悪役貴族転生【女装】悪役令嬢ルート~99通りで断罪される悪役に転生して女装したら死亡フラグが無くなる代わりに周囲の目が怖くなってくんだけど?

あずももも

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3章 女装して捨て子を堕とした

40話 ルーシーくんとお泊まり

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「まぁパーティーメンバーですし? あなたは人から物を盗んだり、寝込みを襲ってひどいことをするような人ではないと信じての提案ですから。まぁ貴方に拒否の選択肢はないわけですけど」

「       」

そんな感じで予防線という名のメス堕ちフラグ回避な言い訳をひとしきりまくし立てた僕は、

「では行きましょう。ほら、ちゃんと前を向いて歩いて」

ぎゅっ。

彼の――炎みたいに熱くなっているおててをつかみ、僕は館を後にする。

……こういうのもなーんだかツンデレっぽくて、ひいてはメス堕ちな気がするんだよなぁ……。

今からでも話し方、屋敷みたいなジュリオン様オリジナルのにするか……?

いやでも、少なくとも今日会った人たちには違和感すごいだろうし、それで魔族の洗脳疑われたら怖いし……うーむ。

「       」

「       」

「……デイジー? あなた、どうしたの? 熱でも出てるの?」

「ううん……ちょっとね。尊すぎるものを目撃しちゃってね……」

「さっきのご令嬢のこと? 本当にかわいいって言うか美しいわよねー……私たちからはあんまり見えないけど。真正面から話ができるデイジーはずるいわ! しかも今日はドブさらいとロリコン討伐をしたって、他の人も盛り上がってたし」

「……ツンデレユリア様……いえ、ユリアたん。私、あの子を推すわ……!」

「いや、知らないけど……まぁでも、ギルド嬢になったときに先輩から聞いたことがある話を思い出すわねぇ。なんだっけ? 銀髪の美しいお姫様が王城から脱走して、王様が居場所を突き止めたころにはAランクまで上り詰めてたっていう……」





「ああ、良いよ。お嬢ちゃんの連れなら部屋も汚さないだろうし。銅貨4枚で毛布と朝食で良いかい?」

「ええ、良心的で助かります。あ、この食材、食べきれませんから使ってくださいな」

「お、ありがたい。ならそこの坊主のは銅貨2枚で良いよ」
「あらお安い」

僕が泊まっている宿は、最低限の寝泊まりをするだけの雑魚寝をする――たぶん今夜ルーシーくんが選ぶはずだったそこよりも、客層も店側の質も段違い。

まぁお値段も段違いだからね……見て回ったところだと、1泊で前世換算100円くらい~のとこと、1万円のとこじゃあね。

でも宿は安全を買うものだってのは、これまた前世の海外旅行をした記憶が教えてくれている。

安全と快適さをお金で買えるんだ、ホテルはケチっちゃだめだよね。
特に治安と衛生が悪いところほど、その価値はお値段以上なんだから。

それを、そこそこの量の食材を提供したってのがあっても200円程度でもうひとり泊まらせてくれる、ここの宿屋は本当に良いところだ。

たぶん僕たちが子供だからってのと、僕がどこぞのご令嬢だってのは分かってるからこそなんだろうけども。

それでも7歳児に対してマトモかつ優しい対応だ。

うん、清潔面でも前世の中でも世界一レベルで潔癖だった国に住んでた僕的にも満足できるところだし、ランクが上がって稼げるようになってもここをひいきしよう。

僕は小市民だったはずだからね、ちょっとお高い1泊1万の快適な宿に泊まれるだけで幸せなんだ。

「       」

「……けど、その坊主……熱でもあるのかい? 病人は教会に連れて行かないと……」
「大丈夫です。ちょっとばかりおませなだけですから」

もはや僕の指示に従って動くだけの人形と化した彼は――ひとことも発することなく。

「――ふーっ。ルーシーの、えっち」

「       」

そう耳元でささやいてあげてみると、びくんと跳ねて――真下を向いて動かなくなる少年。

……こういう初心な男をからかうのって、なんだか――――――

「……嬢ちゃん」
「?」

ふと、宿のカウンターを見上げると――人の良さそうなおばさんが、なんだか悪女を見る目で僕を見てくる。

……あっ。

また僕、メス堕ちフラグを……!?

「あんまりやりすぎると、そのうち痛い目を見るよ? 子供とはいえ美人さんが、そんなことして回ってたら……」

「……ご忠告、感謝します」

うん、気をつけよう。

僕の――ジュリオン様へのメス堕ち因子はどこに転がっているか分からないんだ。

こうして無意識で傾いたせいで無意識で男どもを絆していった結果、フラグを踏み抜いて理不尽な結末に持っていかれることもあり得るんだ。

……うん、気をつけよう。

本当に……うん……TSしたならまだしも、男に転生して男を堕とすのが趣味のメス堕ちメスガキ(男)になっちゃったら、僕もジュリオン様ソウルも完全に消滅しちゃうから。





「――はっ!?」

「気がつきましたか? この部屋ですよ」

宿の人にもらった追加の毛布をベッドにぱさりと置いたところで、意識を取り戻したらしいルーシーくん。

「……え、で、でも、やっぱり……あの、ぼく……」

「ああ困りますよ? もう追加料金は払ってしまいましたしおひねりの食材も提供してしまったので、今さら泊まるのを止めると言われても損するだけです」

「え……そ、そんなぁ……!?」

ごめんよルーシーくん。

でも、やっぱり危なっかしい君をそのままほっとくわけにはいかないんだ。

あの3人娘――流石に今ごろには復活してるだろうけども――彼女たちみたいにたくましく生きていきそうな子とは違って、君は町に出てきたばかりのお上りさんだから。

だから、

――かちゃっ。

「!? な、なななんで鍵を……!?」

いや、自室に入ったら鍵くらい閉めるって。

っていうのもめんどくさいし、どうせ気にならなくなるからいっか。

てことで、

「じゃ、まずは脱いでください。全部」

「!?」

僕は彼を、剥くことにした。

大丈夫、男同士だから恥ずかしくないって。

僕も今世の母さん譲りの美形で女顔だけど男だし、僕もまだまだメス堕ちする気はないから大丈夫大丈夫。


◆◆◆


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