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4章 女装して路地裏から町を堕とした
65話 ジュリオン様お得意の契約魔法
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僕は目の前に孤児の兄妹を――結果として土下座させる形になっていて、それを周囲で100人にも届きそうな数のスラム街のギャラリーが囲んでいる。
この圧倒的優勢に見えて、その実数では圧倒的に劣勢な場面。
――ここが、正念場だ。
何のって?
まずもって、ジュリオン様原作前退場END。
要は僕がこの瞬間から10年後に届かない期間に死ぬ可能性。
今みたいに幼い年齢でわがままを言って町へ出て、そこでまた自分の権威を信じて好き勝手した結果で囲まれて叩かれて――ってのはぽんこつジュリオン様だからこそ目に浮かぶ死に方だ。
……ついでにっていうかこっちが本命な、想像もしたくないけども革命で襲撃されて「お前、男だったのか……!」「でも、かわいいよな……」「宗教的にNGだからこそ何しても良いよな……」「それに、なんだか興奮するな……」「男の娘は男の子同士で恋愛すべきだと思うの」「高貴な物を汚すことほど興奮することはないんだ」「せっかくだからこのまま女装させたままみんなの共有財産として……」とか、おおよそ「革命」で想像できる貴族令息(美形)の末路としてのメス堕ちRTAを回避するための。
あとついでにリラちゃんをどうにかして元の流れに戻し、10年後には普通の貴族令嬢として学園に通わせて、無事勇者くんが世界を救うモチベて手助けをしてもらいつつも、勇者パーティーで幸せになってもらうための。
たったの一手でそんな難問を全部解決するなんてこと、できるのか?
……するしか、ないんだ。
革命の火を鎮火し、ギャラリーが満足し、かつ、2人が僕を「差し違えても」ってレベルで憎悪しない程度で収める。
考えなしに突っ込んだせいで大惨事になっている今だからこそ、やるしかない。
――頼むぞ、ジュリオン様ブレイン、メモリー、その他いろいろ!
もし目覚めるんなら体を一時的にでも使って良いから、なんとか――お。
「――2人とも、面を上げなさい」
「おもてって何だ?」
「リラは黙って……! 顔を上げるんだ……!」
口が勝手に。
そうそう、ジュリオン様が――感覚的にはエミリーちゃんによる冷たい臭でぽっくり逝っちゃってから、彼の意識とかが戻ってきてる気配はない。
けども、なんか口と体がそれっぽいことしてくれるんだよね。
これが貴族の英才教育とかいうやつか。
無意識レベルのジュリオン様(故人)メンタルがなんとかしてくれてるんだろうか。
まぁ一応ジュリオン様、跡取りのスペアではあっても王位継承権も持ってるし、きっとその手の教育もされてるんだろう。
無駄になんでもできる彼だからこそ、きっと無意識レベルで学習したのが高い水準で出てくるんだ、きっと。
そうそう、きっと貴族らしく言外の意味とかなんちゃらもあるんだろうし。
「――よろしい。では、沙汰を告げます」
「……やるか……?」
「あ、相手はまだ子供だぞ……?」
「子供でも貴族だから、俺たちなんて消し飛ぶぞ」
「それに、失敗しなくても俺たち、私兵たちに殺されるんじゃ……」
「でも、このままだとあの2人はひでぇ殺され方を……」
「俺たち全員がガキまで殺されるよりはだ……!」
――ギャラリー。
孤児または孤児出身の大人、もしくはどこかでドロップアウトしたり怪我や病気でここに来ることになった人たちの反応こそ、この世界の常識。
弱い存在――だからこそ共同体としての集団自衛の士気は高い。
「魔力持ちだけどもまだ子供、だから一斉に襲えばなんとかなるかもしれない」――あの2人への義憤に駆られた数人が忍び寄っている感覚。
けども、それを分かっていても僕の体はそれを無視して話し続ける。
僕の意識の方はびびりまくってるけども、脚も震えてないし、ちびってない――頼んだぞジュリオン様!
「リラ、テオ――2人の名前に間違いは?」
「……ありま、せん……」
「うげ、名前知られむむ」
リラちゃんは口が減らない子――いや、もうダメかもって分かってるからこその憎まれ口なのかもね。
一方のテオくんは――10歳にもなってないのに、脚が震えてても妹ちゃんを押しつけ、少しでも僕の怒りを抑えようとしている。
――良いお兄ちゃんだ。
「では――契約魔法を掛けましょう」
――ぶぉんっ。
真っ黒に紫の混じった、毒々しくて禍々しい円が、魔法により地面へ描かれる。
「うわっ!?」
「いてぇ!?」
僕たち3人をすっぽりと囲む魔法陣。
――よし、これで後ろから来てた人たちも弾き飛ばされた。
契約が成立するまでは不意打ちとかはないはず。
これはそういう魔法だからね。
ゲームでも何回か見たし。
「け、契約魔法……!」
「貴族様の、恐ろしいやつだ……!」
「なんでも、あれで縛られると意思に反してでも死ぬまでこき使われるとか」
「やはり、貴族は邪悪……『ミンシュカクメイ』を……!」
む、今の――――は良いか、先にこの子たちだ。
「契約内容は――この先10年間、私たち3名のあいだで成立する」
「……え?」
おや、契約魔法のことまで知ってたらしい――テオ君が、びっくりした顔をしている。
「……契約魔法なのに、わざわざ宣言を……!?」
「この子供の考えていることが、さっぱり分かんねぇ……」
「なんでわざわざ自分から不利なことを……?」
魔法陣からの効果音――魔法っぽいかっこいいやつ――のせいでうまく聞き取れないけども、ここからしばらく邪魔されることはない。
さぁ――ジュリオン様のお得意な魔法で、一石何鳥の大逆転劇だ!
