316 / 327
レーディング15(R15)・表現深化バージョン~刺激的な表現を含みます
第200話 『ダンジョン設計』 ~学園祭の舞台づくり~ 前編
しおりを挟む迷宮は、ただの殺戮装置ではない。
それは『記憶』をなぞる舞台であり、『感情』を吸い上げる装置。
カルマはそう考えた。
だからこそ、彼が設計したのは、木造校舎を模したダンジョンだった。
ギシギシと鳴る床板、煤けた黒板、誰もいない教室。
そこに詰まっているのは、かつて誰にも見られなかった『日常』の残響。
構造:三年制・九階層+イベント階層
迷宮は1年につき3階層、計9階層で3年間の学校生活をなぞる構成。
さらに、10階層目には『イベントフロア』を設け、入学式や卒業式、文化祭などの『行事』を演出する。
この構造は段階的に繰り返される。
入学式から始まって、卒業式まで。
学校行事をなぞっていく。
「入学式では『生徒手帳』の配布と『校歌斉唱』でもさせようかな」
「生徒手帳?」
悠が首を傾げる。
「中身はスタンプラリー帳。各階層にあるイベントをクリアしていく感じにしようと思ってる」
「・・・ずいぶん、楽しそうなダンジョンね?」
確かめるように友梨が問いかけた。
「オレも別に『探索者』すべて・・・まして『人間』すべてを憎んでいるわけじゃないからな。死者の出ないダンジョンでもいいと思っているよ」
・・・死者が出ないとは言わないけどね。
「入学式は、歓迎の儀式だ。 生徒手帳を渡し、校歌を歌ってもらう。 それだけでいい。 彼らが『生徒』になるには、それで十分だろ」
うんうんと楽しそうに頷いて、カルマが手にしたノートに何かを書き付けていく。
「次は定番の身体測定だ。スタンプラリー帳の1ページ目、身長、体重、視力、握力、心拍数を図っていく。ただし、どれも魔力吸収機能付きにしよう」
攻撃性を感じるようなものではなく、ごく微量でいい。
『マナポイント』を稼がせてもらう。
【身長:棺桶型測定器。夢の高さに届かない。
体重:心の重さ。言葉の沈殿。
視力:見たくなかったものが見える。
握力:掴めなかった手。
心拍数:名前を呼ばれた瞬間の鼓動。
※全項目、魔力吸収機能付き。微量で十分。
※測定結果は『評価』形式。数値は不要。】
「そうしたら・・・『新入生歓迎会』だな。楽しんでもらえるよう、ミニゲームを・・・。『たたいて・かぶって・ジャンケンポン』なんて、盛り上がるんじゃないかな?」
「わかりやすいうえに、無駄に盛り上がるのよね。あれ」
頭を抱えて、薫が頷く。
お嬢様なのに、ムキになっていたなぁと、カルマは思い出した。
【ゲーム形式:「たたいて・かぶって・ジャンケンポン」
・魔力反応:叩く瞬間に魔力が放出される(無意識)。
・防御側は魔法障壁を展開(反射的)。
・勝敗に応じてスタンプラリー帳に『勝敗』が記録される。
・目的:勝ち負けの判定がのちに賞品の選択などに影響してくる。
・副作用:魔力供出(微量)、叩かれるときのわずかな恐怖(ソウルポイント』
「続いては定番行事の『運動会』だ。お客さんたちには大いに競い合っていただこう。勝ち負けをしっかり記録することで、『これには意味がある』とわからせる」
「・・・どんな意味があるの?」
元陸上短距離のエース裕子が、久しぶりに生えている足をさすっている。
「んー、最終的な『スタンプラリー達成報酬』に差が出るとかだね」
種類や質に差をつけるのだ。
ゴールすればみんな一緒、ではない。
「小学校の運動会。100メートル走で一位はノートだけど、順位が下になると鉛筆とかだったのと一緒だね」
「・・・たとえが・・・。わかりやすいけど!」
ダンジョンっぽくないっ!
肩にツッコミが入った。
昔なら跡が残るようなやり方だっただろうけど、今は押された程度だ。
むしろ心地いい。
「運動会の次は・・・」
なにがあったっけ?
考えて思い出した。
「生徒総会だ」
意見を求めるふりをして、実は意見を縛る会合。
「委員会に強制参加させよう」
風紀委員は治安維持。
図書委員は記録の管理。
視聴覚委員会は行事の内容配信。
保健委員は回復と健康増進。
「ありふれて見えるけど・・・」
クスッ、と真梨華が笑った。
これも、『スタンプラリー帳』に記載。
のちの評価につなげる。
「で、ついに来ました『中間考査』だ」
実技。
武器を使っての模擬戦。(ソウルポイントの吸収)
魔法による威力測定。(マナポイントの吸収)
座学。
ごく一般的な教養問題。
ただし、筆記具は使うと魔力を消費する。(マナポイントの吸収)
座学が苦手な者によっては『ソウルポイント』も吸収できる。
成績はもちろん、記載され評価される。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる