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第12話「選択の先、真実の幸福」
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薬草園の柔らかな陽光の中、レオンは私を真っ直ぐに見つめ、そして、その言葉を紡いだ。
「エルザ様。私は、もう騎士の制服を脱ぎました」
彼の突然の言葉に、私の心臓が大きく跳ねた。どうして、と問う前に、彼の視線が私の心を深く見透かすかのように、私の瞳を捉えた。
「私は、騎士としてエルザ様をお守りするだけでは、満足できなくなってしまったのです」
レオンの声は、いつになく真剣で、かすかに震えていた。
「これからは、一人の男として、あなたの隣で生きていきたい。エルザ様と共に、このヴァイス領を、私たちの故郷を、末永く守り、育んでいきたいと、そう願っています」
彼はそこで一度言葉を切り、深い息を吸い込んだ。そして、私の前に膝をつき、彼の胸に手を当てた。
「エルザ・ヴァイス様。どうか、私と結婚してください」
その言葉に、私の世界の全てが、音もなく静止したかのように感じられた。プロポーズ。
私が「悪役令嬢」という役割を演じていた頃には、決して叶うことのなかった、本物のプロポーズ。かつてルキウス殿下との婚約は、政略によるもので、そこに心はなかった。
だが、レオンの言葉には、彼の心の全てが込められていた。
私の瞳から、止めどなく温かい雫が溢れ出した。それは、侯爵令嬢としての見栄も、悪役令嬢としての仮面も、全てを洗い流すかのような、生まれて初めて流す、本心からの涙だった。
私を信じ、支え、守り続けてくれた彼への感謝。そして、誰からも愛されることはないと諦めていた私の心に、確かな愛を届けてくれた彼への、深い愛情。
「レオン……」
私の声は、震えていた。私は、頬を伝う涙を拭うことなく、ゆっくりと膝をつく彼の前に身をかがめた。そして、彼の顔をそっと、私の両手で包み込んだ。
「わたくしで、本当に、よろしいのですか……?」
私はまだ、信じられない気持ちで、彼に問いかけた。しかし、彼の真っ直ぐな瞳は、いかなる疑念も持っていなかった。
「エルザ様でなければ、私は嫌です。エルザ様だけが、私の心を照らす光なのですから」
彼の言葉に、涙が堰を切ったように溢れ出す。私は彼の首に腕を回し、その肩に顔をうずめた。温かい彼の匂いが、私の心を安堵で満たしていく。
「……はい。喜んで、貴方様の妻になりましょう、レオン」
私の言葉に、レオンは強く抱きしめ返してくれた。彼の腕は、以前よりも力強く、私をしっかりと支えてくれた。
その瞬間、私の心の中で、何かが完全に解き放たれるのを感じた。それは「ゲーム」という名の呪縛だった。
もう私は、誰かの筋書きの上で踊る必要はない。私自身の足で立ち、私自身の意思で愛を選び取ることができた。この世界は、完全に私自身のものになったのだ。
数週間後、ヴァイス領の小さな教会で、私とレオンはささやかな結婚式を挙げた。参列したのは、父や、領地の代表者たち、そして、私たちが設立した孤児院の子供たちだった。
彼らの祝福の言葉と、心からの笑顔が、私たち二人の新しい門出を温かく見守ってくれた。
私は純白のウェディングドレスを身にまとい、レオンの隣に立っていた。彼の手に握られた私の手は、温かく、そして力強かった。
私はもう、「悪役」でもなく、「令嬢」でもない。ただ一人の女性として、レオンと共に、新しい人生を歩むのだ。
この日、ヴァイス領は、かつてないほどの祝福と幸福に包まれた。
私の人生は、あの卒業舞踏会の夜、全てを見透かす微笑みから始まった。そして、自らの意志で「悪役令嬢」という役割を脱ぎ捨て、真実の幸福を選び取った。
レオンと共に歩む未来は、何よりも尊く、温かいものだと、私は確信していた。
世界は、今、私たちの前で、無限の可能性を広げている。私は、私の選んだこの道こそが、真の幸福への道なのだと、心の底から感じていた。
