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6章 女装して辺境伯領を堕とした(10歳)
95話 おいしいとこだけもらう悪役ムーブ
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――ふわっ。
僕は、レベルというこの世界で絶対的な力で強化された脚力により、ふわりと飛翔。
そのまま滞空し、滑空。
そして――この3年間で身についてしまった、ふわりと膨らんだスカートを片手で抑え、下から見上げてきてる人たちに見られないように降り立つ。
――とんっ。
……どうしても見えちゃう分は諦めてるし、どうせこんな子供のスカートの中なんて誰も見たくなんてない――わけがないから、なるべく影になるように意識して。
そうだ、こんな10歳の子供になんて、
「見え……!」
「ヴッ……」
「女神様ユリア様……ありがとう、ありがとう……!」
「綺麗……」
「………………………………」
男どころか女の人までガン見してくるのも、もう諦めてる。
この世界の人たちってば、生死の境が近い分、前世の僕が知ってる人たちよりも大人びてるのになぜかこういうところはおバカなんだ。
なんでだろうね。
知りたくないね。
「……ふぅ。ボスモンスターは、ローパーの上位種――物理攻撃を一定確率で弾き、何十の触手で全方位を攻撃でき、しかも体力が一定以下になれば分裂する特性ですか」
貴族とは、舐められたらおしまいの存在だ。
だから僕は「ぱんつを見られても気にしてません」って涼しい顔をして、ダンジョンのボスを見上げる。
魔力っていうこれまた生物としての格差がある以上、貴族令嬢もとい令息っていう社会としての格差がある以上、そう簡単になめられるわけではないけども――僕はまだ10歳で、しかも「公式には存在しない女の子」として振る舞っている。
この世界でも悲しいかな、男女の格差はどうしてもあって、つまりは子供の上に女の子ってことでさらに下に見られているはず。
だからこそ、せめて立ち振る舞いだけでも――だから、僕のぱんつを不幸にも見ちゃって鼻血を出している人たちのことには気づいていないフリをする。
実際、男が下着見られてもなんとも思わないし。
……それへの視線が粘っこいから鳥肌は立つけども。
――今の服装は、この場にふさわしくない――ただの貴族令嬢の、ごく普通の普段着。
冒険者のそれでも貴族のそれでもなく、エミリーちゃんの好みなお嬢様服。
さすがに小学校前半では背がそこまで伸びないのか、そろそろ伸びてほしいと切に願う次第だけども未だに背は同年代の平均以下。
周りの同世代の子――なぜか女の子ばっかりだけども――にも、まだまだ負けているのが悔しい今日このごろ。
銀色に紫の混じった髪は、なぜか伸ばされ続けてそろそろ肩甲骨を追い越すほどのストレートヘア。
エミリーちゃんとアメリアちゃんと――メイドさんたちやモブ子ズに梳かされ続け、僕自身は何も手入れをしないのに「絹のような髪」との評判。
顔もまだまだ子供で、産みの母さんの子供のころから世話をしていた使用人さんたちからは「セレスティーヌ様そのもののお姿です!」らしい顔は、どう見ても女の子。
……これ、ちゃんと第二次成長で男になれるよね?
子供のときから女装して世界を騙そうとした結果として、「ふむ……女だな?」って世界さんが間違えてこのままとかないよね?
ね?
この世界さん、そんなぽんこつじゃないよね……ね……?
そんな葛藤を抱えた僕は、嫌な未来予知を忘れるために一瞬で触手さんへと詰め寄り――。
――ひゅぱっ。
反撃される前に――こいつ、ぬるぬるを飛ばしてくるから髪の毛につくと厄介なんだ――攻撃手段を刈り取る。
「ユリア様……」
「お美しい……」
「GIIII……!」
ぬるぬるどろどろとした液体が、ローパーの触手からべちゃべちゃっと飛び散る。
けれどもすぐに切り口から生やそうとしているのがキモい。
……こいつ、僕のこと生物学的に女の子だって思って薄い本のネタ元みたいなことしようとしている……おぇぇぇ。
「――この地を人の手に取り戻すため。このユリアが倒します」
僕は、使い慣れたムチをしならせ――30センチしかなかったそれを、何メートルにも引き延ばさせながら……打つ。
――ひゅんっ。
「GIII――――!?」
「……ふむ、3本ほど弾かれましたか。やはり物理攻撃ですと耐久値以上のそれでも確率で無効化されるのですね」
ローパーの上位種。
危険なモンスターとして、しっかりギルドを通じて王国中に伝えておかないとな。
「まさか、あの触手のほぼ全てを一撃で……!?」
「ユリア様の本気は、未だかつて誰も見たことがないそうだ」
「いや、確か何年も前、まだ子供だったころに魔族を……と」
「ユリア様ー♥」
「女の敵へ、トドメをですわ!」
「ユリア様に本気で打ち据えてもらえるだなんて……こほん! ユリア様は常の冷静な顔つきでダンジョンの主の前へと……」
ボスの周囲に湧いたモンスターは、みんなによってほぼ殲滅済み。
残党を倒す以外の味方は、後方に下がりつつ僕の戦いを観戦している。
――こういうところでしっかり強いアピールをして、世界の強制力とかで万が一にでも反乱とかされないように……ね。
この世界は良くも悪くも、実力がある人間に対しては個人主義――ゆえに、たとえラスボスにさせられたとしても、強ければ一定の数は味方をしてくれる。
