8 / 16
第7話「新しい仲間たち」
しおりを挟む
勝利は終わりではなく、始まりでした。
アータル村が領主の軍勢を退けたという噂は風に乗って、瞬く間に近隣の土地へと広がっていきました。それは多くの人々にとって、信じがたい奇跡の物語。
そして奇跡の物語は、人を引き寄せます。
ある者は、その豊かさを求めて。
ある者は、その強さに庇護を求めて。
またある者は、そこに新しい時代の息吹を感じて。
様々な想いを抱いた者たちが、あの小さな村を目指し始めました。まるで暗闇の中で唯一の灯りを見つけた旅人たちのように。
村は変わり始めました。小さな家族のような共同体から、多様な顔ぶれが集う新しい何かの萌芽へと。あのひとはその変化を、少しの戸惑いと大きな喜びをもって受け入れていました。
アータル村の名は、以前とは全く違う意味合いで人々の口にのぼるようになった。
かつては「見捨てられた土地」の代名詞だったその名は、今や「奇跡の村」「圧政に屈しない自由の地」として、吟遊詩人によって歌われるまでになっていた。
その歌に誘われるように、アータル村には少しずつ移住を希望する者たちが現れ始めた。
他の領地で重税に苦しんでいた農民。戦乱で故郷を失った人々。ただ腹いっぱい飯が食いたいと願う貧しい家族。
カイと村人たちは彼らを温かく迎え入れた。村にはまだ耕されていない土地がたくさんあった。そして何よりも、人を育む豊かな土があった。
グラムは最初こそよそ者たちに警戒心を見せていたが、彼らがカイの指導のもと真面目に土と向き合う姿を見て、すぐにその考えを改めた。
「土を愛する者に、悪いやつはおらん」
それが彼の新しい口癖になった。
村が拡大し活気づく中で、カイは新たな課題に直面していた。
それは農具の不足と品質の問題だった。村に昔から伝わる農具は粗末な作りのものが多く、効率が悪い。より多くの土地を耕し、より多くの食料を生産するためには優れた農具が不可欠だった。
そんなある日、村に一人の見慣れない男がやってきた。
ずんぐりとした、しかし筋肉質で頑丈そうな身体つき。豊かな赤茶色の髭。背中には大きな金槌を背負っている。一目でドワーフだと分かった。
彼は村の畑をしばらく眺めた後、カイの元へずかずかとやってきて開口一番、こう言い放った。
「話は聞いた。あんたがこの村の『奇跡』とやららしいな。だが、これはいかん」
男はカイが使っていたクワを無遠慮に取り上げると、鼻で笑った。
「こんなナマクラで、よく土が耕せるもんだ。これじゃあ土が泣くぜ。あんたの畑の土は極上だが、道具が三流以下だ」
その言葉には職人としての、絶対的な自信と誇りが満ちていた。
「僕はカイ。あなたは?」
カイは男の無礼な態度を気にするでもなく、穏やかに尋ねた。
「俺はバルド。流れの鍛冶師だ」
バルドと名乗ったドワーフは、ふんと胸を張った。
「最高の農具を求めて、この村に来てみたんだ。あんたの作物がうまいのは、土がいいからだけじゃない。何か秘密があるんだろ?」
カイはバルドの挑戦的な視線を受け止め、にっこりと笑った。
「秘密、というほどのものでもないけど。僕が考えた新しい農具の設計図があるんだ。見てくれるかな?」
カイはバルドを自分の家に案内し、書き溜めていた設計図の束を見せた。
そこにはカイが前世の知識――人間工学や物理学――を元に考案した、様々な農具のアイデアが描かれていた。
刃の角度を工夫し少ない力で深く耕せるスキ。重心を計算し長時間使っても疲れにくいクワ。土を効率よく反転させるための、螺旋状の刃を持つ農具。
バルドは最初、半信半疑でその図面を眺めていた。だが読み進めるうちに、その顔つきがみるみる真剣なものに変わっていった。
「……なんだ、これは」
彼の指が設計図の上を震えながらなぞっていく。
「この湾曲は……力の分散を考えているのか? この柄の太さと角度は……テコの原理を最大限に活かすため……? ばかな、こんな発想、見たことも聞いたこともない……!」
バルドの目は子供のように輝いていた。頑固な職人の魂が、未知なる創造の可能性に激しく揺さぶられていたのだ。
