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6章 女装して辺境伯領を堕とした(10歳)
119話 サキュバスに襲われた
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「あんなに大きかったトロールさえ居なければ……えいっ!」
「怖いことは怖いですけれどもなんとかなるです……のっ!」
「この! この! 後で洗濯が屈辱ですの!」
この子たちとのパーティーとしての基本陣形――その前後を完全に入れ替え、無言の連携で3姉妹が先頭を切り開き、すばしっこいリラテオが脇と後ろを固めての遊撃、そしてマルテルさんと僕というメイン火力が殿――女幹部への警戒を務める。
効率的な狩りができているけども、エロディーが呼び続けるためにモンスターが、どの廊下からもわらわらと駆けてきてキリがない。
さすがは3年間、かなりの割合と頻度で僕がわがままを言って一緒に行動していた子たちだ、こういうピンチの撤退戦のときでも恐慌状態から立ち直りさえすれば体が動いてくれている。
それは良いんだけども……。
「本当に素敵ねぇ、だからさっさと…………うーん……?」
――まただ。
さっきから何度も僕たちへ攻撃をかけようとし、何事かを考えて思いとどまる。
それの、繰り返し。
「このまま最上階――それとも地上まで着いてくるのかしら……ねっ!」
「分かりません……けど! こちらからも彼女への直接的な攻撃は避け、現状維持が得策です! 何が理由かは分かりませんが、こちらへ有利な状況を維持します!」
だから僕たちの方針も、基本は息が続く限り全速力で上の階層への階段を目指し――降りてくるまでにだいぶ削ったからというのもあって散発的なモンスターたちの襲撃も、あくまで接近してきたら迎撃するだけ。
「……ふふっ、あの子に追いついてしまわないと良いのだけど」
「ルーシーは良い子ですし、すでにかなりの実力をつけていますが……とにかく引っ込み思案ですから……ねっ!」
よし、状況は良くなってきた。
軽口を叩ける程度には、普段の通りに気難しそうな表情をしているマルテルさんも内心の恐怖が和らいでいるらしい。
「――よく分からないけど、もう、どうでも良いわぁ」
――――――ぞわっ。
「! ……マルテル様……皆を、お願い!」
「っ……! 皆、走って!」
「ご馳走を前にして、もう我慢できないもの……♥」
本能的な危機を覚え、とっさにマルテルさんへ指示を飛ばし、僕自身も走ろうとして――僕は、空中に居た。
――ぞわぞわっ。
「はぁ……♥ 良い匂い……今すぐむしゃぶりつきたいわぁ……♥」
ふにょんふにょん、と、首筋を後ろから包み込んでくる柔らかい物体。
柔らかい腕が、僕の体をそっと――けれども抜け出せないように、指を蠢かせながら絡め取ってきている。
甘ったるい体臭。
嗅いでくるついでで吹き付けてくる、甘い吐息。
「……っ」
くらくらする感覚。
彼女の長細い指が――ああ、確か彼女は設定でつけ爪をしているとか――ほら、サキュバスだからえっちなことを堪能するために付け外しできるようにって――
あらゆる場所をくまなく撫で回される感覚で、前世でしか感じたことのない生殖行為に関する感覚が――
「! 姉御ー!? くっ、離せ兄貴!」
「ダメだ、リラ! 指示通り撤退だ!」
「ユリア様ー!?」
「駄目ですの! 普段からの教えの通りですの!」
「ごめんなさいましごめんなさいましごめんなさいまし……!」
「……このまま外へ! 必ず救助を連れてくるから……お願い、ユリア……!」
僕の視界がくらくらしてなんにもみえないあいだに、どんどん遠ざかっていく声。
でも、これだけは確実だ――「僕を、ちゃんと見捨ててくれた」。
「……あらぁ……? みぃんな逃げてしまったわねぇ……? 貴女がどんな目に遭うのか理解して、見捨てられてしまったわよぉ……?」
僕は抱き上げられて足が着かない状態で、後ろから絶妙な加減でハグされていて。
「かわいそうな子……さぞ悲しんで――」
