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2章 女装してギルドを堕とした
26話 モブ子ズがチュートリアル仲間になった!
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ギルドマスター、略してギルマスのジャンさん(まだ若い)が出てきてから10分くらい。
あのあとも適当になんかそれっぽいことをジュリオン様ブレインに任せてたら、無事解放された。
やっぱすごいねジュリオン様。
シナリオの都合でやられ役にさえならなければどんなところでもやっていけそう。
いや、主人公くんの行動に合わせて多種多様なボスになるからこそのブレインか。
悲しい宿命だったねジュリオン様……。
でも便利なものは便利だから、どんどん使わせてもらおう。
そもそも君の宿命を背負ってるのは僕なんだから、使わせてもらわないと詰む。
死ぬ。
死ぬか、メス堕ちする。
メス堕ちはやだなぁ……死ぬのよりちょっとしかマシじゃないもん……。
ちなみに必要だったとはいえ、あの場の人たち全員に僕が貴族――それも王族の血を引いてそうって、バレはした。
バレはしたけども、そこからまさかお膝元の――馬車で数時間のとこにあるデュクロワ領主の息子、しかもぼんくらな方にたどり着く可能性は……まあないだろう、そもそも女装自体がバレてないっぽかったし。
仮に僕の正体を探ろうとしても、そもそもとして「7歳前後の貴族令嬢」って最初の手がかりが間違っている以上、たどり着く可能性は皆無だし。
それに貴族はえらそうってのが定番だし、きっとわがままな貴族令嬢とかはあんな感じの――ジュリオン様がお屋敷でぶいぶい言わせてたしゃべり方なんだろう。
おかげで特に違和感なく話せるから本当にありがたい。
で、あの場に居たのはどう見てもギルドの運営側の人員+3人組だし、そこから他の冒険者に――とかはならず、当面はフードさえかぶっていれば孤児との見分けすらつかないはず。
なにしろ貴族案件だからね。
身分制度ががっちがちのこの世界で、お貴族様が本気で怒ったらギルドのひとつやふたつ物理的にぺしゃんこだし、「秘密にしてね」って言っといたからたぶん大丈夫。
ギルド側としても脅威をロハで片づけられてほくほく、僕も面倒がなくてほくほく。
商売の基本、Win-Winってやつだからきっと納得してくれる。
――でもそれは、ギルド相手の話。
もちろんモブ子ズはそれで満足するはずもなく。
「では、本日は不肖、わたくしたちが冒険者としての手ほどきを」
3人娘――なお全員が金髪から茶髪のグラデーションに似たような顔、似たような髪型に似たような服装で似たような声――ゲームではたぶん同じ声優さん――が、僕の前に立ちはだかる。
「……けれど、必要ですの? あれだけの実力者をお相手に……?」
「で、でも、それが、金品や実家からの礼は、どうしても不要と……」
とにかくも無理やりに説得した結果――僕のはじめてのだんじょんこうりゃく(2回目)のおもり、もとい案内をお願いすることにした。
まぁ実際、今の僕と同じランクで同い年で同じ貴族階級出身の子たちからの生の声と情報は、今後他の冒険者とかたちに怪しまれないためにも必要だし。
え、まだ完全な初心者じゃない?
いや、あれはただジュリオン様スペックで雑魚狩りしただけだし……実力が通用しなくなってきたら詰むパターンだし。
ほら、最初うまく行って調子に乗ったら中盤で――とかよくあるし?
僕はセミファイナルジュリオン様なんだ、手は抜けないんだ。
「けれど、あれだけのお力……とっくに手練れだと思いましたわ」
「ですわよねぇ……」
「まさか、貧乏貴族なわたくしたちのためにと、意味のないお礼を……?」
あ、まずい。
これが気を遣っただけって思われたらめんどくさいことになる。
何となくなる、絶対なる、きっとなる。
えーっと……なら。
「いえ……実は昨日が……その、家のしきたりで、実践は初めてでしたので。ですのでダンジョン関係のことは全然分からないんです。まずは情報収集をというところで、とりあえずで潜った先で……でしたので」
うん、嘘は言っていない。
なにひとつね。
この体でダンジョンに潜ったのは本当に初めてだからね。
ゲームでは何百回と潜ってるけども。
「初めてで、下級とはいえ魔族討伐ですの!?」
「はえー、さぞかし高名なお方に師事されているのですわねー」
「そういうことですの……ですからあれだけのことがお出来になるのに、わたくしたちと同じ、駆け出しのランクのプレートを……」
そう言いながら、僕の胸元に掛けてある金属製のそれを見つめるモブ子ズ。
あ、7歳なこの子たちも僕も胸は平坦で当然だからか、ぺったんこでも違和感を持たれていないらしい。
まぁそんなのが気になる年齢じゃないもんね、僕たち。
ともかく命の恩人っていうフィルターを通せば納得してくれたっぽい3人娘。
本当に嘘は言ってないし、そういうことにしておこう。
実際、長男でないとはいえ伯爵家・侯爵家の男子が警備も引き連れずにのこのこ気軽に町を散策できないし?
