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第2話「最初の緑」
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わたしの森は、沈黙していました。
永いこと人間の営みは森に苦しみしか与えなかったから。彼らは魔法という傲慢な力で大地を傷つけ、その代償から目をそむけ、枯れた世界でただ喘いでいるだけ。だからわたしは森の奥で、ただ時の過ぎゆくのを見ていました。人間が、自らの愚かさで滅びゆくのを。
けれど、あの子は違いました。
カイと呼ばれたあの少年は、魔法を使いませんでした。ただひたすらに、その小さな手で土に触れ汗を流し、何かを囁きかけていたのです。
まるで古の契約を交わすように。忘れられた神々と、対話するように。
彼の畑から立ち上る匂いは、懐かしい生命の匂いでした。わたしが生まれるよりもずっと昔、この世界がまだ緑の歌で満ち溢れていた頃の、記憶の匂い。
だからわたしは、見ていられなくなったのです。
その小さな奇跡が、無垢な祈りが、絶望に踏み潰されてしまう瞬間を。
カイが種を蒔いてから、数日が過ぎた。
村人たちの態度は変わらず冷ややかだった。彼の畑を通りかかるたびに、嘲笑や憐れみの言葉を投げかける者もいた。
「まだやっているのか、物好きも大概にしろ」
「どうせ、何も生えはせんよ」
グラムでさえ最近は何も言わなくなった。それは諦めの裏返しなのだろう。
カイはそんな言葉を気にする余裕もなかった。
彼は毎日日が昇ると同時に畑へ向かい、日が沈むまで土の世話をした。水の管理は特に重要だった。この乾燥した土地ではすぐに水分が蒸発してしまう。彼は岩清水から何度も水を運び、土が乾かないように気を配った。
夜は前世の記憶をたどった。この世界の植物の生態はまだよく分からない。だが地球の植物と共通する部分もあるはずだ。彼は自分の知識をこの世界の常識と照らし合わせ、最適な栽培方法を模索し続けた。
そして、種蒔きから五日目の朝。
その奇跡は、静かに起こった。
朝日が地平線を照らし始めた頃、カイはいつものように畑にやってきた。そして自分の目を疑った。
黒々とした畝の上に、小さな小さな緑の双葉がいくつも顔を出していたのだ。
朝露に濡れたその葉は、まるで生まれたての宝石のように太陽の光を浴びてきらきらと輝いている。それはこの灰色の世界に灯った、あまりにも鮮やかで力強い生命の色だった。
「……あ」
声にならない声が、カイの喉から漏れた。
彼はゆっくりと双葉の前に膝をつき、震える指でそっとそれに触れようとして寸前で止めた。壊してしまいそうで怖かったのだ。
込み上げてくる熱いものを、彼はこらえることができなかった。頬を伝う雫がぽたりと土の上に落ちて、小さな染みを作った。
嬉しい。ただひたすらに。
自分の知識が、努力がこの異世界で確かに実を結んだ。この小さな双葉は、彼がこの世界で生きていけるという何よりの証だった。
それは死んだ土が奏で始めた、最初の歌声に聞こえた。
その日の昼頃には、噂は村中に広まっていた。
「カイの畑に、芽が出たらしい」
最初は誰も信じなかった。悪魔の麦ですらまともに芽吹くことのないこの土地で、そんなことがあるはずがない、と。
しかし一人、また一人と恐る恐るカイの畑を覗きに来た者たちは、皆言葉を失った。
そこには紛れもない事実として、生き生きとした緑の芽が列をなして並んでいた。枯れた村の風景の中でその一角だけが、まるで違う世界の法則で動いているかのようだった。
「……本当だ」
「なんてこった、こんな緑、何年ぶりに見たか」
村人たちは信じられないものを見る目で、双葉とカイの顔を交互に見比べた。彼らの瞳に長い間失われていた光が、かすかに宿り始めていた。
その輪の中にグラムもいた。彼は何も言わず、ただじっと緑の芽を見つめていた。その深いしわが刻まれた顔にどんな感情が浮かんでいるのか、カイには分からなかった。
