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155 闇の未来
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「ヤツの未来に何が見えたんだ?」
これだけはどうしても聞いておかなければいけない気がして、悪いかなと思いつつも訊いてみた。
「……」
ただ、それは俺が思う以上にレイナにはハードだったらしい。そう訊かれただけでレイナは顔色を悪くした。
何かよほど怖いものでも見えたのだろうか。
「話せないなら無理に話さなくてもいいのよ」
ミネルヴァがフォローを入れたが、レイナは気丈に首を振った。
「あんなの見たのは初めてなので、上手く説明できるかどうかわからないんですけど……」
そう前置きして、レイナは自分の見たものを説明し始めた。
「…最初に感じたのは力でした…ものすごく大きな力が近づいて来たと……見たら、あの男の人がいて…まず流れ込んできたのは『混沌』でした…色々なものがごちゃ混ぜになって、何が何だか全然わからなくて、もっとよく見ようと思って意識を集中したら、急にすべてが闇に包まれました。その闇に引きずり込まれるような感覚を覚えて、慌てて意識を逸らしたんです…後少し遅かったら、取り返しのつかないことになっていたかもしれません……」
ブルッと身を震わせて、レイナは自分の身体を抱いた。
「怖い思いをしたんだな」
そっと肩を抱いてやると、レイナは身体を預けてきた。
「ーーどう思う?」
「やっぱり何かあるってことじゃないかしら」
「そうね。何だか嫌な感じよね」
揃ってネガティブな意見になると、俺自身がいい印象を持っていないせいもあって、ブロディは悪だという認識に落ち着いてしまう。根拠のない偏見だと言われてしまえば返す言葉がないのだが、あえて認識を訂正する気にはなれなかった。
「…破壊…それから、死……」
レイナがポツリと呟いた。
「え?」
「あの人の未来に見えました」
「…ロクなもんじゃねえな、あの野郎……」
あまりにもイメージ通りだったために、俺はそこを深く突っ込むことはしなかった。気になっていた部分が理解できたように思ってしまったのだ。
「まああれだな。目的も達成したわけだし、これ以上あの野郎に絡む前にとっととオルタナに戻るとしようか」
「そうですね。お兄様にも早く吉報を届けてあげたいですし」
「レイナはすぐ発てる?」
「宿にある荷物だけ取ってくれば大丈夫です」
「じゃあ荷物を取ってこよう。ついでに旅に必要な買い出しをして、明日の朝出発ということで」
「「「わかった」」」
三人揃って頷いた。
こうして俺たちは、四人に増えたパーティで帰国の途に就くことになった。
これだけはどうしても聞いておかなければいけない気がして、悪いかなと思いつつも訊いてみた。
「……」
ただ、それは俺が思う以上にレイナにはハードだったらしい。そう訊かれただけでレイナは顔色を悪くした。
何かよほど怖いものでも見えたのだろうか。
「話せないなら無理に話さなくてもいいのよ」
ミネルヴァがフォローを入れたが、レイナは気丈に首を振った。
「あんなの見たのは初めてなので、上手く説明できるかどうかわからないんですけど……」
そう前置きして、レイナは自分の見たものを説明し始めた。
「…最初に感じたのは力でした…ものすごく大きな力が近づいて来たと……見たら、あの男の人がいて…まず流れ込んできたのは『混沌』でした…色々なものがごちゃ混ぜになって、何が何だか全然わからなくて、もっとよく見ようと思って意識を集中したら、急にすべてが闇に包まれました。その闇に引きずり込まれるような感覚を覚えて、慌てて意識を逸らしたんです…後少し遅かったら、取り返しのつかないことになっていたかもしれません……」
ブルッと身を震わせて、レイナは自分の身体を抱いた。
「怖い思いをしたんだな」
そっと肩を抱いてやると、レイナは身体を預けてきた。
「ーーどう思う?」
「やっぱり何かあるってことじゃないかしら」
「そうね。何だか嫌な感じよね」
揃ってネガティブな意見になると、俺自身がいい印象を持っていないせいもあって、ブロディは悪だという認識に落ち着いてしまう。根拠のない偏見だと言われてしまえば返す言葉がないのだが、あえて認識を訂正する気にはなれなかった。
「…破壊…それから、死……」
レイナがポツリと呟いた。
「え?」
「あの人の未来に見えました」
「…ロクなもんじゃねえな、あの野郎……」
あまりにもイメージ通りだったために、俺はそこを深く突っ込むことはしなかった。気になっていた部分が理解できたように思ってしまったのだ。
「まああれだな。目的も達成したわけだし、これ以上あの野郎に絡む前にとっととオルタナに戻るとしようか」
「そうですね。お兄様にも早く吉報を届けてあげたいですし」
「レイナはすぐ発てる?」
「宿にある荷物だけ取ってくれば大丈夫です」
「じゃあ荷物を取ってこよう。ついでに旅に必要な買い出しをして、明日の朝出発ということで」
「「「わかった」」」
三人揃って頷いた。
こうして俺たちは、四人に増えたパーティで帰国の途に就くことになった。
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