それこそラスボスルートのベルトランたちみたいにね。
だから、こうして時間をかけてでも――せめてこの領の人たちが味方になってくれるよう、今日も虚勢を張るんだ。
僕は、レベルというこの世界で絶対的な力で強化された脚力により、ふわりと飛翔。
そのまま滞空し、滑空。
そして――この3年間で身についてしまった、ふわりと膨らんだスカートを片手で抑え、下から見上げてきてる人たちに見られないように降り立つ。
――とんっ。
……どうしても見えちゃう分は諦めてるし、どうせこんな子供のスカートの中なんて誰も見たくなんてない――わけがないから、なるべく影になるように意識して。
そうだ、こんな10歳の子供になんて、
「見え……!」
「ヴッ……」
「女神様ユリア様……ありがとう、ありがとう……!」
「綺麗……」
「………………………………」
男どころか女の人までガン見してくるのも、もう諦めてる。
この世界の人たちってば、生死の境が近い分、前世の僕が知ってる人たちよりも大人びてるのになぜかこういうところはおバカなんだ。
なんでだろうね。
知りたくないね。
「……ふぅ。ボスモンスターは、ローパーの上位種――物理攻撃を一定確率で弾き、何十の触手で全方位を攻撃でき、しかも体力が一定以下になれば分裂する特性ですか」
貴族とは、舐められたらおしまいの存在だ。
だから僕は「ぱんつを見られても気にしてません」って涼しい顔をして、ダンジョンのボスを見上げる。
魔力っていうこれまた生物としての格差がある以上、貴族令嬢もとい令息っていう社会としての格差がある以上、そう簡単になめられるわけではないけども――僕はまだ10歳で、しかも「公式には存在しない女の子」として振る舞っている。
この世界でも悲しいかな、男女の格差はどうしてもあって、つまりは子供の上に女の子ってことでさらに下に見られているはず。
だからこそ、せめて立ち振る舞いだけでも――だから、僕のぱんつを不幸にも見ちゃって鼻血を出している人たちのことには気づいていないフリをする。
実際、男が下着見られてもなんとも思わないし。
……それへの視線が粘っこいから鳥肌は立つけども。
――今の服装は、この場にふさわしくない――ただの貴族令嬢の、ごく普通の普段着。
冒険者のそれでも貴族のそれでもなく、エミリーちゃんの好みなお嬢様服。
さすがに小学校前半では背がそこまで伸びないのか、そろそろ伸びてほしいと切に願う次第だけども未だに背は同年代の平均以下。
周りの同世代の子――なぜか女の子ばっかりだけども――にも、まだまだ負けているのが悔しい今日このごろ。
銀色に紫の混じった髪は、なぜか伸ばされ続けてそろそろ肩甲骨を追い越すほどのストレートヘア。
エミリーちゃんとアメリアちゃんと――メイドさんたちやモブ子ズに梳かされ続け、僕自身は何も手入れをしないのに「絹のような髪」との評判。
顔もまだまだ子供で、産みの母さんの子供のころから世話をしていた使用人さんたちからは「セレスティーヌ様そのもののお姿です!」らしい顔は、どう見ても女の子。
……これ、ちゃんと第二次成長で男になれるよね?
子供のときから女装して世界を騙そうとした結果として、「ふむ……女だな?」って世界さんが間違えてこのままとかないよね?
ね?
この世界さん、そんなぽんこつじゃないよね……ね……?
そんな葛藤を抱えた僕は、嫌な未来予知を忘れるために一瞬で触手さんへと詰め寄り――。
――ひゅぱっ。
反撃される前に――こいつ、ぬるぬるを飛ばしてくるから髪の毛につくと厄介なんだ――攻撃手段を刈り取る。
「ユリア様……」
「お美しい……」
「GIIII……!」
ぬるぬるどろどろとした液体が、ローパーの触手からべちゃべちゃっと飛び散る。
けれどもすぐに切り口から生やそうとしているのがキモい。
……こいつ、僕のこと生物学的に女の子だって思って薄い本のネタ元みたいなことしようとしている……おぇぇぇ。
「――この地を人の手に取り戻すため。このユリアが倒します」
僕は、使い慣れたムチをしならせ――30センチしかなかったそれを、何メートルにも引き延ばさせながら……打つ。
――ひゅんっ。
「GIII――――!?」
「……ふむ、3本ほど弾かれましたか。やはり物理攻撃ですと耐久値以上のそれでも確率で無効化されるのですね」
ローパーの上位種。
危険なモンスターとして、しっかりギルドを通じて王国中に伝えておかないとな。
「まさか、あの触手のほぼ全てを一撃で……!?」
「ユリア様の本気は、未だかつて誰も見たことがないそうだ」
「いや、確か何年も前、まだ子供だったころに魔族を……と」
「ユリア様ー♥」
「女の敵へ、トドメをですわ!」
「ユリア様に本気で打ち据えてもらえるだなんて……こほん! ユリア様は常の冷静な顔つきでダンジョンの主の前へと……」
ボスの周囲に湧いたモンスターは、みんなによってほぼ殲滅済み。
残党を倒す以外の味方は、後方に下がりつつ僕の戦いを観戦している。
――こういうところでしっかり強いアピールをして、世界の強制力とかで万が一にでも反乱とかされないように……ね。
この世界は良くも悪くも、実力がある人間に対しては個人主義――ゆえに、たとえラスボスにさせられたとしても、強ければ一定の数は味方をしてくれる。
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