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4章 女装して路地裏から町を堕とした
67話 エミリーちゃんのデコ/お友達ゲット
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ジュリオン様ブレインは素晴らしい。
追加で必要そうな条件をしゃべってくれる。
「勉学については『10年後に学園入学が可能なレベルまで』を目標に――無理であれば教会での勉学と同等の基準までを目指すものとする」
こうすれば――少なくともリラちゃんは、学園に入学できる学力を得ることができる。
原作では入学していたんだ、たとえ貴族子弟としての甘々基準だったとしても彼女にはそのポテンシャルがある。
「あぇー?」
……今は、その輝くデコしかないけども、きっとそのはずだ……きっと、たぶん、そうかもしれない。
もっとも――契約魔法は行使している側、つまり僕からは――実は、好きに解除できる。
使う側からすれば、契約時に魔力を使う以外はデメリットのなにひとつない――結ばされる方からすればあんまりにもあんまりであんまりすぎるものだ。
でも、この魔法はとても難しいらしく、事実上ジュリオン様がヒロインたちと主人公くんのヘイトを買うためだけに存在するようなもので、他の人はほとんど取得できないらしい。
ジュリオン様はこれを乱用して好き勝手して高笑いしているだけの、最後には破られて死ぬかメス堕ちさせられる、かわいそうなぽんこつなんだ。
つまり、リラちゃんたちとのこれは、僕にとってこれはただの口約束――でもこんなこと、平民のみんなは知るよしもない。
まぁ魔力をごりっと使うからこのあとしばらく苦労しそうだけども、逆に言えばその程度で僕の損は何もない。
だから「2人を攫ってったけど……働かせはするけど死なせはしないみたいだし、期間が終われば頭が良くなって戻ってくるし、おちんぎんも持たせるからね」ってことでギャラリーを安心させるためだけの出任せでもある。
……別に2人が嫌じゃなきゃ、ていうか10年後までにどこかしらの貴族に預ける必要があるもんだから、とりあえずは契約魔法で縛っておき、良いタイミングでリリースするまでの一時的な措置ってことで。
まぁどっかの貴族の養子にさせるから、実は返さないんだけどね。
……普通にエグいな、この思考回路……まぁジュリオン様だしなぁ。
これがどうして10年後にはぽんこつになるんだか。
あ、そうだ。
「思考と会話は強制しない。ただし、私自身と家の利益に反しない場合に限る」
危ない危ない、「洗脳とか思ってないことしゃべらされるとか、そういうことはしないからね」って付け加えておかないとね。
じゃないと「あれ? こいつ実はいいやつなんじゃ……待て、これも思考誘導か……!」ってなるし。
すごいね、ジュリオン様ブレイン。
これがどうやったら10年後にあんなぽんこつになるんだろう。
「………………………………」
あ、体が自由に動く感じ。
いや、さっきまでもやろうと思えばできたけども、便利だから口とかが動くに任せるって感じだったけども。
「――以上をもって、契約と成す」
――しゅうん。
魔法陣がしぼんでいき……うん、大丈夫みたいだ。
ギャラリーたちも「それなら、まぁ……」とでも言いたいような顔をして――あ、刃物持ち出してた人も、なぜか落っことしてるし泣いてる。
なんで?
……よく分からないけども、ま、今のところはこれでいっか。
「……では、リラ、テオ。あなたたちは今日から、私のものです」
「……ありがとうございますありがとうございます……!」
「なー兄貴、良く分かんねぇんだけど助かったのかぁ?」
きょとんとして意味をよく分かっていないリラちゃん、泣きながら這いつくばったままのテオくん。
これが理解度と性格の差か……まぁ小学校入りたてと3年4年生くらい?だし。
けど、すごくない?
