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157 新年
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年が明けた。
魔王が復活すると予言されている年が明けた。
魔物の出現頻度は上昇する一方で、世相も正直明るくはない。
「でも、だからこそ祝えるものは全力で祝うべきだと思わないか?」
「意義なし」
ブライト王子の言葉に俺が賛同した結果、三日連続の大宴会が開かれた。不安を紛らわすという意味もあり、盛り上がりは異様なものになった。
今日はその三日目、最終日も夕刻を迎え、そろそろお開きの時間が迫ってきていた。
三日間騒ぎっ放しで、みんな疲労の色を隠せなくなっていたのだが、ゴールが見えてきたことでテンションがおかしなことになってきた。
まずシルヴィアが狂った。
「えいっ!」
何を思ったか、いきなり回復魔法をぶっ放した。
しかも全力で。
この時初めて過剰に回復されるとどうなるのか、身をもって知ることになった。
どうなったかと言うとーー
みなぎった。
みなぎって、はち切れた。
俺の場合は、両鼻から鼻血が噴き出した。
ヤバかった。
キレたのが脳の血管じゃなくて本当によかった。
回復魔法にこんな使い方があったとは……
「シルヴィア、どうしたんだ?」
顔をのぞきこんだところで脱力した。
シルヴィアさん、あなた酔うとこうなってしまうのですね……忘れないようにしたいと思います。
魔法をぶっ放したシルヴィア本人はくてっとツブれてしまっている。どこかで寝かしといた方がいいかと思ったが、みなぎった連中で大騒ぎになってしまっていて適当な場所がない。
「まあいいか」
シルヴィアの肩を抱いて、その場に腰を落ち着ける。
もう十分騒いだし、後は皆が楽しむのを見てればいいや。
「お邪魔かしら?」
レイナが隣に座った。いつもはクールなレイナだが、さすがにこういう場所ではそれを貫くのは難しいようだ。いつになく表情が柔らかい。
「邪魔なわけないだろ」
実は、まだレイナの呪いは解けていない。真実の姿を知っているのは俺しかいない状況だ。
ただ、まったく進展していないかと言えば、そんなことはない。これまでの実績から俺の言うことが全面的に信じられたため、ゆっくりではあるものの着実に解呪は進んでいた。
「コータロー、本当にありがとう」
深々と頭を下げられた。
「どうした? やぶからぼうに」
「こんなに心穏やかな新年を迎えられるなんて、去年の今頃は夢にも思えなかったから。今のわたしは幸せ過ぎて……」
「何言ってんだ。まだまだこれからじゃねえか」
それは俺の本心だった。
復活した魔王をぶっ倒してこの世界が平和になったら、心おきなく嫁たちといちゃいちゃするんだ。
今でも十分過ぎるという声が聞こえて来そうだが、俺的にはかなり遠慮してるんだ。その日が来るのが待ち遠しくて仕方ないーーって、魔王の復活を望んでるわけじゃないぞ。
「…平和になった後もわたしはコータローのそばにいていいの……?」
「は?」
それは、完全に予想外の質問だった。
魔王が復活すると予言されている年が明けた。
魔物の出現頻度は上昇する一方で、世相も正直明るくはない。
「でも、だからこそ祝えるものは全力で祝うべきだと思わないか?」
「意義なし」
ブライト王子の言葉に俺が賛同した結果、三日連続の大宴会が開かれた。不安を紛らわすという意味もあり、盛り上がりは異様なものになった。
今日はその三日目、最終日も夕刻を迎え、そろそろお開きの時間が迫ってきていた。
三日間騒ぎっ放しで、みんな疲労の色を隠せなくなっていたのだが、ゴールが見えてきたことでテンションがおかしなことになってきた。
まずシルヴィアが狂った。
「えいっ!」
何を思ったか、いきなり回復魔法をぶっ放した。
しかも全力で。
この時初めて過剰に回復されるとどうなるのか、身をもって知ることになった。
どうなったかと言うとーー
みなぎった。
みなぎって、はち切れた。
俺の場合は、両鼻から鼻血が噴き出した。
ヤバかった。
キレたのが脳の血管じゃなくて本当によかった。
回復魔法にこんな使い方があったとは……
「シルヴィア、どうしたんだ?」
顔をのぞきこんだところで脱力した。
シルヴィアさん、あなた酔うとこうなってしまうのですね……忘れないようにしたいと思います。
魔法をぶっ放したシルヴィア本人はくてっとツブれてしまっている。どこかで寝かしといた方がいいかと思ったが、みなぎった連中で大騒ぎになってしまっていて適当な場所がない。
「まあいいか」
シルヴィアの肩を抱いて、その場に腰を落ち着ける。
もう十分騒いだし、後は皆が楽しむのを見てればいいや。
「お邪魔かしら?」
レイナが隣に座った。いつもはクールなレイナだが、さすがにこういう場所ではそれを貫くのは難しいようだ。いつになく表情が柔らかい。
「邪魔なわけないだろ」
実は、まだレイナの呪いは解けていない。真実の姿を知っているのは俺しかいない状況だ。
ただ、まったく進展していないかと言えば、そんなことはない。これまでの実績から俺の言うことが全面的に信じられたため、ゆっくりではあるものの着実に解呪は進んでいた。
「コータロー、本当にありがとう」
深々と頭を下げられた。
「どうした? やぶからぼうに」
「こんなに心穏やかな新年を迎えられるなんて、去年の今頃は夢にも思えなかったから。今のわたしは幸せ過ぎて……」
「何言ってんだ。まだまだこれからじゃねえか」
それは俺の本心だった。
復活した魔王をぶっ倒してこの世界が平和になったら、心おきなく嫁たちといちゃいちゃするんだ。
今でも十分過ぎるという声が聞こえて来そうだが、俺的にはかなり遠慮してるんだ。その日が来るのが待ち遠しくて仕方ないーーって、魔王の復活を望んでるわけじゃないぞ。
「…平和になった後もわたしはコータローのそばにいていいの……?」
「は?」
それは、完全に予想外の質問だった。
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