良かった、ちょうどネグレクトな保護者兼監視者が普段通りに単身赴任――ああいや父子赴任に出てて、屋敷には使用人と、1日中飯を催促するようなじいさんしか居なくって。
……あのじいさんが警備責任者で大丈夫なんだろうか……?
ほら、泥棒とか強盗見ても「ばあさんかい?」って話しかけそうだし……。
「ですがあの実力でしたら……そうですわね、おひとりでの旅を許可されますのも当然でしょう」
「ユリア様ご自身の実力と教師の方のおかげですわね!」
「あとは多少の知識だけで……わたくしたちなんかあっという間ですわ!」
あ、実力は普通に三流の雑魚からラスボスまで、99%近いルートでほぼ出ずっぱりのジュリオン様ボディのだから……。
あとあのおじいちゃんは高名だったけど、今は土いじりで記憶も土に練り込んじゃったおじいちゃんだから……。
とまあなんだか妙に納得されつつも、ダンジョンに潜り始めて数週間らしい初心者3人娘による初心者ツアーが開幕。
……うんうん、経緯はちょっとイレギュラーだったけども、僕が求めていたのはこういうのだったんだよ。
◇
「まずは、掲示板――ではなく、受付の方に尋ね、おすすめの依頼を」
「? 掲示板を直接……? いえ、平民の方の……その、癖の強い字と表現は……少々、その……」
「それに、多少の誇張や虚偽も含まれますし……そこはやはり、書き写して正確に翻訳し直してくださり、周辺情報のチェックをしてくださる受付の方々に伺うのが……」
おっふ……そうだったよ。
僕、「依頼の掲示板はどこですか?」って聞いてたよ……そりゃあまとめ直したのより、それを写し終わって張り出した方案内されるよね……聞き方って大切。
あの美人さんもきっと「うわ、変な子来た」って思ってたんだろうね……。
……やっぱ常識知るの、本当に大事。
情報は命って本当だね。
2日目だけども、この子たちに教えてもらえて良かったぁ……。
あのあとも適当になんかそれっぽいことをジュリオン様ブレインに任せてたら、無事解放された。
やっぱすごいねジュリオン様。
シナリオの都合でやられ役にさえならなければどんなところでもやっていけそう。
いや、主人公くんの行動に合わせて多種多様なボスになるからこそのブレインか。
悲しい宿命だったねジュリオン様……。
でも便利なものは便利だから、どんどん使わせてもらおう。
そもそも君の宿命を背負ってるのは僕なんだから、使わせてもらわないと詰む。
死ぬ。
死ぬか、メス堕ちする。
メス堕ちはやだなぁ……死ぬのよりちょっとしかマシじゃないもん……。
ちなみに必要だったとはいえ、あの場の人たち全員に僕が貴族――それも王族の血を引いてそうって、バレはした。
バレはしたけども、そこからまさかお膝元の――馬車で数時間のとこにあるデュクロワ領主の息子、しかもぼんくらな方にたどり着く可能性は……まあないだろう、そもそも女装自体がバレてないっぽかったし。
仮に僕の正体を探ろうとしても、そもそもとして「7歳前後の貴族令嬢」って最初の手がかりが間違っている以上、たどり着く可能性は皆無だし。
それに貴族はえらそうってのが定番だし、きっとわがままな貴族令嬢とかはあんな感じの――ジュリオン様がお屋敷でぶいぶい言わせてたしゃべり方なんだろう。
おかげで特に違和感なく話せるから本当にありがたい。
で、あの場に居たのはどう見てもギルドの運営側の人員+3人組だし、そこから他の冒険者に――とかはならず、当面はフードさえかぶっていれば孤児との見分けすらつかないはず。
なにしろ貴族案件だからね。
身分制度ががっちがちのこの世界で、お貴族様が本気で怒ったらギルドのひとつやふたつ物理的にぺしゃんこだし、「秘密にしてね」って言っといたからたぶん大丈夫。
ギルド側としても脅威をロハで片づけられてほくほく、僕も面倒がなくてほくほく。
商売の基本、Win-Winってやつだからきっと納得してくれる。
――でもそれは、ギルド相手の話。
もちろんモブ子ズはそれで満足するはずもなく。
「では、本日は不肖、わたくしたちが冒険者としての手ほどきを」
3人娘――なお全員が金髪から茶髪のグラデーションに似たような顔、似たような髪型に似たような服装で似たような声――ゲームではたぶん同じ声優さん――が、僕の前に立ちはだかる。
「……けれど、必要ですの? あれだけの実力者をお相手に……?」
「で、でも、それが、金品や実家からの礼は、どうしても不要と……」
とにかくも無理やりに説得した結果――僕のはじめてのだんじょんこうりゃく(2回目)のおもり、もとい案内をお願いすることにした。
まぁ実際、今の僕と同じランクで同い年で同じ貴族階級出身の子たちからの生の声と情報は、今後他の冒険者とかたちに怪しまれないためにも必要だし。
え、まだ完全な初心者じゃない?