変化は、そこからゆっくりと、しかし確実に始まった。
翌日からカイが岩清水に水を汲みに行くと、何人かの村人が手伝いを申し出てくれるようになった。
「お、重そうだ、半分持ってやる」
「カイ、お前の畑の分も汲んでおいたぞ」
彼らはまだ半信半疑だったが、カイの起こした小さな奇跡に一縷の望みを託し始めていた。カイは素直にその申し出を受け入れた。一人でやるよりも、ずっと効率がいい。
豆の苗は、村人たちの期待に応えるようにすくすくと育っていった。
他の畑の作物が黄色く萎れていくのを尻目に、カイの畑の豆だけは日に日にその緑を濃くし、蔓を伸ばしたくましく成長していく。カイは支柱を立て、蔓が絡みやすいように誘導してやった。雑草を抜き、土の状態を常に確認する。その丁寧な仕事ぶりは、農業をただの労働としか考えていなかった村人たちにとって驚きの連続だった。
やがて豆の蔓に、可憐な白い花が咲き始めた。
花が咲くという当たり前の光景に、村の子供たちが歓声を上げた。大人たちもどこか照れくさそうに、しかし嬉しそうにその光景を眺めていた。
花は希望の象徴だった。この不毛の地にもまだ美しいものが生まれるのだという、確かな証だった。
「カイ」
ある日の夕暮れ、畑仕事を終えたカイにグラムが声をかけた。
「どうすれば、あんな風に育つんだ」
その声には以前のような険しさはなかった。ただ純粋な疑問が込められていた。
「土だよ、村長。土が元気になったから」
カイは足元の黒い土を愛おしそうに撫でながら答えた。
「土が……元気?」
グラムはカイの言っていることが理解できない、という顔をした。
「土も生きているんだ。ちゃんとご飯をあげて息をさせてあげれば、植物を育てる力を取り戻してくれる」
カイは腐葉土や堆肥の話を、できるだけ分かりやすい言葉でグラムに説明した。それはこの世界の人間にとっては、魔法よりも不可思議な話に聞こえただろう。
グラムは黙ってカイの話を聞いていた。そして深く、長い溜息をついた。
「わしらは、ずっと呪いのせいだと思っていた。この土地はもうだめだと諦めていた。……だが、お前は諦めなかったんだな」
「諦めるなんて、できなかった。だって、こんなに綺麗なんだ」
カイは夕日に照らされて輝く豆の葉を見つめて言った。その横顔はまだ幼さを残しているのに、どこか賢者のような静けさを湛えていた。
その夜、グラムは村人たちを集め、頭を下げた。
「わしらは間違っていた。カイの言う通りにしよう。この村の畑すべてを、カイに任せる」
反対する者は、もう誰もいなかった。
村を挙げての土壌改良が始まった。
カイの指導のもと村人たちは腐葉土を集め、家畜の糞で堆肥を作った。それは決して楽な作業ではなかったが、彼らの顔には活気があった。カイの畑の緑が、彼らの心に希望という名の種を蒔いたのだ。
皆で汗を流し、土にまみれる。食事の時にはカイの畑の豆が食卓に並んだ。
初めて収穫した豆は、村人たちを再び驚かせた。
信じられないほど味が濃く、甘いのだ。水で煮ただけなのに、まるではちみつでも入っているかのような豊かな風味。そしてそれを食べると、身体の奥から力が湧いてくるような感覚があった。
「うまい……なんだこれ、こんなうまい豆、生まれて初めて食った」
「身体が、軽い……」
人々は涙を流してその豆を食べた。それはただの食料ではなかった。生命そのものの味だった。自分たちが生きているという確かな実感を与えてくれる、奇跡の味だった。
カイは、その光景を微笑みながら見ていた。
彼の知識は確かにこの世界で通用した。人々を笑顔にすることができた。
植物学者として、これ以上の喜びはない。
しかし彼はまだ知らなかった。
その奇跡の作物が、やがて村の外から招かれざる客を呼び寄せることになるということを。
そして森の奥で静かに彼を見つめる翠の瞳が、少しずつその色に憂いを帯び始めていることにも、まだ気づいてはいなかった。