7歳にして契約魔法をまともに発動できて、しかもこんな起死回生の一択を一瞬で思いつけるとか。
こんなの、前世の僕じゃまず無理だったもんなぁ。
まぁそんだけないと99%近いルート全ての悪役を一手には引き受けられないか……なにその無駄な高スペック。
……そんなジュリオン様を着火しやすく育てるエミリーちゃんの手腕よ。
まぁ噂を聞く限りセレスティーヌさん(母)の遺伝っぽいけどね……。
さて、おじいちゃんのお財布とかを取り返しつつも貴族にヘイトが向かない一手としての契約魔法。
目の前で魔法陣を見るのは初めてだろうし「2人をいじめないよ」って宣言したからヘイト自体も軽減されてるはず。
――ざわざわざわ。
なんだなんだと話し合っている浮浪者の人たち。
「……これは、つまり……?」
「そんな――いや、宣言した以上には嘘は吐けないはず……!」
「まさか、本当にお貴族様が……!」
「わざわざ『契約の内容をこちらに知らせながら』契約魔法を使うだなんて……!」
え?
そうしないの?
だってジュリオン様、ゲームではいつもやってたよ?
じゃないと分からないよね、「どんな契約を押しつけるのか」ってのが「押しつけられた本人とかその家族とか友人」にさ。
そんなの不公平で、だから使ったらヘイトが溜まるだけでしょ?
「しかも最初におっしゃられていた……! あの兄妹を『ただ使用人として』、しかも『雇う』し、終わったら『解放する』だなんて……!」
「なんと……なんと慈悲深い……!」
いやまぁ、みなさんに恨まれて革命起こされたくないですし。
僕たち貴族って立場は強いけども、数では圧倒的に負けてるんだからさ。
けど、この反応ってことは――「貴族として案外ちょろいんだな」って感想ではなさそうだから良い塩梅だったのかな。
けども、これで目標は達成。
うっかりでスラム街に突入しちゃったときはどうなるかって思ったけども、結果としてリラちゃんが――何かの弾みでヒロインになる前に路地裏で冷たくなる悲劇とかはなくなったし、なによりも。
……家に帰っても、エミリーちゃんに押しつけられるお話相手もといデコイもといお友達を連れて帰れるんだから。
うん。
モブ子ズとかエミリーちゃんとかと一緒だと、目が覚めてから寝落ちするまで延々とおしゃべり投げかけられるから。
そういうの――前世でもたぶん静かなのが好きだった僕にとっては辛いんだもん。
追加で必要そうな条件をしゃべってくれる。
「勉学については『10年後に学園入学が可能なレベルまで』を目標に――無理であれば教会での勉学と同等の基準までを目指すものとする」
こうすれば――少なくともリラちゃんは、学園に入学できる学力を得ることができる。
原作では入学していたんだ、たとえ貴族子弟としての甘々基準だったとしても彼女にはそのポテンシャルがある。
「あぇー?」
……今は、その輝くデコしかないけども、きっとそのはずだ……きっと、たぶん、そうかもしれない。
もっとも――契約魔法は行使している側、つまり僕からは――実は、好きに解除できる。
使う側からすれば、契約時に魔力を使う以外はデメリットのなにひとつない――結ばされる方からすればあんまりにもあんまりであんまりすぎるものだ。
でも、この魔法はとても難しいらしく、事実上ジュリオン様がヒロインたちと主人公くんのヘイトを買うためだけに存在するようなもので、他の人はほとんど取得できないらしい。
ジュリオン様はこれを乱用して好き勝手して高笑いしているだけの、最後には破られて死ぬかメス堕ちさせられる、かわいそうなぽんこつなんだ。
つまり、リラちゃんたちとのこれは、僕にとってこれはただの口約束――でもこんなこと、平民のみんなは知るよしもない。
まぁ魔力をごりっと使うからこのあとしばらく苦労しそうだけども、逆に言えばその程度で僕の損は何もない。
だから「2人を攫ってったけど……働かせはするけど死なせはしないみたいだし、期間が終われば頭が良くなって戻ってくるし、おちんぎんも持たせるからね」ってことでギャラリーを安心させるためだけの出任せでもある。
……別に2人が嫌じゃなきゃ、ていうか10年後までにどこかしらの貴族に預ける必要があるもんだから、とりあえずは契約魔法で縛っておき、良いタイミングでリリースするまでの一時的な措置ってことで。
まぁどっかの貴族の養子にさせるから、実は返さないんだけどね。
……普通にエグいな、この思考回路……まぁジュリオン様だしなぁ。
これがどうして10年後にはぽんこつになるんだか。
あ、そうだ。
「思考と会話は強制しない。ただし、私自身と家の利益に反しない場合に限る」
危ない危ない、「洗脳とか思ってないことしゃべらされるとか、そういうことはしないからね」って付け加えておかないとね。
じゃないと「あれ? こいつ実はいいやつなんじゃ……待て、これも思考誘導か……!」ってなるし。
すごいね、ジュリオン様ブレイン。
これがどうやったら10年後にあんなぽんこつになるんだろう。
「………………………………」
あ、体が自由に動く感じ。
いや、さっきまでもやろうと思えばできたけども、便利だから口とかが動くに任せるって感じだったけども。
「――以上をもって、契約と成す」
――しゅうん。
魔法陣がしぼんでいき……うん、大丈夫みたいだ。
ギャラリーたちも「それなら、まぁ……」とでも言いたいような顔をして――あ、刃物持ち出してた人も、なぜか落っことしてるし泣いてる。
なんで?
……よく分からないけども、ま、今のところはこれでいっか。
「……では、リラ、テオ。あなたたちは今日から、私のものです」
「……ありがとうございますありがとうございます……!」
「なー兄貴、良く分かんねぇんだけど助かったのかぁ?」
きょとんとして意味をよく分かっていないリラちゃん、泣きながら這いつくばったままのテオくん。
これが理解度と性格の差か……まぁ小学校入りたてと3年4年生くらい?だし。
けど、すごくない?
7歳にして契約魔法をまともに発動できて、しかもこんな起死回生の一択を一瞬で思いつけるとか。
こんなの、前世の僕じゃまず無理だったもんなぁ。
まぁそんだけないと99%近いルート全ての悪役を一手には引き受けられないか……なにその無駄な高スペック。
……そんなジュリオン様を着火しやすく育てるエミリーちゃんの手腕よ。
まぁ噂を聞く限りセレスティーヌさん(母)の遺伝っぽいけどね……。
さて、おじいちゃんのお財布とかを取り返しつつも貴族にヘイトが向かない一手としての契約魔法。
目の前で魔法陣を見るのは初めてだろうし「2人をいじめないよ」って宣言したからヘイト自体も軽減されてるはず。
――ざわざわざわ。
なんだなんだと話し合っている浮浪者の人たち。
「……これは、つまり……?」
「そんな――いや、宣言した以上には嘘は吐けないはず……!」
「まさか、本当にお貴族様が……!」
「わざわざ『契約の内容をこちらに知らせながら』契約魔法を使うだなんて……!」
え?
そうしないの?
だってジュリオン様、ゲームではいつもやってたよ?
じゃないと分からないよね、「どんな契約を押しつけるのか」ってのが「押しつけられた本人とかその家族とか友人」にさ。
そんなの不公平で、だから使ったらヘイトが溜まるだけでしょ?
「しかも最初におっしゃられていた……! あの兄妹を『ただ使用人として』、しかも『雇う』し、終わったら『解放する』だなんて……!」
「なんと……なんと慈悲深い……!」
いやまぁ、みなさんに恨まれて革命起こされたくないですし。
僕たち貴族って立場は強いけども、数では圧倒的に負けてるんだからさ。
けど、この反応ってことは――「貴族として案外ちょろいんだな」って感想ではなさそうだから良い塩梅だったのかな。
けども、これで目標は達成。
うっかりでスラム街に突入しちゃったときはどうなるかって思ったけども、結果としてリラちゃんが――何かの弾みでヒロインになる前に路地裏で冷たくなる悲劇とかはなくなったし、なによりも。
……家に帰っても、エミリーちゃんに押しつけられるお話相手もといデコイもといお友達を連れて帰れるんだから。
うん。
モブ子ズとかエミリーちゃんとかと一緒だと、目が覚めてから寝落ちするまで延々とおしゃべり投げかけられるから。
そういうの――前世でもたぶん静かなのが好きだった僕にとっては辛いんだもん。
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