背の高い彼女が覆いかぶさるように、上からのぞき込んできて――
「……構いません」
「あらぁ?」
くすくすと笑っていた彼女が、不思議そうな目を――黒い白目に黒い瞳で、僕を上からじぃっと見つめている。
……たぶん、ですわちゃんたちみたいに僕が怯え、絶望すると思ったんだろう。
でも、違うよ。
僕が怖かったのは、あの子たちが僕のせいでそういう目に遭うことだけ。
ひょっとしたら誰かが捕まったらその子を助けようとして、またもう1人――そんな、最悪の事態も想定していた。
けども、あの子たちは違った。
あんなにも幼いけれども、同時に幼くしてここに居る時点で覚悟の決まっている子たち。
あの子たちは――普段から言い含めておいた、「必要なら見捨てる」という部隊行動の原則を忠実に守ってくれたんだ。
だから、僕は安心できる。
「私1人の貞操に、冒険者という一定以上の魔力を備えた肉体という母体――それと、彼女たちも含めて全員のそれ。ええ」
まさぐる手を止めないながらも的確な指さばきが弱まっている彼女を、見上げる。
「――このダンジョンは、遠からず討伐される。そして貴女も同じ。ならば、問題はありませんから」
そうだ。
彼女に、捕まえた僕を放っておいたり部下に「あげたり」して、他の子を捕まえるという選択肢はない。
彼女は、捕まえた獲物を必ず調教したいという欲望を持っている。
――最深部で彼女と遭遇したときから、理想型として描いた形。
もちろん僕も一緒に脱出できたら良かったけども――なに、大丈夫。
僕は、こんなナリだけど男だから。
そしてジュリオン様の魔力は、現時点でほぼ人類の頂点――苗床になろうとも何ヶ月は余裕だ。
……もっとも、薄い本ルートに入っちゃった僕が、いつまでメス堕ちせずに耐えられるかが鍵にはなるけども……うん。
まぁ、エロディーの場合は痛めつけるとかよりもえっちなことで堕とすことしかしないから。
なんなら男としてはご褒美――いや、飽きたら僕を見てきているオークたちの手に渡るから、それまではご褒美だから。
だから、あの子たちを追撃したり、このダンジョンから撤退する思考をさせないような「いつまでもおいしい獲物」になるんだ。
「怖いことは怖いですけれどもなんとかなるです……のっ!」
「この! この! 後で洗濯が屈辱ですの!」
この子たちとのパーティーとしての基本陣形――その前後を完全に入れ替え、無言の連携で3姉妹が先頭を切り開き、すばしっこいリラテオが脇と後ろを固めての遊撃、そしてマルテルさんと僕というメイン火力が殿――女幹部への警戒を務める。
効率的な狩りができているけども、エロディーが呼び続けるためにモンスターが、どの廊下からもわらわらと駆けてきてキリがない。
さすがは3年間、かなりの割合と頻度で僕がわがままを言って一緒に行動していた子たちだ、こういうピンチの撤退戦のときでも恐慌状態から立ち直りさえすれば体が動いてくれている。
それは良いんだけども……。
「本当に素敵ねぇ、だからさっさと…………うーん……?」
――まただ。
さっきから何度も僕たちへ攻撃をかけようとし、何事かを考えて思いとどまる。
それの、繰り返し。
「このまま最上階――それとも地上まで着いてくるのかしら……ねっ!」
「分かりません……けど! こちらからも彼女への直接的な攻撃は避け、現状維持が得策です! 何が理由かは分かりませんが、こちらへ有利な状況を維持します!」
だから僕たちの方針も、基本は息が続く限り全速力で上の階層への階段を目指し――降りてくるまでにだいぶ削ったからというのもあって散発的なモンスターたちの襲撃も、あくまで接近してきたら迎撃するだけ。
「……ふふっ、あの子に追いついてしまわないと良いのだけど」
「ルーシーは良い子ですし、すでにかなりの実力をつけていますが……とにかく引っ込み思案ですから……ねっ!」
よし、状況は良くなってきた。
軽口を叩ける程度には、普段の通りに気難しそうな表情をしているマルテルさんも内心の恐怖が和らいでいるらしい。
「――よく分からないけど、もう、どうでも良いわぁ」
