7 / 147
1章 女装して屋敷を堕とした(7歳スタート・すでに手遅れっぽいけど)
3話 死亡ルート回避策――「女装ジュリオン様」2
しおりを挟む
メス堕ち。
男が(男に限らないけども)、心と体のどちらか、あるいは両方ともに男としての尊厳を剥奪され、女にさせられること。
それが、僕の唯一の勝ち筋だ。
「でも、それは嫌すぎる……」
命の対価としては――冷静な部分では「それで助かるなら」ともなるけども。
いや本当に、主人公やヒロイン、モブ、市民、モンスターや魔族に殺されたり吊されたり、見世物として苗床にさせられたりするバッドすぎるエンドと。
男としての尊厳を徹底的に破壊されながらも――少なくとも魅力的な健康を維持するために、栄養たっぷりで美貌を維持させられて生きてはいるエンドだ。
死ぬよりはマシではある。
本当の瀬戸際で。
だけども男としての本能で「いやいや死んだ方がマシだ」ともなる――ごくごくノーマルな性癖の僕としては、ぜひともに回避したい未来。
男としては屈辱的すぎるし――なによりも、いずれにしても僕は今世の貴族としての立場や資産をすべて失うし、その後どうなるかも不明だ。
今は生きてるけど将来には父親も兄も死に、血が断絶。
いくらかは遺されるにしても、義母と義妹の取り分は少ないはずだ。
だから貴族としての僕の家に雇われていた人たちも路頭に迷うし、領地だって切り分けるのに血だって流れるだろう。
唯一でメインヒロインであるエミリーちゃんだけは、たとえ彼女のルートでなかったとしても最後まで生存し、無事主人公くんのハーレム入りして安泰の人生を過ごすのは確実――だって、メインヒロインだから。
だけども、それだけ。
回避できるものなら回避はしたい。
「……それに、どうせそういう格好をさせられるのなら」
――なら。
まずは「死亡ルートには無い条件」の「生存フラグ」として、かなり可能性の高い「それ」に掛けるしか、ない。
運命を逆手に取った、逆転劇。
その起爆剤とは――。
◇
「ジュ、ジュリオン様……」
「おお、なんと……」
「セレスティーヌ様、お許しください……」
「ほへぇ……ジュリオンさまぁ、かわいいですぅ」
「――ふむ。これが、僕……か」
鏡の前の姿に見惚れる程度には、絶世の美少女――美幼女が爆誕していた。
――紫の混じった銀の髪は、貴族のお坊ちゃまらしく肩くらいまで伸ばして結っていたのを下ろしつつ、ついでに大きなリボンで彩られ。
不満そうだけど、惹きつけて放さない深紅のつり目。
そして――着せられるのでも数分かかった――あとすっごく古いからカビ臭いけどもどこか懐かしい匂いのする――ふりっふりのロリータ衣装。
しかもこれは前世のなんちゃってロリではない……正真正銘の、ふりふりすぎて服が重いし動きにくいレベルのロリータだ。
まさに貴族のお嬢様。
ついでに産みの母親は王家出身でビジュアルもそのまま受け継いでいて――まさしくに「お姫様」。
うん、正直メインヒロインでもおかしくないビジュアルだね。
男だけどね。
こんなにかわいくても生えてるけどね。
うんうん、居そうだよね……悪役系統のお嬢様キャラで、こういう子。
きっと性格も話し方もキツくて、ごく一部に熱狂的な人気があるタイプの。
なんなら悪役令嬢で居そうだし居るはずだ。
……ここの僕は男だけどね。
女装適性高すぎるよ、ジュリオン様……来るべき未来のためかどうかは知らないし、想像もしたくないけど……。
「……坊ちゃま。亡きセレスティーヌ様の、幼い頃のお姿とそっくりでございます」
「……そうか。母上とか」
古巣の使用人が話しかけてきたから、それっぽく思い出に浸る。
母上――母さん、母親。
2年前。
ジュリオン様が5歳の時に亡くなった、ジュリオン様の産みの母親。
セレスティーヌ。
