悪役貴族転生【女装】悪役令嬢ルート~99通りで断罪される悪役に転生して女装したら死亡フラグが無くなる代わりに周囲の目が怖くなってくんだけど?

あずももも

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2章 女装してギルドを堕とした

22話 受付嬢さんたちが怒ってた

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さて、いろいろあった挙げ句に何故か復活してたエロディーさんを――そこそこ全力の必殺技をぶっ放し。

探し尽くしたけども指数本とか服の切れ端とか髪の毛の束程度しか残らないほど吹っ飛ばしたけども。

たとえエロディーさんが復活して僕を襲おうとしても返り討ちなのは「レベルダウンとスキル剥奪の上で弱体化してなら復活可能」ってルール――戦闘不能になったヒロインたちにも適用されてたそれから、ほぼ確定。

んでさらに、たとえ復活後の彼女を放置したとしても、そんな彼女レベルに合わせて選ぶ魔王様候補なんて大した器じゃないから、別の誰か――人間でも魔族でも、これも問題は無し。

僕は魔王ルートから完全に外れてハッピー、蘇った魔王様が小物になるから人類もハッピー。

やったね、これで学園編終了後の世界でも生きていけるね。

でもまぁ魔族系サキュバスは手元に置いておきたい。
男だもん。

で、ハッピーエンドを迎えたついでで女装も解いて――実家に居られないことになっても、それまでに冒険者としてのノウハウを身に付けていれば、別の国にでも行って1から「ただのジュリオン」として再スタートしてもなんとかやっていけるはず。

もし世界の強制力的なのでハッピーエンドであろうとも理不尽な理由で断罪されてどこまでも追われるんなら、今の「ユリア」として表向きは女冒険者にでも擬装すれば大丈夫でしょ、たぶん。

どのルート後も続きをプレイできたし、そこでさらなる隠しダンジョンとかもあったし、そういうとこで財宝をざっくざくでうはうはな余生を送っても良さそうだ。

ジュリオン様が死んでも世界は続き、死ななくてメス堕ちしても続いていく。
なんてことだ。

一応で主人公くんが原作通りに強くなってくれないと、最悪のルートで僕以外の魔王様(そこまで強くない)に敗北する可能性もある。

だからそれまでのダンジョンとかアイテムとかは……すっごくもったいないけど全部見逃すけども、隠しダンジョンとかどうでも良いアイテムとかはもらっちゃって良いよね?

僕だって生きるのに必死なんだ、最悪に備えて動かないとね。

それにしても……いやぁ。

「ジュリオン様生存RTAっての、しちゃったかな?」

僕は上機嫌で酒を呑みながら――大丈夫、中世欧州モデルの価値観で、数歳の子供でもギルド登録すれば大人と見なされる世界だし、なにより僕は貴族ぞ?――宿屋の天井を眺める。

――なぜかざわついてる町へ帰ってきて、でもフード被ってればそんなに注目はされないもんだから、普通に町の中心の市場とかに行って見て回って。

買い食いしたり日用品買ったり大衆食堂で食べたりとそこそこのお金を消費したおかげで、ある程度の金銭感覚は身に付けられたはず。

この宿屋だって、朝食付き・風呂トイレ共同・個室で前世換算で1万円ほど。

これで「そこそこのランク」っぽかったから、現代換算でもまずまずだろう。

出張で泊まるならこういうところって感じだし。
あ、謎のカードとかももらえるならおこづかいにもらいたいです。

ちなみに風呂もトイレも普通にそこそこ綺麗だった……さすがは清潔に執拗なこだわりのある民族の作り上げた都合の良い世界観、さすがにきちゃないのは勘弁――モブ生徒、モブ市民でさえきちゃないってことはないんだね、良かった良かった。

かわいい女の子が、近づくと「うっ……」ってなる臭いとかしてたら、いくらことごとくに美少女だったとしても本当に無理だからね。

前世の記憶を辿ると――コンパクトにすべてが揃ってたビジホよりはそこそこお高い――いや、死ぬ直前にはこんな価格帯になってた気がするな――けども、立地良し、衛兵の詰め所が近くて治安良し。

そして身分証とかなくても女子供が1人で宿泊するのを拒否られたりしないって時点で、これで充分だろうと結論づける。

まぁ僕はギルドのプレート見せたけど、それで扱いがちょっと良くなる程度だったし。

だってスリが日常茶飯事だよ?

前世の母国では……数カ所あるかどうかな繁華街くらいしかそんな治安悪いとこなかったし。

そんな場所で安全代も込みでの、このお値段……あとは朝食の質次第だね。

辺境伯の家族用の屋敷――なおこの世界的には辺境伯は侯爵も兼ねているらしいね――での食事はおいしかった記憶がジュリオン様ボディにある。

で、町中の買い食いとか大衆食堂での味見は――まぁそこそこおいしかったし、これもまた都合が良いことにだいたいの料理は揃っていた。

お米、お餅、パン、クレープ、ナン、その他いろいろをセットにした食事。
明日からが楽しみだね。

なにしろ今日からの僕はその日暮らしのその日稼ぎの冒険者だ、冒険者ときたらその日に働きながらその日の食事を楽しみにするもんだ。

「……異世界で飯がうまいって、絶対に必要な条件だよなぁ」

少なくとも、僕みたいな転生者にとってはね。

メシマズな異世界とか絶望しか無いもん。

メシマズだったら何を置いても食事改善するもん。
そのためなら目立つこともやむを得ないレベルで。

しかし……主観では前日ぶり、この肉体的には――数ヶ月前の、父親たちに付き合わされてのディナーぶりのお酒はうまいなぁ。





「――――――ユリア様?」

「『さん』でいいです……」
「では、ユリアさん」

やっぱり美人さんは怒ると怖いね。

「上の会議室にて、ご指名で待っておられるお嬢様方がいらっしゃいます」

あれー?

あの子たち、僕のこと待ってた?

「ちなみに昨夜から一睡もせずにお待ちになっていました。無論、私たち職員一同もです。ええ、いざとなったら王都よりの派遣もすんでの所でしたので」

「……怒ってます?」

「いえ、怒っていません♪」

にっこり。

笑顔をむき出してくる美人さん。

怖い。
怒ってる。

女の人はいつもそうだ。
「怒ってない」って言ったら怒ってるんだ。

彼女は――笑顔のまま、すぅっと息を吸うと、

「だってユリアさ――まは、魔族と相対して倒された、英雄ですので。ええ、たかがひと晩、例のダンジョン周辺から町までの推定移動経路周辺、酒場を始め『魔族との戦闘での傷で倒れて動けない可能性のある』場所を、暗い中、皆で松明を手に練り歩き、道行く人々へ何度も重複しながら聞き取りして安否を確認しようとしていたのだって、英雄様ですもの。ええ、なんとも思っていません♪」

にっこりと笑い続けるお姉さん。

でもなんだか怖い。

お姉さんがおっかない感じなのは貫徹でのクマあるからなんですね……。

「………………………………」

ギルド内の空気が最悪です。

お姉さん以外の視線も数十、僕に突き刺さっています。
ぼろっぼろのきちゃないマントとフード、貫通してます。

……誰か助けて。

や、まさかあのあとずっと、仮眠もせずに僕のこと待ってるとか想像してなかったの……旅行先のビジホでテンション上がった感じでお酒とお風呂と夕食で上機嫌ですやすやだったの……お願いだから許して……。
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