アータル村の小さな奇跡は、まだ始まったばかりの序曲に過ぎなかったのだ。
永いこと人間の営みは森に苦しみしか与えなかったから。彼らは魔法という傲慢な力で大地を傷つけ、その代償から目をそむけ、枯れた世界でただ喘いでいるだけ。だからわたしは森の奥で、ただ時の過ぎゆくのを見ていました。人間が、自らの愚かさで滅びゆくのを。
けれど、あの子は違いました。
カイと呼ばれたあの少年は、魔法を使いませんでした。ただひたすらに、その小さな手で土に触れ汗を流し、何かを囁きかけていたのです。
まるで古の契約を交わすように。忘れられた神々と、対話するように。
彼の畑から立ち上る匂いは、懐かしい生命の匂いでした。わたしが生まれるよりもずっと昔、この世界がまだ緑の歌で満ち溢れていた頃の、記憶の匂い。
だからわたしは、見ていられなくなったのです。
その小さな奇跡が、無垢な祈りが、絶望に踏み潰されてしまう瞬間を。
カイが種を蒔いてから、数日が過ぎた。
村人たちの態度は変わらず冷ややかだった。彼の畑を通りかかるたびに、嘲笑や憐れみの言葉を投げかける者もいた。
「まだやっているのか、物好きも大概にしろ」
「どうせ、何も生えはせんよ」
グラムでさえ最近は何も言わなくなった。それは諦めの裏返しなのだろう。
カイはそんな言葉を気にする余裕もなかった。
彼は毎日日が昇ると同時に畑へ向かい、日が沈むまで土の世話をした。水の管理は特に重要だった。この乾燥した土地ではすぐに水分が蒸発してしまう。彼は岩清水から何度も水を運び、土が乾かないように気を配った。
夜は前世の記憶をたどった。この世界の植物の生態はまだよく分からない。だが地球の植物と共通する部分もあるはずだ。彼は自分の知識をこの世界の常識と照らし合わせ、最適な栽培方法を模索し続けた。
そして、種蒔きから五日目の朝。
その奇跡は、静かに起こった。
朝日が地平線を照らし始めた頃、カイはいつものように畑にやってきた。そして自分の目を疑った。
黒々とした畝の上に、小さな小さな緑の双葉がいくつも顔を出していたのだ。
朝露に濡れたその葉は、まるで生まれたての宝石のように太陽の光を浴びてきらきらと輝いている。それはこの灰色の世界に灯った、あまりにも鮮やかで力強い生命の色だった。
「……あ」
声にならない声が、カイの喉から漏れた。
彼はゆっくりと双葉の前に膝をつき、震える指でそっとそれに触れようとして寸前で止めた。壊してしまいそうで怖かったのだ。
込み上げてくる熱いものを、彼はこらえることができなかった。頬を伝う雫がぽたりと土の上に落ちて、小さな染みを作った。
嬉しい。ただひたすらに。
自分の知識が、努力がこの異世界で確かに実を結んだ。この小さな双葉は、彼がこの世界で生きていけるという何よりの証だった。
それは死んだ土が奏で始めた、最初の歌声に聞こえた。
その日の昼頃には、噂は村中に広まっていた。
「カイの畑に、芽が出たらしい」
最初は誰も信じなかった。悪魔の麦ですらまともに芽吹くことのないこの土地で、そんなことがあるはずがない、と。
しかし一人、また一人と恐る恐るカイの畑を覗きに来た者たちは、皆言葉を失った。
そこには紛れもない事実として、生き生きとした緑の芽が列をなして並んでいた。枯れた村の風景の中でその一角だけが、まるで違う世界の法則で動いているかのようだった。
「……本当だ」
「なんてこった、こんな緑、何年ぶりに見たか」
村人たちは信じられないものを見る目で、双葉とカイの顔を交互に見比べた。彼らの瞳に長い間失われていた光が、かすかに宿り始めていた。
その輪の中にグラムもいた。彼は何も言わず、ただじっと緑の芽を見つめていた。その深いしわが刻まれた顔にどんな感情が浮かんでいるのか、カイには分からなかった。
変化は、そこからゆっくりと、しかし確実に始まった。