死んだのが物心ついてからすぐだったから、この肉体での今世の記憶にもそこまで詳しくはないけども、やはり母親が死んだというのはずっしりとくる。
「セレスティーヌ様さえご存命であられたら……」
「仕方のないことです……魔王軍との戦闘で……」
あー、そうそう。
確か、設定かなにかで「ジュリオンの魔王にもなれるポテンシャルと美貌は母親譲り」だとかあったっけ。
その母親が遠征先で亡くなったとかで、当時の僕――ジュリオンは泣きわめきながら当たり散らしていたみたいだ。
うん……なにしろ政治的な駆け引きの結果での無駄で無意味なしんがり――王国軍が撤退するまでの時間稼ぎやらされたっぽいからね。
おかげでジュリオン様は母親を守らなかった父親に強く当たるようになり、父親はそんな僕――ジュリオン様を疎むようになって家に寄りつかず。
んでジュリオン様自身は怒りの向ける先がなくなったから今度は使用人に……ってパターン。
その前はぼんやりとだけども今世の母親が家のことを仕切っていたし、ジュリオン様もただのわんぱく坊やだったはず。
……ていうか、元とはいえ国のお姫様を時間稼ぎで犠牲にとか。
いやまぁ、この世界観的に魔力が最も多いのは王族、つまりまだ30代だったはずのセレスティーヌママンはこの国でもトップクラスの戦力だっただろうから、ピンチを任せられたのは不思議ではないけども。
「………………………………」
あれ?
原作でジュリオン様が「ジュリオン様」たる性格になったの……そのせいじゃない?
え?
じゃあ、もしかして今、僕が真剣に悩んでるジュリオン様がジュリオン様になってジュリオン様になっちゃう件って――前世の意識が覚醒した時点、遅すぎた?
え?
もう手遅れ?
僕、女装してメス堕ちする以外は本当に、死ぬしかない……?
これに気づいてなかったら、油断してたところでなにかしらで死んでた?
すでに手遅れ?
いやいや。
いやいやいや……。
男が(男に限らないけども)、心と体のどちらか、あるいは両方ともに男としての尊厳を剥奪され、女にさせられること。
それが、僕の唯一の勝ち筋だ。
「でも、それは嫌すぎる……」
命の対価としては――冷静な部分では「それで助かるなら」ともなるけども。
いや本当に、主人公やヒロイン、モブ、市民、モンスターや魔族に殺されたり吊されたり、見世物として苗床にさせられたりするバッドすぎるエンドと。
男としての尊厳を徹底的に破壊されながらも――少なくとも魅力的な健康を維持するために、栄養たっぷりで美貌を維持させられて生きてはいるエンドだ。
死ぬよりはマシではある。
本当の瀬戸際で。
だけども男としての本能で「いやいや死んだ方がマシだ」ともなる――ごくごくノーマルな性癖の僕としては、ぜひともに回避したい未来。
男としては屈辱的すぎるし――なによりも、いずれにしても僕は今世の貴族としての立場や資産をすべて失うし、その後どうなるかも不明だ。
今は生きてるけど将来には父親も兄も死に、血が断絶。
いくらかは遺されるにしても、義母と義妹の取り分は少ないはずだ。
だから貴族としての僕の家に雇われていた人たちも路頭に迷うし、領地だって切り分けるのに血だって流れるだろう。
唯一でメインヒロインであるエミリーちゃんだけは、たとえ彼女のルートでなかったとしても最後まで生存し、無事主人公くんのハーレム入りして安泰の人生を過ごすのは確実――だって、メインヒロインだから。
だけども、それだけ。
回避できるものなら回避はしたい。
「……それに、どうせそういう格好をさせられるのなら」
――なら。
まずは「死亡ルートには無い条件」の「生存フラグ」として、かなり可能性の高い「それ」に掛けるしか、ない。
運命を逆手に取った、逆転劇。
その起爆剤とは――。
◇
「ジュ、ジュリオン様……」
