異世界転生した元開発担当、チート農業スキルで最高級米を作って「恵方巻」を流行らせます!没落令嬢と組んでライバル商会をざまぁする

黒崎隼人

文字の大きさ
13 / 13

エピローグ「そして世界は米に染まる」

しおりを挟む
 それから数年後。
 この国には、奇妙な風習が根付いていた。
 季節の変わり目になると、人々はこぞって『福巻き』を買い求め、その年の吉方位を向いて無言でかぶりつく。
 かつては「野蛮だ」「奇行だ」と言われたその光景も、今では国民的な行事となっていた。
 王都の大通りには『銀の葉商会』の本店が建ち、リリアナはその経営者として忙しい日々を送っている。
 テオは物流部門の責任者となり、国中に新鮮な野菜と米を届けている。

 そして俺はといえば。
「パパ、見て! 大きなお芋が取れたよ!」
 畑で泥んこになった少女が、俺に駆け寄ってくる。
「おお、すごいな。これはきっと甘いぞ」
 俺は娘を抱き上げ、広大な農地を見渡した。
 黄金色に輝く稲穂の波。色とりどりの野菜畑。
 かつての荒れ地は、今や国一番の穀倉地帯となっていた。
「カイ、お昼ご飯できたわよー」
 家の軒先から、リリアナが手を振っている。少し大人っぽくなった彼女は、エプロン姿が板についている。
 今日のお昼は、きっとおにぎりだ。
 コンビニ弁当の開発に追われ、過労で倒れた前世の俺。
 今世では、自分の育てた作物を、愛する家族と食べる。
 これ以上の幸せがあるだろうか。
「今行くよ」
 俺は娘の手を引いて、家へと歩き出した。
 空は青く、風は稲の香りを運んでくる。
 異世界転生、農業チート、恵方巻。
 よく分からない組み合わせだったが、結果オーライだ。
 俺の人生、これにて満腹。ごちそうさまでした。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

落ちこぼれ職人、万能スキルでギルド最強になります!

たまごころ
ファンタジー
ギルド最弱の鍛冶師レオンは、仲間に「役立たず」と笑われて追放された。 途方に暮れる彼の前に現れたのは、伝説の鍛冶書と、しゃべる鉄塊(?)。 鍛冶・錬金・料理・魔道具――あらゆるクラフトスキルを吸収する《創精鍛造》を極め、万能職人へと覚醒! 素材採取から戦闘まで、すべて自作で挑む“ものづくり異世界成り上がり譚”が今、始まる。 裏切った元仲間? 今さら後悔しても遅いぞ!

追放令嬢と【神の農地】スキル持ちの俺、辺境の痩せ地を世界一の穀倉地帯に変えたら、いつの間にか建国してました。

黒崎隼人
ファンタジー
日本の農学研究者だった俺は、過労死の末、剣と魔法の異世界へ転生した。貧しい農家の三男アキトとして目覚めた俺には、前世の知識と、触れた土地を瞬時に世界一肥沃にするチートスキル【神の農地】が与えられていた! 「この力があれば、家族を、この村を救える!」 俺が奇跡の作物を育て始めた矢先、村に一人の少女がやってくる。彼女は王太子に婚約破棄され、「悪役令嬢」の汚名を着せられて追放された公爵令嬢セレスティーナ。全てを失い、絶望の淵に立つ彼女だったが、その瞳にはまだ気高い光が宿っていた。 「俺が、この土地を生まれ変わらせてみせます。あなたと共に」 孤独な元・悪役令嬢と、最強スキルを持つ転生農民。 二人の出会いが、辺境の痩せた土地を黄金の穀倉地帯へと変え、やがて一つの国を産み落とす奇跡の物語。 優しくて壮大な、逆転建国ファンタジー、ここに開幕!

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

濡れ衣を着せられ、パーティーを追放されたおっさん、実は最強スキルの持ち主でした。復讐なんてしません。田舎でのんびりスローライフ。

さら
ファンタジー
長年パーティーを支えてきた中年冒険者ガルドは、討伐失敗の責任と横領の濡れ衣を着せられ、仲間から一方的に追放される。弁明も復讐も選ばず、彼が向かったのは人里離れた辺境の小さな村だった。 荒れた空き家を借り、畑を耕し、村人を手伝いながら始めた静かな生活。しかしガルドは、自覚のないまま最強クラスの力を持っていた。魔物の動きを抑え、村の環境そのものを安定させるその存在は、次第に村にとって欠かせないものとなっていく。 一方、彼を追放した元パーティーは崩壊の道を辿り、真実も勝手に明るみに出ていく。だがガルドは振り返らない。求めるのは名誉でもざまぁでもなく、ただ穏やかな日々だけ。 これは、最強でありながら争わず、静かに居場所を見つけたおっさんの、のんびりスローライフ譚。

過労死した植物学者の俺、異世界で知識チートを使い農業革命!最果ての寂れた村を、いつの間にか多種族が暮らす世界一豊かな国にしていました

黒崎隼人
ファンタジー
これは、土を愛し、土に愛された男の物語。 そして、忘れられた歌を紡ぐ、始まりと終わりの物語。 過労の果てに命を落とした植物学者の魂は、異世界で「カイ」として新たな生を得る。彼が目覚めたのは、魔法の代償で枯れ果て、人々が希望を失った最果ての村だった。前世の知識という唯一無二の力で、カイは死んだ土に緑を、人々の心に温かな灯をともしていく。 彼の育てる作物はただ腹を満たすだけでなく、魂を癒し、奇跡を呼び起こす。その噂は静かな波紋のように広がり、やがて世界を揺るがす大きな渦となる。 森の奥で悠久の時を生きるエルフの少女、リーリエは歌う。彼の起こした奇跡を、彼が築き上げた温かな国を、そして土に還った愛しい人の記憶を。 これは、一人の男が村を興し、国を育て、世界を変えるまでの壮大な叙事詩。 異世界農業ファンタジーの新たな地平。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

追放された【才能鑑定】スキル持ちの俺、Sランクの原石たちをプロデュースして最強へ

黒崎隼人
ファンタジー
人事コンサルタントの相馬司が転生した異世界で得たのは、人の才能を見抜く【才能鑑定】スキル。しかし自身の戦闘能力はゼロ! 「魔力もない無能」と貴族主義の宮廷魔術師団から追放されてしまう。 だが、それは新たな伝説の始まりだった! 「俺は、ダイヤの原石を磨き上げるプロデューサーになる!」 前世の知識を武器に、司は酒場で燻る剣士、森に引きこもるエルフなど、才能を秘めた「ワケあり」な逸材たちを発掘。彼らの才能を的確に見抜き、最高の育成プランで最強パーティーへと育て上げる! 「あいつは本物だ!」「司さんについていけば間違いない!」 仲間からの絶対的な信頼を背に、司がプロデュースしたパーティーは瞬く間に成り上がっていく。 一方、司を追放した宮廷魔術師たちは才能の壁にぶつかり、没落の一途を辿っていた。そして王国を揺るがす戦乱の時、彼らは思い知ることになる。自分たちが切り捨てた男が、歴史に名を刻む本物の英雄だったということを! 無能と蔑まれた男が、知略と育成術で世界を変える! 爽快・育成ファンタジー、堂々開幕!

処理中です...