翌日からカイが岩清水に水を汲みに行くと、何人かの村人が手伝いを申し出てくれるようになった。
「お、重そうだ、半分持ってやる」
「カイ、お前の畑の分も汲んでおいたぞ」
彼らはまだ半信半疑だったが、カイの起こした小さな奇跡に一縷の望みを託し始めていた。カイは素直にその申し出を受け入れた。一人でやるよりも、ずっと効率がいい。
豆の苗は、村人たちの期待に応えるようにすくすくと育っていった。
他の畑の作物が黄色く萎れていくのを尻目に、カイの畑の豆だけは日に日にその緑を濃くし、蔓を伸ばしたくましく成長していく。カイは支柱を立て、蔓が絡みやすいように誘導してやった。雑草を抜き、土の状態を常に確認する。その丁寧な仕事ぶりは、農業をただの労働としか考えていなかった村人たちにとって驚きの連続だった。
やがて豆の蔓に、可憐な白い花が咲き始めた。
花が咲くという当たり前の光景に、村の子供たちが歓声を上げた。大人たちもどこか照れくさそうに、しかし嬉しそうにその光景を眺めていた。
花は希望の象徴だった。この不毛の地にもまだ美しいものが生まれるのだという、確かな証だった。
「カイ」
ある日の夕暮れ、畑仕事を終えたカイにグラムが声をかけた。
「どうすれば、あんな風に育つんだ」
その声には以前のような険しさはなかった。ただ純粋な疑問が込められていた。
「土だよ、村長。土が元気になったから」
カイは足元の黒い土を愛おしそうに撫でながら答えた。
「土が……元気?」
グラムはカイの言っていることが理解できない、という顔をした。
「土も生きているんだ。ちゃんとご飯をあげて息をさせてあげれば、植物を育てる力を取り戻してくれる」
カイは腐葉土や堆肥の話を、できるだけ分かりやすい言葉でグラムに説明した。それはこの世界の人間にとっては、魔法よりも不可思議な話に聞こえただろう。
グラムは黙ってカイの話を聞いていた。そして深く、長い溜息をついた。
「わしらは、ずっと呪いのせいだと思っていた。この土地はもうだめだと諦めていた。……だが、お前は諦めなかったんだな」
「諦めるなんて、できなかった。だって、こんなに綺麗なんだ」
カイは夕日に照らされて輝く豆の葉を見つめて言った。その横顔はまだ幼さを残しているのに、どこか賢者のような静けさを湛えていた。
その夜、グラムは村人たちを集め、頭を下げた。
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反対する者は、もう誰もいなかった。
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皆で汗を流し、土にまみれる。食事の時にはカイの畑の豆が食卓に並んだ。
初めて収穫した豆は、村人たちを再び驚かせた。
信じられないほど味が濃く、甘いのだ。水で煮ただけなのに、まるではちみつでも入っているかのような豊かな風味。そしてそれを食べると、身体の奥から力が湧いてくるような感覚があった。
「うまい……なんだこれ、こんなうまい豆、生まれて初めて食った」
「身体が、軽い……」
人々は涙を流してその豆を食べた。それはただの食料ではなかった。生命そのものの味だった。自分たちが生きているという確かな実感を与えてくれる、奇跡の味だった。
カイは、その光景を微笑みながら見ていた。
彼の知識は確かにこの世界で通用した。人々を笑顔にすることができた。
植物学者として、これ以上の喜びはない。
しかし彼はまだ知らなかった。
その奇跡の作物が、やがて村の外から招かれざる客を呼び寄せることになるということを。
そして森の奥で静かに彼を見つめる翠の瞳が、少しずつその色に憂いを帯び始めていることにも、まだ気づいてはいなかった。
アータル村の小さな奇跡は、まだ始まったばかりの序曲に過ぎなかったのだ。
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