――――――ぞわっ。
「! ……マルテル様……皆を、お願い!」
「っ……! 皆、走って!」
「ご馳走を前にして、もう我慢できないもの……♥」
本能的な危機を覚え、とっさにマルテルさんへ指示を飛ばし、僕自身も走ろうとして――僕は、空中に居た。
――ぞわぞわっ。
「はぁ……♥ 良い匂い……今すぐむしゃぶりつきたいわぁ……♥」
ふにょんふにょん、と、首筋を後ろから包み込んでくる柔らかい物体。
柔らかい腕が、僕の体をそっと――けれども抜け出せないように、指を蠢かせながら絡め取ってきている。
甘ったるい体臭。
嗅いでくるついでで吹き付けてくる、甘い吐息。
「……っ」
くらくらする感覚。
彼女の長細い指が――ああ、確か彼女は設定でつけ爪をしているとか――ほら、サキュバスだからえっちなことを堪能するために付け外しできるようにって――
あらゆる場所をくまなく撫で回される感覚で、前世でしか感じたことのない生殖行為に関する感覚が――
「! 姉御ー!? くっ、離せ兄貴!」
「ダメだ、リラ! 指示通り撤退だ!」
「ユリア様ー!?」
「駄目ですの! 普段からの教えの通りですの!」
「ごめんなさいましごめんなさいましごめんなさいまし……!」
「……このまま外へ! 必ず救助を連れてくるから……お願い、ユリア……!」
僕の視界がくらくらしてなんにもみえないあいだに、どんどん遠ざかっていく声。
でも、これだけは確実だ――「僕を、ちゃんと見捨ててくれた」。
「……あらぁ……? みぃんな逃げてしまったわねぇ……? 貴女がどんな目に遭うのか理解して、見捨てられてしまったわよぉ……?」
僕は抱き上げられて足が着かない状態で、後ろから絶妙な加減でハグされていて。
「かわいそうな子……さぞ悲しんで――」
背の高い彼女が覆いかぶさるように、上からのぞき込んできて――
「……構いません」
「あらぁ?」
くすくすと笑っていた彼女が、不思議そうな目を――黒い白目に黒い瞳で、僕を上からじぃっと見つめている。
……たぶん、ですわちゃんたちみたいに僕が怯え、絶望すると思ったんだろう。
でも、違うよ。
僕が怖かったのは、あの子たちが僕のせいでそういう目に遭うことだけ。
ひょっとしたら誰かが捕まったらその子を助けようとして、またもう1人――そんな、最悪の事態も想定していた。
けども、あの子たちは違った。
あんなにも幼いけれども、同時に幼くしてここに居る時点で覚悟の決まっている子たち。
あの子たちは――普段から言い含めておいた、「必要なら見捨てる」という部隊行動の原則を忠実に守ってくれたんだ。
だから、僕は安心できる。
「私1人の貞操に、冒険者という一定以上の魔力を備えた肉体という母体――それと、彼女たちも含めて全員のそれ。ええ」
まさぐる手を止めないながらも的確な指さばきが弱まっている彼女を、見上げる。
「――このダンジョンは、遠からず討伐される。そして貴女も同じ。ならば、問題はありませんから」
そうだ。
彼女に、捕まえた僕を放っておいたり部下に「あげたり」して、他の子を捕まえるという選択肢はない。
彼女は、捕まえた獲物を必ず調教したいという欲望を持っている。
――最深部で彼女と遭遇したときから、理想型として描いた形。
もちろん僕も一緒に脱出できたら良かったけども――なに、大丈夫。
僕は、こんなナリだけど男だから。
そしてジュリオン様の魔力は、現時点でほぼ人類の頂点――苗床になろうとも何ヶ月は余裕だ。
……もっとも、薄い本ルートに入っちゃった僕が、いつまでメス堕ちせずに耐えられるかが鍵にはなるけども……うん。
まぁ、エロディーの場合は痛めつけるとかよりもえっちなことで堕とすことしかしないから。
なんなら男としてはご褒美――いや、飽きたら僕を見てきているオークたちの手に渡るから、それまではご褒美だから。
だから、あの子たちを追撃したり、このダンジョンから撤退する思考をさせないような「いつまでもおいしい獲物」になるんだ。
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