彼はばっと顔を上げ、カイの肩を掴んだ。
「あんた、天才か!?」
そのあまりの剣幕に、カイはたじろいだ。
「俺に、これを作らせてくれ! いや、作らせてください! このバルドの生涯をかけて、あんたの理想を形にしてみせる!」
頑固一徹だったドワーフは、尊敬と興奮に満ちた目でカイに頭を下げた。
こうしてアータル村に、バルドという最高の技術者が加わった。
彼は村に鍛冶場を構え、寝食を忘れて新しい農具の開発に没頭した。カイとバルドは毎日のように意見を交わし、試行錯誤を繰り返した。一方は植物と土の専門家として。もう一方は金属と炎の専門家として。二人の才能が合わさった時、そこに革命が起きた。
バルドが生み出す農具は、まさに魔法のようだった。
村人たちはその使いやすさと性能に驚嘆した。作業効率は飛躍的に向上し、以前の半分の労力で倍以上の面積を耕せるようになった。
村の生産力は、爆発的に増加した。
アータル村は、もはや単なる農村ではなかった。
様々な場所から様々な技能を持つ人々が集まり、互いに協力し合う一つの大きな共同体(コミュニティ)へと変貌を遂げつつあった。
カイの作る豊かな食料が人々を呼び、集まった人々がそれぞれの技術で村をさらに豊かにしていく。その好循環が、村をかつてない勢いで発展させていた。
カイは、その変化の中心にいた。
彼は誰に対しても分け隔てなく接し、それぞれの意見に耳を傾けた。彼の周りにはいつも人々の笑顔と活気があった。
リーリエはそんな村の様子を、森の木々の間から静かに、そして温かい眼差しで見守っていた。
カイが作ろうとしているのは、ただ作物が豊かに実る場所だけではない。人々が種族や出自に関係なく、共に笑い支え合って生きていける場所なのだ。
そのことに気づいた時、リーリエの心にこれまで感じたことのない温かな感情が芽生えているのを、彼女自身まだはっきりと自覚してはいなかった。
アータル村が領主の軍勢を退けたという噂は風に乗って、瞬く間に近隣の土地へと広がっていきました。それは多くの人々にとって、信じがたい奇跡の物語。
そして奇跡の物語は、人を引き寄せます。
ある者は、その豊かさを求めて。
ある者は、その強さに庇護を求めて。
またある者は、そこに新しい時代の息吹を感じて。
様々な想いを抱いた者たちが、あの小さな村を目指し始めました。まるで暗闇の中で唯一の灯りを見つけた旅人たちのように。
村は変わり始めました。小さな家族のような共同体から、多様な顔ぶれが集う新しい何かの萌芽へと。あのひとはその変化を、少しの戸惑いと大きな喜びをもって受け入れていました。
アータル村の名は、以前とは全く違う意味合いで人々の口にのぼるようになった。
かつては「見捨てられた土地」の代名詞だったその名は、今や「奇跡の村」「圧政に屈しない自由の地」として、吟遊詩人によって歌われるまでになっていた。
その歌に誘われるように、アータル村には少しずつ移住を希望する者たちが現れ始めた。
他の領地で重税に苦しんでいた農民。戦乱で故郷を失った人々。ただ腹いっぱい飯が食いたいと願う貧しい家族。
カイと村人たちは彼らを温かく迎え入れた。村にはまだ耕されていない土地がたくさんあった。そして何よりも、人を育む豊かな土があった。
グラムは最初こそよそ者たちに警戒心を見せていたが、彼らがカイの指導のもと真面目に土と向き合う姿を見て、すぐにその考えを改めた。
「土を愛する者に、悪いやつはおらん」
それが彼の新しい口癖になった。
村が拡大し活気づく中で、カイは新たな課題に直面していた。
それは農具の不足と品質の問題だった。村に昔から伝わる農具は粗末な作りのものが多く、効率が悪い。より多くの土地を耕し、より多くの食料を生産するためには優れた農具が不可欠だった。
そんなある日、村に一人の見慣れない男がやってきた。
ずんぐりとした、しかし筋肉質で頑丈そうな身体つき。豊かな赤茶色の髭。背中には大きな金槌を背負っている。一目でドワーフだと分かった。