そして、レオンの隣で、私は最も美しい私でいることができた。これこそが、私が追い求めていた、自由と愛の形だった。
「エルザ様。私は、もう騎士の制服を脱ぎました」
彼の突然の言葉に、私の心臓が大きく跳ねた。どうして、と問う前に、彼の視線が私の心を深く見透かすかのように、私の瞳を捉えた。
「私は、騎士としてエルザ様をお守りするだけでは、満足できなくなってしまったのです」
レオンの声は、いつになく真剣で、かすかに震えていた。
「これからは、一人の男として、あなたの隣で生きていきたい。エルザ様と共に、このヴァイス領を、私たちの故郷を、末永く守り、育んでいきたいと、そう願っています」
彼はそこで一度言葉を切り、深い息を吸い込んだ。そして、私の前に膝をつき、彼の胸に手を当てた。
「エルザ・ヴァイス様。どうか、私と結婚してください」
その言葉に、私の世界の全てが、音もなく静止したかのように感じられた。プロポーズ。
私が「悪役令嬢」という役割を演じていた頃には、決して叶うことのなかった、本物のプロポーズ。かつてルキウス殿下との婚約は、政略によるもので、そこに心はなかった。
だが、レオンの言葉には、彼の心の全てが込められていた。
私の瞳から、止めどなく温かい雫が溢れ出した。それは、侯爵令嬢としての見栄も、悪役令嬢としての仮面も、全てを洗い流すかのような、生まれて初めて流す、本心からの涙だった。
私を信じ、支え、守り続けてくれた彼への感謝。そして、誰からも愛されることはないと諦めていた私の心に、確かな愛を届けてくれた彼への、深い愛情。
「レオン……」
私の声は、震えていた。私は、頬を伝う涙を拭うことなく、ゆっくりと膝をつく彼の前に身をかがめた。そして、彼の顔をそっと、私の両手で包み込んだ。
「わたくしで、本当に、よろしいのですか……?」
私はまだ、信じられない気持ちで、彼に問いかけた。しかし、彼の真っ直ぐな瞳は、いかなる疑念も持っていなかった。
「エルザ様でなければ、私は嫌です。エルザ様だけが、私の心を照らす光なのですから」
彼の言葉に、涙が堰を切ったように溢れ出す。私は彼の首に腕を回し、その肩に顔をうずめた。温かい彼の匂いが、私の心を安堵で満たしていく。
「……はい。喜んで、貴方様の妻になりましょう、レオン」
私の言葉に、レオンは強く抱きしめ返してくれた。彼の腕は、以前よりも力強く、私をしっかりと支えてくれた。
その瞬間、私の心の中で、何かが完全に解き放たれるのを感じた。それは「ゲーム」という名の呪縛だった。
もう私は、誰かの筋書きの上で踊る必要はない。私自身の足で立ち、私自身の意思で愛を選び取ることができた。この世界は、完全に私自身のものになったのだ。
数週間後、ヴァイス領の小さな教会で、私とレオンはささやかな結婚式を挙げた。参列したのは、父や、領地の代表者たち、そして、私たちが設立した孤児院の子供たちだった。
彼らの祝福の言葉と、心からの笑顔が、私たち二人の新しい門出を温かく見守ってくれた。
私は純白のウェディングドレスを身にまとい、レオンの隣に立っていた。彼の手に握られた私の手は、温かく、そして力強かった。
私はもう、「悪役」でもなく、「令嬢」でもない。ただ一人の女性として、レオンと共に、新しい人生を歩むのだ。
この日、ヴァイス領は、かつてないほどの祝福と幸福に包まれた。
私の人生は、あの卒業舞踏会の夜、全てを見透かす微笑みから始まった。そして、自らの意志で「悪役令嬢」という役割を脱ぎ捨て、真実の幸福を選び取った。
レオンと共に歩む未来は、何よりも尊く、温かいものだと、私は確信していた。
世界は、今、私たちの前で、無限の可能性を広げている。私は、私の選んだこの道こそが、真の幸福への道なのだと、心の底から感じていた。
そして、レオンの隣で、私は最も美しい私でいることができた。これこそが、私が追い求めていた、自由と愛の形だった。
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