悪役貴族転生【女装】悪役令嬢ルート~99通りで断罪される悪役に転生して女装したら死亡フラグが無くなる代わりに周囲の目が怖くなってくんだけど?

あずももも

文字の大きさ
136 / 147
6章 女装して辺境伯領を堕とした(10歳)

119話 サキュバスに襲われた

しおりを挟む
「あんなに大きかったトロールさえ居なければ……えいっ!」
「怖いことは怖いですけれどもなんとかなるです……のっ!」
「この! この! 後で洗濯が屈辱ですの!」

この子たちとのパーティーとしての基本陣形――その前後を完全に入れ替え、無言の連携で3姉妹が先頭を切り開き、すばしっこいリラテオが脇と後ろを固めての遊撃、そしてマルテルさんと僕というメイン火力が殿――女幹部への警戒を務める。

効率的な狩りができているけども、エロディーが呼び続けるためにモンスターが、どの廊下からもわらわらと駆けてきてキリがない。

さすがは3年間、かなりの割合と頻度で僕がわがままを言って一緒に行動していた子たちだ、こういうピンチの撤退戦のときでも恐慌状態から立ち直りさえすれば体が動いてくれている。

それは良いんだけども……。

「本当に素敵ねぇ、だからさっさと…………うーん……?」

――まただ。

さっきから何度も僕たちへ攻撃をかけようとし、何事かを考えて思いとどまる。

それの、繰り返し。

「このまま最上階――それとも地上まで着いてくるのかしら……ねっ!」

「分かりません……けど! こちらからも彼女への直接的な攻撃は避け、現状維持が得策です! 何が理由かは分かりませんが、こちらへ有利な状況を維持します!」

だから僕たちの方針も、基本は息が続く限り全速力で上の階層への階段を目指し――降りてくるまでにだいぶ削ったからというのもあって散発的なモンスターたちの襲撃も、あくまで接近してきたら迎撃するだけ。

「……ふふっ、あの子に追いついてしまわないと良いのだけど」
「ルーシーは良い子ですし、すでにかなりの実力をつけていますが……とにかく引っ込み思案ですから……ねっ!」

よし、状況は良くなってきた。

軽口を叩ける程度には、普段の通りに気難しそうな表情をしているマルテルさんも内心の恐怖が和らいでいるらしい。

「――よく分からないけど、もう、どうでも良いわぁ」

――――――ぞわっ。

「! ……マルテル様……皆を、お願い!」

「っ……! 皆、走って!」

「ご馳走を前にして、もう我慢できないもの……♥」

本能的な危機を覚え、とっさにマルテルさんへ指示を飛ばし、僕自身も走ろうとして――僕は、空中に居た。

――ぞわぞわっ。

「はぁ……♥ 良い匂い……今すぐむしゃぶりつきたいわぁ……♥」

ふにょんふにょん、と、首筋を後ろから包み込んでくる柔らかい物体。

柔らかい腕が、僕の体をそっと――けれども抜け出せないように、指を蠢かせながら絡め取ってきている。

甘ったるい体臭。

嗅いでくるついでで吹き付けてくる、甘い吐息。

「……っ」

くらくらする感覚。

彼女の長細い指が――ああ、確か彼女は設定でつけ爪をしているとか――ほら、サキュバスだからえっちなことを堪能するために付け外しできるようにって――

あらゆる場所をくまなく撫で回される感覚で、前世でしか感じたことのない生殖行為に関する感覚が――

「! 姉御ー!? くっ、離せ兄貴!」
「ダメだ、リラ! 指示通り撤退だ!」

「ユリア様ー!?」
「駄目ですの! 普段からの教えの通りですの!」
「ごめんなさいましごめんなさいましごめんなさいまし……!」

「……このまま外へ! 必ず救助を連れてくるから……お願い、ユリア……!」

僕の視界がくらくらしてなんにもみえないあいだに、どんどん遠ざかっていく声。

でも、これだけは確実だ――「僕を、ちゃんと見捨ててくれた」。

「……あらぁ……? みぃんな逃げてしまったわねぇ……? 貴女がどんな目に遭うのか理解して、見捨てられてしまったわよぉ……?」

僕は抱き上げられて足が着かない状態で、後ろから絶妙な加減でハグされていて。

「かわいそうな子……さぞ悲しんで――」

背の高い彼女が覆いかぶさるように、上からのぞき込んできて――

「……構いません」

「あらぁ?」

くすくすと笑っていた彼女が、不思議そうな目を――黒い白目に黒い瞳で、僕を上からじぃっと見つめている。

……たぶん、ですわちゃんたちみたいに僕が怯え、絶望すると思ったんだろう。

でも、違うよ。

僕が怖かったのは、あの子たちが僕のせいでそういう目に遭うことだけ。

ひょっとしたら誰かが捕まったらその子を助けようとして、またもう1人――そんな、最悪の事態も想定していた。

けども、あの子たちは違った。

あんなにも幼いけれども、同時に幼くしてここに居る時点で覚悟の決まっている子たち。

あの子たちは――普段から言い含めておいた、「必要なら見捨てる」という部隊行動の原則を忠実に守ってくれたんだ。

だから、僕は安心できる。

「私1人の貞操に、冒険者という一定以上の魔力を備えた肉体という母体――それと、彼女たちも含めて全員のそれ。ええ」

まさぐる手を止めないながらも的確な指さばきが弱まっている彼女を、見上げる。

「――このダンジョンは、遠からず討伐される。そして貴女も同じ。ならば、問題はありませんから」

そうだ。

彼女に、捕まえた僕を放っておいたり部下に「あげたり」して、他の子を捕まえるという選択肢はない。

彼女は、捕まえた獲物を必ず調教したいという欲望を持っている。

――最深部で彼女と遭遇したときから、理想型として描いた形。

もちろん僕も一緒に脱出できたら良かったけども――なに、大丈夫。

僕は、こんなナリだけど男だから。

そしてジュリオン様の魔力は、現時点でほぼ人類の頂点――苗床になろうとも何ヶ月は余裕だ。

……もっとも、薄い本ルートに入っちゃった僕が、いつまでメス堕ちせずに耐えられるかが鍵にはなるけども……うん。

まぁ、エロディーの場合は痛めつけるとかよりもえっちなことで堕とすことしかしないから。

なんなら男としてはご褒美――いや、飽きたら僕を見てきているオークたちの手に渡るから、それまではご褒美だから。

だから、あの子たちを追撃したり、このダンジョンから撤退する思考をさせないような「いつまでもおいしい獲物」になるんだ。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

処理中です...