が倒れると、魔物の群れは総崩れとなった。
ブライト王子を称える歓呼の声が響き渡る。
それに応えながら、ブライト王子は微妙な表情を向けてきた。
「なあ、すげえ罪悪感なんだが……」
王子的にはおいしいとこ取りをしてしまった気分なのだろう。
「それでいいって言っただろ。俺らがなるより王子が英雄になった方が色々と具合も都合もいいじゃんか」
「しかしなあ……」
「いいじゃんか。実際にとどめ刺したのは王子なんだし。いくら俺たちが削っていたとはいえ、一撃で仕留めたのは大したもんだったと思うぜ」
「むむう……」
まだ釈然としないらしい。
「いいから英雄やっとけって。ここまで情勢がキナ臭くなってると皆不安なんだから。英雄ってわかりやすく頼れる存在がいた方がいいと思わないか?」
「それもそうか」
ようやく納得したらしいブライト王子は、兵士たちの歓喜の輪の中に入っていった。
まったく、世話の焼ける……
それでも今回ブライト王子が魔族討伐の実績を挙げることができたのは、今後を考えれば非常にでかい話だ。本人にも言った通り、わかりやすい英雄の存在は力になる。
…それにしても、さまになってるな、おい。
元々身に纏っていた高貴なオーラが、今回つけた自信で更に輝かしくなっている。そこにあのイケメンフェイスが加わると、英雄としての見た目に非の打ち所がなくなる。
悔しいが、俺じゃああはいかん。
そこへシルヴィア、ミネルヴァ、ツブラがやって来た。
「お疲れ様。怪我とか大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
「よかった」
揃って胸を撫で下ろしている。
「味方の被害は?」
「さすがにゼロってわけにはいかなかったけど、魔族がいたことを考えれば、奇跡みたいに少ないわ」
「そうか」
できれば被害ゼロといきたいところだが、さすがにそれは難しいのだろう。
いくら召喚勇者とは言え、戦場の全てに手が届くわけではないし、兵士一人一人の生き死にに責任をもつことなんてできやしない。そう思うことすら思い上がりだとわかっていながら、そう思わずにいられない。
「難しい顔してる」
シルヴィアに脇腹をつつかれた。
「いや、別に……」
「考えすぎ。元々コータローは魔王と戦うために召喚されたわけじゃないでしょ」
「そらそうなんだがな……」
理屈ではわかっていても感情が納得しないというやつだ。
「こんなこと言っていいのかわからないけど……」
シルヴィアは不安そうに言った。
「どうした?」
「最近、コータローを遠くに感じることがあるの」
「え?」
正直それは意外な言われようだった。シルヴィアをないがしろにしたつもりなどこれっぽっちもありゃしない。
「わたしから見て、コータローは急ぎすぎてる気がするの」
「急ぎすぎ?」
「強くなるのもそうだけど、全部一人で背負い込もうとしてるように見える。そんなに張り詰めてたら壊れちゃうんじゃないかって、心配になっちゃうよ」
「そんな風に見えるのか……」
ずっと一番近くにいてくれたシルヴィアの言うことだから、多分その通りなんだろう。なかなか自分を客観視ってできないもんなんだな……
「これはわたしのわがままなんだけど、もう少し二人のーーミネルヴァと一緒に三人でもいいけど、ゆったりできる時間が欲しいかな」
「わかった。そうしよう」
確かに、俺が異世界に喚ばれた理由はシルヴィアのためであり、魔王を倒してくれとは一度も言われていない。
ここらで一度自分の足元を確かめておくべきか。
「もう一体いる。そいつを倒せば、この戦いは終わりだ」
リョウさんとユキノさんも優勢に進めてはいたものの、決め手に欠けていたようだ。
さっきと同じやり方で、ブライト王子がとどめを刺した。
魔族が倒れると、魔物の群れは総崩れとなった。
ブライト王子を称える歓呼の声が響き渡る。
それに応えながら、ブライト王子は微妙な表情を向けてきた。
「なあ、すげえ罪悪感なんだが……」
王子的にはおいしいとこ取りをしてしまった気分なのだろう。
「それでいいって言っただろ。俺らがなるより王子が英雄になった方が色々と具合も都合もいいじゃんか」
「しかしなあ……」
「いいじゃんか。実際にとどめ刺したのは王子なんだし。いくら俺たちが削っていたとはいえ、一撃で仕留めたのは大したもんだったと思うぜ」
「むむう……」
まだ釈然としないらしい。
「いいから英雄やっとけって。ここまで情勢がキナ臭くなってると皆不安なんだから。英雄ってわかりやすく頼れる存在がいた方がいいと思わないか?」
「それもそうか」
ようやく納得したらしいブライト王子は、兵士たちの歓喜の輪の中に入っていった。
まったく、世話の焼ける……
それでも今回ブライト王子が魔族討伐の実績を挙げることができたのは、今後を考えれば非常にでかい話だ。本人にも言った通り、わかりやすい英雄の存在は力になる。
…それにしても、さまになってるな、おい。
元々身に纏っていた高貴なオーラが、今回つけた自信で更に輝かしくなっている。そこにあのイケメンフェイスが加わると、英雄としての見た目に非の打ち所がなくなる。
悔しいが、俺じゃああはいかん。
そこへシルヴィア、ミネルヴァ、ツブラがやって来た。
「お疲れ様。怪我とか大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
「よかった」
揃って胸を撫で下ろしている。
「味方の被害は?」
「さすがにゼロってわけにはいかなかったけど、魔族がいたことを考えれば、奇跡みたいに少ないわ」
「そうか」
できれば被害ゼロといきたいところだが、さすがにそれは難しいのだろう。
いくら召喚勇者とは言え、戦場の全てに手が届くわけではないし、兵士一人一人の生き死にに責任をもつことなんてできやしない。そう思うことすら思い上がりだとわかっていながら、そう思わずにいられない。
「難しい顔してる」
シルヴィアに脇腹をつつかれた。
「いや、別に……」
「考えすぎ。元々コータローは魔王と戦うために召喚されたわけじゃないでしょ」
「そらそうなんだがな……」
理屈ではわかっていても感情が納得しないというやつだ。
「こんなこと言っていいのかわからないけど……」
シルヴィアは不安そうに言った。
「どうした?」
「最近、コータローを遠くに感じることがあるの」
「え?」
正直それは意外な言われようだった。シルヴィアをないがしろにしたつもりなどこれっぽっちもありゃしない。
「わたしから見て、コータローは急ぎすぎてる気がするの」
「急ぎすぎ?」
「強くなるのもそうだけど、全部一人で背負い込もうとしてるように見える。そんなに張り詰めてたら壊れちゃうんじゃないかって、心配になっちゃうよ」
「そんな風に見えるのか……」
ずっと一番近くにいてくれたシルヴィアの言うことだから、多分その通りなんだろう。なかなか自分を客観視ってできないもんなんだな……
「これはわたしのわがままなんだけど、もう少し二人のーーミネルヴァと一緒に三人でもいいけど、ゆったりできる時間が欲しいかな」
「わかった。そうしよう」
確かに、俺が異世界に喚ばれた理由はシルヴィアのためであり、魔王を倒してくれとは一度も言われていない。
ここらで一度自分の足元を確かめておくべきか。
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