いや、あれはただジュリオン様スペックで雑魚狩りしただけだし……実力が通用しなくなってきたら詰むパターンだし。
ほら、最初うまく行って調子に乗ったら中盤で――とかよくあるし?
僕はセミファイナルジュリオン様なんだ、手は抜けないんだ。
「けれど、あれだけのお力……とっくに手練れだと思いましたわ」
「ですわよねぇ……」
「まさか、貧乏貴族なわたくしたちのためにと、意味のないお礼を……?」
あ、まずい。
これが気を遣っただけって思われたらめんどくさいことになる。
何となくなる、絶対なる、きっとなる。
えーっと……なら。
「いえ……実は昨日が……その、家のしきたりで、実践は初めてでしたので。ですのでダンジョン関係のことは全然分からないんです。まずは情報収集をというところで、とりあえずで潜った先で……でしたので」
うん、嘘は言っていない。
なにひとつね。
この体でダンジョンに潜ったのは本当に初めてだからね。
ゲームでは何百回と潜ってるけども。
「初めてで、下級とはいえ魔族討伐ですの!?」
「はえー、さぞかし高名なお方に師事されているのですわねー」
「そういうことですの……ですからあれだけのことがお出来になるのに、わたくしたちと同じ、駆け出しのランクのプレートを……」
そう言いながら、僕の胸元に掛けてある金属製のそれを見つめるモブ子ズ。
あ、7歳なこの子たちも僕も胸は平坦で当然だからか、ぺったんこでも違和感を持たれていないらしい。
まぁそんなのが気になる年齢じゃないもんね、僕たち。
ともかく命の恩人っていうフィルターを通せば納得してくれたっぽい3人娘。
本当に嘘は言ってないし、そういうことにしておこう。
実際、長男でないとはいえ伯爵家・侯爵家の男子が警備も引き連れずにのこのこ気軽に町を散策できないし?
良かった、ちょうどネグレクトな保護者兼監視者が普段通りに単身赴任――ああいや父子赴任に出てて、屋敷には使用人と、1日中飯を催促するようなじいさんしか居なくって。
……あのじいさんが警備責任者で大丈夫なんだろうか……?
ほら、泥棒とか強盗見ても「ばあさんかい?」って話しかけそうだし……。
「ですがあの実力でしたら……そうですわね、おひとりでの旅を許可されますのも当然でしょう」
「ユリア様ご自身の実力と教師の方のおかげですわね!」
「あとは多少の知識だけで……わたくしたちなんかあっという間ですわ!」
あ、実力は普通に三流の雑魚からラスボスまで、99%近いルートでほぼ出ずっぱりのジュリオン様ボディのだから……。
あとあのおじいちゃんは高名だったけど、今は土いじりで記憶も土に練り込んじゃったおじいちゃんだから……。
とまあなんだか妙に納得されつつも、ダンジョンに潜り始めて数週間らしい初心者3人娘による初心者ツアーが開幕。
……うんうん、経緯はちょっとイレギュラーだったけども、僕が求めていたのはこういうのだったんだよ。
◇
「まずは、掲示板――ではなく、受付の方に尋ね、おすすめの依頼を」
「? 掲示板を直接……? いえ、平民の方の……その、癖の強い字と表現は……少々、その……」
「それに、多少の誇張や虚偽も含まれますし……そこはやはり、書き写して正確に翻訳し直してくださり、周辺情報のチェックをしてくださる受付の方々に伺うのが……」
おっふ……そうだったよ。
僕、「依頼の掲示板はどこですか?」って聞いてたよ……そりゃあまとめ直したのより、それを写し終わって張り出した方案内されるよね……聞き方って大切。
あの美人さんもきっと「うわ、変な子来た」って思ってたんだろうね……。
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2日目だけども、この子たちに教えてもらえて良かったぁ……。
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