彼は村の畑をしばらく眺めた後、カイの元へずかずかとやってきて開口一番、こう言い放った。
「話は聞いた。あんたがこの村の『奇跡』とやららしいな。だが、これはいかん」
男はカイが使っていたクワを無遠慮に取り上げると、鼻で笑った。
「こんなナマクラで、よく土が耕せるもんだ。これじゃあ土が泣くぜ。あんたの畑の土は極上だが、道具が三流以下だ」
その言葉には職人としての、絶対的な自信と誇りが満ちていた。
「僕はカイ。あなたは?」
カイは男の無礼な態度を気にするでもなく、穏やかに尋ねた。
「俺はバルド。流れの鍛冶師だ」
バルドと名乗ったドワーフは、ふんと胸を張った。
「最高の農具を求めて、この村に来てみたんだ。あんたの作物がうまいのは、土がいいからだけじゃない。何か秘密があるんだろ?」
カイはバルドの挑戦的な視線を受け止め、にっこりと笑った。
「秘密、というほどのものでもないけど。僕が考えた新しい農具の設計図があるんだ。見てくれるかな?」
カイはバルドを自分の家に案内し、書き溜めていた設計図の束を見せた。
そこにはカイが前世の知識――人間工学や物理学――を元に考案した、様々な農具のアイデアが描かれていた。
刃の角度を工夫し少ない力で深く耕せるスキ。重心を計算し長時間使っても疲れにくいクワ。土を効率よく反転させるための、螺旋状の刃を持つ農具。
バルドは最初、半信半疑でその図面を眺めていた。だが読み進めるうちに、その顔つきがみるみる真剣なものに変わっていった。
「……なんだ、これは」
彼の指が設計図の上を震えながらなぞっていく。
「この湾曲は……力の分散を考えているのか? この柄の太さと角度は……テコの原理を最大限に活かすため……? ばかな、こんな発想、見たことも聞いたこともない……!」
バルドの目は子供のように輝いていた。頑固な職人の魂が、未知なる創造の可能性に激しく揺さぶられていたのだ。
彼はばっと顔を上げ、カイの肩を掴んだ。
「あんた、天才か!?」
そのあまりの剣幕に、カイはたじろいだ。
「俺に、これを作らせてくれ! いや、作らせてください! このバルドの生涯をかけて、あんたの理想を形にしてみせる!」
頑固一徹だったドワーフは、尊敬と興奮に満ちた目でカイに頭を下げた。
こうしてアータル村に、バルドという最高の技術者が加わった。
彼は村に鍛冶場を構え、寝食を忘れて新しい農具の開発に没頭した。カイとバルドは毎日のように意見を交わし、試行錯誤を繰り返した。一方は植物と土の専門家として。もう一方は金属と炎の専門家として。二人の才能が合わさった時、そこに革命が起きた。
バルドが生み出す農具は、まさに魔法のようだった。
村人たちはその使いやすさと性能に驚嘆した。作業効率は飛躍的に向上し、以前の半分の労力で倍以上の面積を耕せるようになった。
村の生産力は、爆発的に増加した。
アータル村は、もはや単なる農村ではなかった。
様々な場所から様々な技能を持つ人々が集まり、互いに協力し合う一つの大きな共同体(コミュニティ)へと変貌を遂げつつあった。
カイの作る豊かな食料が人々を呼び、集まった人々がそれぞれの技術で村をさらに豊かにしていく。その好循環が、村をかつてない勢いで発展させていた。
カイは、その変化の中心にいた。
彼は誰に対しても分け隔てなく接し、それぞれの意見に耳を傾けた。彼の周りにはいつも人々の笑顔と活気があった。
リーリエはそんな村の様子を、森の木々の間から静かに、そして温かい眼差しで見守っていた。
カイが作ろうとしているのは、ただ作物が豊かに実る場所だけではない。人々が種族や出自に関係なく、共に笑い支え合って生きていける場所なのだ。
そのことに気づいた時、リーリエの心にこれまで感じたことのない温かな感情が芽生えているのを、彼女自身まだはっきりと自覚してはいなかった。
25
あなたにおすすめの小説
異世界カードSHOP『リアのカード工房』本日開店です 〜女神に貰ったカード化スキルは皆を笑顔にさせるギフトでした〜
夢幻の翼
ファンタジー
自分のお店を経営したい!