「おお、なんと……」
「セレスティーヌ様、お許しください……」
「ほへぇ……ジュリオンさまぁ、かわいいですぅ」
「――ふむ。これが、僕……か」
鏡の前の姿に見惚れる程度には、絶世の美少女――美幼女が爆誕していた。
――紫の混じった銀の髪は、貴族のお坊ちゃまらしく肩くらいまで伸ばして結っていたのを下ろしつつ、ついでに大きなリボンで彩られ。
不満そうだけど、惹きつけて放さない深紅のつり目。
そして――着せられるのでも数分かかった――あとすっごく古いからカビ臭いけどもどこか懐かしい匂いのする――ふりっふりのロリータ衣装。
しかもこれは前世のなんちゃってロリではない……正真正銘の、ふりふりすぎて服が重いし動きにくいレベルのロリータだ。
まさに貴族のお嬢様。
ついでに産みの母親は王家出身でビジュアルもそのまま受け継いでいて――まさしくに「お姫様」。
うん、正直メインヒロインでもおかしくないビジュアルだね。
男だけどね。
こんなにかわいくても生えてるけどね。
うんうん、居そうだよね……悪役系統のお嬢様キャラで、こういう子。
きっと性格も話し方もキツくて、ごく一部に熱狂的な人気があるタイプの。
なんなら悪役令嬢で居そうだし居るはずだ。
……ここの僕は男だけどね。
女装適性高すぎるよ、ジュリオン様……来るべき未来のためかどうかは知らないし、想像もしたくないけど……。
「……坊ちゃま。亡きセレスティーヌ様の、幼い頃のお姿とそっくりでございます」
「……そうか。母上とか」
古巣の使用人が話しかけてきたから、それっぽく思い出に浸る。
母上――母さん、母親。
2年前。
ジュリオン様が5歳の時に亡くなった、ジュリオン様の産みの母親。
セレスティーヌ。
死んだのが物心ついてからすぐだったから、この肉体での今世の記憶にもそこまで詳しくはないけども、やはり母親が死んだというのはずっしりとくる。
「セレスティーヌ様さえご存命であられたら……」
「仕方のないことです……魔王軍との戦闘で……」
あー、そうそう。
確か、設定かなにかで「ジュリオンの魔王にもなれるポテンシャルと美貌は母親譲り」だとかあったっけ。
その母親が遠征先で亡くなったとかで、当時の僕――ジュリオンは泣きわめきながら当たり散らしていたみたいだ。
うん……なにしろ政治的な駆け引きの結果での無駄で無意味なしんがり――王国軍が撤退するまでの時間稼ぎやらされたっぽいからね。
おかげでジュリオン様は母親を守らなかった父親に強く当たるようになり、父親はそんな僕――ジュリオン様を疎むようになって家に寄りつかず。
んでジュリオン様自身は怒りの向ける先がなくなったから今度は使用人に……ってパターン。
その前はぼんやりとだけども今世の母親が家のことを仕切っていたし、ジュリオン様もただのわんぱく坊やだったはず。
……ていうか、元とはいえ国のお姫様を時間稼ぎで犠牲にとか。
いやまぁ、この世界観的に魔力が最も多いのは王族、つまりまだ30代だったはずのセレスティーヌママンはこの国でもトップクラスの戦力だっただろうから、ピンチを任せられたのは不思議ではないけども。
「………………………………」
あれ?
原作でジュリオン様が「ジュリオン様」たる性格になったの……そのせいじゃない?
え?
じゃあ、もしかして今、僕が真剣に悩んでるジュリオン様がジュリオン様になってジュリオン様になっちゃう件って――前世の意識が覚醒した時点、遅すぎた?
え?
もう手遅れ?
僕、女装してメス堕ちする以外は本当に、死ぬしかない……?
これに気づいてなかったら、油断してたところでなにかしらで死んでた?
すでに手遅れ?
いやいや。
いやいやいや……。
30
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる