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第7話「反撃の狼煙と暴かれる真実」
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エリザが王国騎士団の全指揮権を事実上掌握した瞬間、戦いの流れは劇的に変わった。それは、一つの身体に、ついに脳が繋がったようなものだった。
「カイ様、お願いします。辺境伯軍の精鋭を率い、王都西門から突入してください。西門守備隊と連携し、市街地の魔物を掃討します!」
「東門を突破したオーガの集団は、第二騎士団が足止めしています。王宮の魔術師団は、上空から広範囲の攻撃魔法でオーガの動きを封じてください!」
「北の区画で孤立している市民は、第五騎士団が救出、聖堂への避難経路を確保せよ!」
エリザの的確な指示が、『エル・ネット』の通信網を駆け巡る。彼女の声は、混乱の極みにあった王都に、一本の揺るぎない芯を通した。これまでバラバラに戦い、疲弊していた騎士団は、エリザの情報ネットワークによって、まるで一つの巨大な軍隊のように有機的に連携し始めた。
カイが率いる辺境伯の精鋭部隊は、まさに獅子奮迅の働きを見せた。彼らは、常に最新の戦況データを受け取り、最も効果的な場所へ、最も効果的なタイミングで現れる。彼らの登場は、絶望に沈んでいた王都の騎士たちと市民に、反撃の狼煙が上がったことを明確に示した。人々は、自分たちが見捨てられていなかったことを知り、再び武器を手に取り、立ち上がった。
エリザはテルラの司令室で、眠ることも休むこともなく、盤面の駒を動かすように、各部隊に指示を出し続けた。地図の上に刻々と変化する戦況を追いながら、彼女の頭脳は高速で回転し、常に二手三手先を読んでいた。
作戦が着実に進行し、王都が少しずつ落ち着きを取り戻し始めた頃、情報屋のフィンが、血相を変えて司令室に飛び込んできた。彼は王都の裏社会に張り巡らせた彼自身の情報網を使い、このスタンピードの裏側を探っていたのだ。
「エリザ姉ちゃん! とんでもないことが分かった!」
フィンの手には、数枚の羊皮紙が握られていた。それは、彼が命がけで手に入れた、ある密告者の証言を書き留めたものだった。
「このスタンピード、やっぱり自然発生なんかじゃねえ! 隣国の、闇の一派と呼ばれる過激な魔術師団が、特殊な魔道具で魔物を操って引き起こした、人災だ!」
その言葉に、司令室の空気が凍りついた。隣国の仕業。それはつまり、王国への侵略行為に他ならない。
「目的は、王都を混乱させ、その隙に国境の重要な砦を奪い取ることらしい。だけど、話はそれだけじゃ終わらねえんだ…」
フィンは息を整え、最も衝撃的な事実を口にした。
「その隣国の計画に、内側から手引きしていた奴がいる。王国の機密情報を流し、スタンピードの発生時期を調整するように依頼していた…。その裏切り者の名前は――リリアン・フォン・クラインフェルトだ」
「…リリアンが?」
エリザは、思わず呟いた。あの、か弱く、天使のような微笑みを浮かべていた異母妹が、国を売るような真似を?
フィンが突き出した証拠は、決定的だった。リリアンが隣国の密偵と密会していたという複数の証言。そして、彼女の自室から密かに盗み出された、隣国の魔術師と交わした手紙の写し。そこには、歪んだ文字で、彼女のどす黒い本心が綴られていた。
『エリザさえいなければ、私が本当のお姫様になれる』
『王都が混乱すれば、アルフォンス様はもっと私に頼ってくださるわ』
『姉が辺境で成功しているなんて許せない。王国ごと、一度めちゃくちゃになればいい』
歪んだ嫉妬心と自己愛。そのために、彼女は罪のない多くの民の命を、平然と危険に晒したのだ。
エリザは、怒りに震える拳を強く握りしめた。だが、今は感情に流される時ではない。
「フィン、よくやってくれたわ。この情報は、最大の切り札になる」
エリザはすぐさま行動に移った。フィンの情報から、隣国の魔術師団が魔物を遠隔操作しているアジトが、王都近郊の古い遺跡にあることを特定。即座に、カイの部隊の中から最も隠密行動に優れた別動隊を編成し、アジトの急襲を命じた。
そして同時に、エリザは『エル・ネット』の緊急一斉通信機能を使った。それは、有事の際に、全ての端末に強制的に情報を流すためのものだ。
彼女は、マイクの前に立ち、静かに、しかし、誰もが聞き逃すことのない、凛とした声で語り始めた。
「王国の全ての民、そして騎士たちに告げます。私は、エリザ・フォン・クラインフェルト。この度のスタンピードは、隣国の侵略行為によって引き起こされたものです」
彼女は淡々と事実を述べ、そして続けた。
「そして、この国家的危機に、隣国と内通し、手引きをした国家反逆者がいます。その名は、リリアン・フォン・クラインフェルト」
エリザの声は、王国中に響き渡った。戦場の騎士も、避難所で息を潜める市民も、そして、王宮で無力感に苛まれていた者たちも、誰もがその声を聞いていた。リリアンの裏切りを証明する手紙の内容が、エリザの口から読み上げられる。
王宮の広間で、アルフォンスはその通信を聞いていた。彼の傍らには、何も知らずに「アルフォンス様、もうすぐ助けが来ますわ」と微笑むリリアンがいた。しかし、エリザの声がリリアンの裏切りを暴いた瞬間、その微笑みは凍りつき、顔から血の気が引いていく。
「そ、そんな…嘘よ…私が、そんなこと…」
周囲の貴族や騎士たちの視線が、驚愕から侮蔑、そして殺意のこもったものへと変わっていく。
「リリアン…本当、なのか…?」
アルフォンスが震える声で尋ねる。自分が愛し、そのためにエリザを切り捨てた女性が、国を売っていた。その信じがたい真実を、彼は受け入れることができなかった。
リリアンの言い訳も虚しく、その場にカイの部隊に捕らえられた隣国の密偵が引きずり出され、全てを自白した。
アルフォンスは、その場に崩れ落ちた。自分の愚かさが、この国を滅ぼしかけていた。愛した女は、国を裏切る魔女だった。そして、自分が捨てた女が、今、この国を救っている。皮肉な現実に、彼はただ、呆然とするしかなかった。
時を同じくして、エリザの命令を受けた別動隊が、隣国の魔術師団のアジトを急襲し、魔物を操っていた魔道具の破壊に成功。統率を失った魔物の群れは、ただの烏合の衆となり、騎士団の反撃によって次々と駆逐されていった。
夜が明け、王都に朝日が差し込む頃、長く続いた悪夢は、ようやく終わりを告げようとしていた。
「カイ様、お願いします。辺境伯軍の精鋭を率い、王都西門から突入してください。西門守備隊と連携し、市街地の魔物を掃討します!」
「東門を突破したオーガの集団は、第二騎士団が足止めしています。王宮の魔術師団は、上空から広範囲の攻撃魔法でオーガの動きを封じてください!」
「北の区画で孤立している市民は、第五騎士団が救出、聖堂への避難経路を確保せよ!」
エリザの的確な指示が、『エル・ネット』の通信網を駆け巡る。彼女の声は、混乱の極みにあった王都に、一本の揺るぎない芯を通した。これまでバラバラに戦い、疲弊していた騎士団は、エリザの情報ネットワークによって、まるで一つの巨大な軍隊のように有機的に連携し始めた。
カイが率いる辺境伯の精鋭部隊は、まさに獅子奮迅の働きを見せた。彼らは、常に最新の戦況データを受け取り、最も効果的な場所へ、最も効果的なタイミングで現れる。彼らの登場は、絶望に沈んでいた王都の騎士たちと市民に、反撃の狼煙が上がったことを明確に示した。人々は、自分たちが見捨てられていなかったことを知り、再び武器を手に取り、立ち上がった。
エリザはテルラの司令室で、眠ることも休むこともなく、盤面の駒を動かすように、各部隊に指示を出し続けた。地図の上に刻々と変化する戦況を追いながら、彼女の頭脳は高速で回転し、常に二手三手先を読んでいた。
作戦が着実に進行し、王都が少しずつ落ち着きを取り戻し始めた頃、情報屋のフィンが、血相を変えて司令室に飛び込んできた。彼は王都の裏社会に張り巡らせた彼自身の情報網を使い、このスタンピードの裏側を探っていたのだ。
「エリザ姉ちゃん! とんでもないことが分かった!」
フィンの手には、数枚の羊皮紙が握られていた。それは、彼が命がけで手に入れた、ある密告者の証言を書き留めたものだった。
「このスタンピード、やっぱり自然発生なんかじゃねえ! 隣国の、闇の一派と呼ばれる過激な魔術師団が、特殊な魔道具で魔物を操って引き起こした、人災だ!」
その言葉に、司令室の空気が凍りついた。隣国の仕業。それはつまり、王国への侵略行為に他ならない。
「目的は、王都を混乱させ、その隙に国境の重要な砦を奪い取ることらしい。だけど、話はそれだけじゃ終わらねえんだ…」
フィンは息を整え、最も衝撃的な事実を口にした。
「その隣国の計画に、内側から手引きしていた奴がいる。王国の機密情報を流し、スタンピードの発生時期を調整するように依頼していた…。その裏切り者の名前は――リリアン・フォン・クラインフェルトだ」
「…リリアンが?」
エリザは、思わず呟いた。あの、か弱く、天使のような微笑みを浮かべていた異母妹が、国を売るような真似を?
フィンが突き出した証拠は、決定的だった。リリアンが隣国の密偵と密会していたという複数の証言。そして、彼女の自室から密かに盗み出された、隣国の魔術師と交わした手紙の写し。そこには、歪んだ文字で、彼女のどす黒い本心が綴られていた。
『エリザさえいなければ、私が本当のお姫様になれる』
『王都が混乱すれば、アルフォンス様はもっと私に頼ってくださるわ』
『姉が辺境で成功しているなんて許せない。王国ごと、一度めちゃくちゃになればいい』
歪んだ嫉妬心と自己愛。そのために、彼女は罪のない多くの民の命を、平然と危険に晒したのだ。
エリザは、怒りに震える拳を強く握りしめた。だが、今は感情に流される時ではない。
「フィン、よくやってくれたわ。この情報は、最大の切り札になる」
エリザはすぐさま行動に移った。フィンの情報から、隣国の魔術師団が魔物を遠隔操作しているアジトが、王都近郊の古い遺跡にあることを特定。即座に、カイの部隊の中から最も隠密行動に優れた別動隊を編成し、アジトの急襲を命じた。
そして同時に、エリザは『エル・ネット』の緊急一斉通信機能を使った。それは、有事の際に、全ての端末に強制的に情報を流すためのものだ。
彼女は、マイクの前に立ち、静かに、しかし、誰もが聞き逃すことのない、凛とした声で語り始めた。
「王国の全ての民、そして騎士たちに告げます。私は、エリザ・フォン・クラインフェルト。この度のスタンピードは、隣国の侵略行為によって引き起こされたものです」
彼女は淡々と事実を述べ、そして続けた。
「そして、この国家的危機に、隣国と内通し、手引きをした国家反逆者がいます。その名は、リリアン・フォン・クラインフェルト」
エリザの声は、王国中に響き渡った。戦場の騎士も、避難所で息を潜める市民も、そして、王宮で無力感に苛まれていた者たちも、誰もがその声を聞いていた。リリアンの裏切りを証明する手紙の内容が、エリザの口から読み上げられる。
王宮の広間で、アルフォンスはその通信を聞いていた。彼の傍らには、何も知らずに「アルフォンス様、もうすぐ助けが来ますわ」と微笑むリリアンがいた。しかし、エリザの声がリリアンの裏切りを暴いた瞬間、その微笑みは凍りつき、顔から血の気が引いていく。
「そ、そんな…嘘よ…私が、そんなこと…」
周囲の貴族や騎士たちの視線が、驚愕から侮蔑、そして殺意のこもったものへと変わっていく。
「リリアン…本当、なのか…?」
アルフォンスが震える声で尋ねる。自分が愛し、そのためにエリザを切り捨てた女性が、国を売っていた。その信じがたい真実を、彼は受け入れることができなかった。
リリアンの言い訳も虚しく、その場にカイの部隊に捕らえられた隣国の密偵が引きずり出され、全てを自白した。
アルフォンスは、その場に崩れ落ちた。自分の愚かさが、この国を滅ぼしかけていた。愛した女は、国を裏切る魔女だった。そして、自分が捨てた女が、今、この国を救っている。皮肉な現実に、彼はただ、呆然とするしかなかった。
時を同じくして、エリザの命令を受けた別動隊が、隣国の魔術師団のアジトを急襲し、魔物を操っていた魔道具の破壊に成功。統率を失った魔物の群れは、ただの烏合の衆となり、騎士団の反撃によって次々と駆逐されていった。
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