この圧倒的優勢に見えて、その実数では圧倒的に劣勢な場面。
――ここが、正念場だ。
何のって?
まずもって、ジュリオン様原作前退場END。
要は僕がこの瞬間から10年後に届かない期間に死ぬ可能性。
今みたいに幼い年齢でわがままを言って町へ出て、そこでまた自分の権威を信じて好き勝手した結果で囲まれて叩かれて――ってのはぽんこつジュリオン様だからこそ目に浮かぶ死に方だ。
……ついでにっていうかこっちが本命な、想像もしたくないけども革命で襲撃されて「お前、男だったのか……!」「でも、かわいいよな……」「宗教的にNGだからこそ何しても良いよな……」「それに、なんだか興奮するな……」「男の娘は男の子同士で恋愛すべきだと思うの」「高貴な物を汚すことほど興奮することはないんだ」「せっかくだからこのまま女装させたままみんなの共有財産として……」とか、おおよそ「革命」で想像できる貴族令息(美形)の末路としてのメス堕ちRTAを回避するための。
あとついでにリラちゃんをどうにかして元の流れに戻し、10年後には普通の貴族令嬢として学園に通わせて、無事勇者くんが世界を救うモチベて手助けをしてもらいつつも、勇者パーティーで幸せになってもらうための。
たったの一手でそんな難問を全部解決するなんてこと、できるのか?
……するしか、ないんだ。
革命の火を鎮火し、ギャラリーが満足し、かつ、2人が僕を「差し違えても」ってレベルで憎悪しない程度で収める。
考えなしに突っ込んだせいで大惨事になっている今だからこそ、やるしかない。
――頼むぞ、ジュリオン様ブレイン、メモリー、その他いろいろ!
もし目覚めるんなら体を一時的にでも使って良いから、なんとか――お。
「――2人とも、面を上げなさい」
「おもてって何だ?」
「リラは黙って……! 顔を上げるんだ……!」
口が勝手に。
そうそう、ジュリオン様が――感覚的にはエミリーちゃんによる冷たい臭でぽっくり逝っちゃってから、彼の意識とかが戻ってきてる気配はない。
けども、なんか口と体がそれっぽいことしてくれるんだよね。
これが貴族の英才教育とかいうやつか。
無意識レベルのジュリオン様(故人)メンタルがなんとかしてくれてるんだろうか。
まぁ一応ジュリオン様、跡取りのスペアではあっても王位継承権も持ってるし、きっとその手の教育もされてるんだろう。
無駄になんでもできる彼だからこそ、きっと無意識レベルで学習したのが高い水準で出てくるんだ、きっと。
そうそう、きっと貴族らしく言外の意味とかなんちゃらもあるんだろうし。
「――よろしい。では、沙汰を告げます」
「……やるか……?」
「あ、相手はまだ子供だぞ……?」
「子供でも貴族だから、俺たちなんて消し飛ぶぞ」
「それに、失敗しなくても俺たち、私兵たちに殺されるんじゃ……」
「でも、このままだとあの2人はひでぇ殺され方を……」
「俺たち全員がガキまで殺されるよりはだ……!」
――ギャラリー。
孤児または孤児出身の大人、もしくはどこかでドロップアウトしたり怪我や病気でここに来ることになった人たちの反応こそ、この世界の常識。
弱い存在――だからこそ共同体としての集団自衛の士気は高い。
「魔力持ちだけどもまだ子供、だから一斉に襲えばなんとかなるかもしれない」――あの2人への義憤に駆られた数人が忍び寄っている感覚。
けども、それを分かっていても僕の体はそれを無視して話し続ける。
僕の意識の方はびびりまくってるけども、脚も震えてないし、ちびってない――頼んだぞジュリオン様!
「リラ、テオ――2人の名前に間違いは?」
「……ありま、せん……」
「うげ、名前知られむむ」
リラちゃんは口が減らない子――いや、もうダメかもって分かってるからこその憎まれ口なのかもね。
一方のテオくんは――10歳にもなってないのに、脚が震えてても妹ちゃんを押しつけ、少しでも僕の怒りを抑えようとしている。
――良いお兄ちゃんだ。
「では――契約魔法を掛けましょう」
――ぶぉんっ。
真っ黒に紫の混じった、毒々しくて禍々しい円が、魔法により地面へ描かれる。
「うわっ!?」
「いてぇ!?」
僕たち3人をすっぽりと囲む魔法陣。
――よし、これで後ろから来てた人たちも弾き飛ばされた。
契約が成立するまでは不意打ちとかはないはず。
これはそういう魔法だからね。
ゲームでも何回か見たし。
「け、契約魔法……!」
「貴族様の、恐ろしいやつだ……!」
「なんでも、あれで縛られると意思に反してでも死ぬまでこき使われるとか」
「やはり、貴族は邪悪……『ミンシュカクメイ』を……!」
む、今の――――は良いか、先にこの子たちだ。
「契約内容は――この先10年間、私たち3名のあいだで成立する」
「……え?」
おや、契約魔法のことまで知ってたらしい――テオ君が、びっくりした顔をしている。
「……契約魔法なのに、わざわざ宣言を……!?」
「この子供の考えていることが、さっぱり分かんねぇ……」
「なんでわざわざ自分から不利なことを……?」
魔法陣からの効果音――魔法っぽいかっこいいやつ――のせいでうまく聞き取れないけども、ここからしばらく邪魔されることはない。
さぁ――ジュリオン様のお得意な魔法で、一石何鳥の大逆転劇だ!
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