そんな夢を持つアラサー女子・理愛(リア)はアルバイト中に気を失う。次に気がつけばそこでは平謝りする女神の姿。
死亡理由が故意か過失か分からないままに肉体が無い事を理由に異世界転生を薦められたリアは仕方なしに転生を選択する。
だが、その世界では悪事を働かなければ自由に暮らして良い世界。女神に貰ったスキルを駆使して生前の夢だった店舗経営に乗り出したリア。
少々チートなスキルだけれど皆を笑顔にさせる使い方でたちまち町の人気店に。
商業ギルドのマスターに気に入られていろんな依頼も引き受けながら今日も元気にお店を開く。
異世界カードSHOP『リアのカード工房』本日も開店しています。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
『規格外の薬師、追放されて辺境スローライフを始める。〜作ったポーションが国家機密級なのは秘密です〜』
雛月 らん
ファンタジー
俺、黒田 蓮(くろだ れん)35歳は前世でブラック企業の社畜だった。過労死寸前で倒れ、次に目覚めたとき、そこは剣と魔法の異世界。しかも、幼少期の俺は、とある大貴族の私生児、アレン・クロイツェルとして生まれ変わっていた。
前世の記憶と、この世界では「外れスキル」とされる『万物鑑定』と『薬草栽培(ハイレベル)』。そして、誰にも知られていない規格外の莫大な魔力を持っていた。
しかし、俺は決意する。「今世こそ、誰にも邪魔されない、のんびりしたスローライフを送る!」と。
これは、スローライフを死守したい天才薬師のアレンと、彼の作る規格外の薬に振り回される異世界の物語。
平穏を愛する(自称)凡人薬師の、のんびりだけど実は波乱万丈な辺境スローライフファンタジー。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
『しろくま通りのピノ屋さん 〜転生モブは今日もお菓子を焼く〜』
miigumi
ファンタジー
前世では病弱で、病室の窓から空を見上げることしかできなかった私。
そんな私が転生したのは、魔法と剣があるファンタジーの世界。
……とはいえ、勇者でも聖女でもなく、物語に出てこない“モブキャラ”でした。
貴族の家に生まれるも馴染めず、破門されて放り出された私は、街の片隅――
「しろくま通り」で、小さなお菓子屋さんを開くことにしました。
相棒は、拾ったまんまるのペンギンの魔物“ピノ”。
季節の果物を使って、前世の記憶を頼りに焼いたお菓子は、
気づけばちょっぴり評判に。
できれば平和に暮らしたいのに、
なぜか最近よく現れるやさしげな騎士さん――
……って、もしかして勇者パーティーの人なんじゃ?!
静かに暮らしたい元病弱転生モブと、
彼女の焼き菓子に癒される人々の、ちょっと甘くて、ほんのり騒がしい日々の物語。
過労死して転生したら『万能農具』を授かったので、辺境でスローライフを始めたら、聖獣やエルフ、王女様まで集まってきて国ごと救うことになりました
黒崎隼人
ファンタジー
過労の果てに命を落とした青年が転生したのは、痩せた土地が広がる辺境の村。彼に与えられたのは『万能農具』という一見地味なチート能力だった。しかしその力は寂れた村を豊かな楽園へと変え、心優しきエルフや商才に長けた獣人、そして国の未来を憂う王女といった、かけがえのない仲間たちとの絆を育んでいく。
これは一本のクワから始まる、食と笑い、もふもふに満ちた心温まる異世界農業ファンタジー。やがて一人の男のささやかな願いが、国さえも救う大きな奇跡を呼び起こす物語。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
追放令嬢と【神の農地】スキル持ちの俺、辺境の痩せ地を世界一の穀倉地帯に変えたら、いつの間にか建国してました。
黒崎隼人
ファンタジー
日本の農学研究者だった俺は、過労死の末、剣と魔法の異世界へ転生した。貧しい農家の三男アキトとして目覚めた俺には、前世の知識と、触れた土地を瞬時に世界一肥沃にするチートスキル【神の農地】が与えられていた!
「この力があれば、家族を、この村を救える!」
俺が奇跡の作物を育て始めた矢先、村に一人の少女がやってくる。彼女は王太子に婚約破棄され、「悪役令嬢」の汚名を着せられて追放された公爵令嬢セレスティーナ。全てを失い、絶望の淵に立つ彼女だったが、その瞳にはまだ気高い光が宿っていた。
「俺が、この土地を生まれ変わらせてみせます。あなたと共に」
孤独な元・悪役令嬢と、最強スキルを持つ転生農民。
二人の出会いが、辺境の痩せた土地を黄金の穀倉地帯へと変え、やがて一つの国を産み落とす奇跡の物語。
優しくて壮大な、逆転建国ファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる