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5章 女装して国の裏を堕とした
76話 悪徳変態貴族と対面
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「ぐふふ……お前たち、ユリアたんを連れ帰ることができなかったようだなぁ……?」
「申し訳ございません!」
「ですが、代わりとしては実にモルテール様にぴったりの娘を!」
「綺麗な白髪、従順で賢く、容姿の整った娘でございます……!」
「ふんっ。まぁよい、可能であればと言っておったからな。――おい!」
「はっ。……来なさい」
「はい……」
下向いてるから顔は見えないけど、醜悪な声がモルテールか。
言ってることも完全に変態の王だしな。
――ドナドナされながら男たちの会話で推測してたけど、こいつ……慎重で身の程を弁えたタイプの、つまりは厄介な小悪党だ。
警戒は最大に。
いざとなったら戦えるように。
「ほう……? 白髪……というよりは銀髪か……?」
「はい、ご主人様。どうやら数日風呂に入っていなかっただけと。今は隅々まで綺麗な体です」
「ぐふ、ぐふふ……」
メイドお姉ちゃんが部屋のドアを開ける前に教えてくれたように、僕は怯えた演技をそのまま続けている。
だから縮こまってうつむいた形にしているし、そうなるとスカートの前を引っ張っているのもおかしくはないからって。
……本当に良い子だよね、この子も。
きっと、自分が新しい子をロリコンに差し出さなきゃいけない罪悪感でここまで親身になってくれているんだろう。
もうちょっと辛抱しててね。
君もきっと、すぐに出られるから。
行き場がなければ家でお世話できるから。
僕は悪役貴族ではあっても悪徳貴族でも変態貴族でもないんだ、手を出すことだけは絶対にないっていうプライドだけはあるんだ。
「ぐふ……近う寄れ。だぁいじょうぶ、おじちゃんは優しくしてあげるからねぇ……ぐふふ……」
うわっ、猫なで声キモッ。
けども、このロリコンは計画的なロリコンだ。
理性で性欲の歯止めを効かせられるタイプの厄介なロリコン――ペドフィリアだ。
ああ、男の子もさらわれるって聞いたし、ショタコンでもあるのかもしれないね。
なんでもこの2、3年のあいだ、この町で活動を続けていても未だに父さんから討伐されるほどのヘイトを買わない範囲を見極めながら、それでいてギルドの職員さんたちが憤怒するレベルでロリっ子とショタっ子の拉致を繰り返している手練れと言う。
「あのお方」とやらに取り入ったおかげで、万が一のときにはパパンへ1度だけは許してもらえる権利とやらも得ているらしいおまけ付き。
……侯爵より上の立場の貴族、あるいは王族へのコネまであるとか、一体誰なんだ「あのお方」って。
血筋的には半分王族のデュクロワ家すら従えられるって……王族か、やっぱ。
一体誰なんだ。
――ゲームの設定的に戦いとシナリオのメインはすっきりさっぱりさっくりと「力」こそがパワーな世界観。
共通ルート、個別ルートともにドロドロした政治劇とかでの鬱展開を嫌ったらしく、王家を始めとして大半の貴族は――前世のリアル中世基準では、まず間違いなく清廉潔白なレベルのはず。
ざっくり言えば個人個人では腐ってるのとかどうしようもないのも多いけども、外敵がすぐそばってこともあって社会そのものに悪影響を及ぼすレベルの組織的な悪はできないっていう感じってのが僕の印象だ。
本来なら力尽くで好き勝手できるはずの子供に対してもその傾向は同じらしく、連れてこられてすぐ――数日は、手を出されないらしい。
まぁそのあと手を出されるから悪人には変わりないんだけど。
それでも、人の心の分からないレベルの悪人ではないそうな。
悪ではあるけども吐き気を催すレベル――でもあるけども、計算があるにしても理性が働いてるタイプの悪だ。
うん、子供に手を出すにしても、少なくとも子供が多少でも安心してからってだけで……好感度が突き抜けたどん底からちょっと上がったくらいにはなったし。
貴族っていえば身分差で好き勝手するのも多いらしいし、それに比べたらね。
野盗とかが普通に跋扈する世界では、むしろ優しいレベルではある。
とはいえ、こいつは紛れもなく大罪人だ。
おまけか本命か、ロリとショタに手を出して帰さない――つまりは、命まで奪う悪党なんだ。
――こいつだけは、たとえ身バレしたせいで今までに会った人たちから――好意の目を向けてきてくれてた人たちから、一斉に嫌悪の目を向けられることになったとしても。
この町に降りてくるたびに侮蔑と嘲笑で苦しむことになろうとも――許すわけにはいかないんだ。
「あの子も……」
「震えて……かわいそうに……」
「さっきの子も、もう……」
ぼそぼそ。
左右に立つ、数十の子供たちの声。
……連れてこられた子たちは、私語が許される程度には緩い統率らしい。
もっとも誰も彼もみんなやばい服装だし手を出されてるんだろうし、だからなんだというわけだけども。
あと、歳が上で中学生までの――見た感じ、少なくともここに居るのは全員女の子がぎりっぎりな服装してるのはちょっとこう、精神衛生的によろしくない気がする。
「さぁ、顔を見せておくれぇ……儂は、怖がるロリっ子の初めての顔がたまらないのだ……」
うわっ、キモッ。
「……はい」
けども、今は従うしかない。
手は出されないみたいだし――僕は男だからおさわりとか気にしないけども、胸とかこの歳だと無いのが当たり前だからどうでも良いけども、下を触られるとさすがにバレるからそれ以外なら我慢できるんだ。
外で合流した軍勢がなだれ込むまでの辛抱くらいはしてみせよう。
それが、貴族として生まれた僕の義務だ。
おしりにさえ手を出されなければ――おさわり程度なら、我慢してみせる。
そのくらいの覚悟がなくて、何が貴族だってね。
「申し訳ございません!」
「ですが、代わりとしては実にモルテール様にぴったりの娘を!」
「綺麗な白髪、従順で賢く、容姿の整った娘でございます……!」
「ふんっ。まぁよい、可能であればと言っておったからな。――おい!」
「はっ。……来なさい」
「はい……」
下向いてるから顔は見えないけど、醜悪な声がモルテールか。
言ってることも完全に変態の王だしな。
――ドナドナされながら男たちの会話で推測してたけど、こいつ……慎重で身の程を弁えたタイプの、つまりは厄介な小悪党だ。
警戒は最大に。
いざとなったら戦えるように。
「ほう……? 白髪……というよりは銀髪か……?」
「はい、ご主人様。どうやら数日風呂に入っていなかっただけと。今は隅々まで綺麗な体です」
「ぐふ、ぐふふ……」
メイドお姉ちゃんが部屋のドアを開ける前に教えてくれたように、僕は怯えた演技をそのまま続けている。
だから縮こまってうつむいた形にしているし、そうなるとスカートの前を引っ張っているのもおかしくはないからって。
……本当に良い子だよね、この子も。
きっと、自分が新しい子をロリコンに差し出さなきゃいけない罪悪感でここまで親身になってくれているんだろう。
もうちょっと辛抱しててね。
君もきっと、すぐに出られるから。
行き場がなければ家でお世話できるから。
僕は悪役貴族ではあっても悪徳貴族でも変態貴族でもないんだ、手を出すことだけは絶対にないっていうプライドだけはあるんだ。
「ぐふ……近う寄れ。だぁいじょうぶ、おじちゃんは優しくしてあげるからねぇ……ぐふふ……」
うわっ、猫なで声キモッ。
けども、このロリコンは計画的なロリコンだ。
理性で性欲の歯止めを効かせられるタイプの厄介なロリコン――ペドフィリアだ。
ああ、男の子もさらわれるって聞いたし、ショタコンでもあるのかもしれないね。
なんでもこの2、3年のあいだ、この町で活動を続けていても未だに父さんから討伐されるほどのヘイトを買わない範囲を見極めながら、それでいてギルドの職員さんたちが憤怒するレベルでロリっ子とショタっ子の拉致を繰り返している手練れと言う。
「あのお方」とやらに取り入ったおかげで、万が一のときにはパパンへ1度だけは許してもらえる権利とやらも得ているらしいおまけ付き。
……侯爵より上の立場の貴族、あるいは王族へのコネまであるとか、一体誰なんだ「あのお方」って。
血筋的には半分王族のデュクロワ家すら従えられるって……王族か、やっぱ。
一体誰なんだ。
――ゲームの設定的に戦いとシナリオのメインはすっきりさっぱりさっくりと「力」こそがパワーな世界観。
共通ルート、個別ルートともにドロドロした政治劇とかでの鬱展開を嫌ったらしく、王家を始めとして大半の貴族は――前世のリアル中世基準では、まず間違いなく清廉潔白なレベルのはず。
ざっくり言えば個人個人では腐ってるのとかどうしようもないのも多いけども、外敵がすぐそばってこともあって社会そのものに悪影響を及ぼすレベルの組織的な悪はできないっていう感じってのが僕の印象だ。
本来なら力尽くで好き勝手できるはずの子供に対してもその傾向は同じらしく、連れてこられてすぐ――数日は、手を出されないらしい。
まぁそのあと手を出されるから悪人には変わりないんだけど。
それでも、人の心の分からないレベルの悪人ではないそうな。
悪ではあるけども吐き気を催すレベル――でもあるけども、計算があるにしても理性が働いてるタイプの悪だ。
うん、子供に手を出すにしても、少なくとも子供が多少でも安心してからってだけで……好感度が突き抜けたどん底からちょっと上がったくらいにはなったし。
貴族っていえば身分差で好き勝手するのも多いらしいし、それに比べたらね。
野盗とかが普通に跋扈する世界では、むしろ優しいレベルではある。
とはいえ、こいつは紛れもなく大罪人だ。
おまけか本命か、ロリとショタに手を出して帰さない――つまりは、命まで奪う悪党なんだ。
――こいつだけは、たとえ身バレしたせいで今までに会った人たちから――好意の目を向けてきてくれてた人たちから、一斉に嫌悪の目を向けられることになったとしても。
この町に降りてくるたびに侮蔑と嘲笑で苦しむことになろうとも――許すわけにはいかないんだ。
「あの子も……」
「震えて……かわいそうに……」
「さっきの子も、もう……」
ぼそぼそ。
左右に立つ、数十の子供たちの声。
……連れてこられた子たちは、私語が許される程度には緩い統率らしい。
もっとも誰も彼もみんなやばい服装だし手を出されてるんだろうし、だからなんだというわけだけども。
あと、歳が上で中学生までの――見た感じ、少なくともここに居るのは全員女の子がぎりっぎりな服装してるのはちょっとこう、精神衛生的によろしくない気がする。
「さぁ、顔を見せておくれぇ……儂は、怖がるロリっ子の初めての顔がたまらないのだ……」
うわっ、キモッ。
「……はい」
けども、今は従うしかない。
手は出されないみたいだし――僕は男だからおさわりとか気にしないけども、胸とかこの歳だと無いのが当たり前だからどうでも良いけども、下を触られるとさすがにバレるからそれ以外なら我慢できるんだ。
外で合流した軍勢がなだれ込むまでの辛抱くらいはしてみせよう。
それが、貴族として生まれた僕の義務だ。
おしりにさえ手を出されなければ――おさわり程度なら、我慢してみせる。
そのくらいの覚悟がなくて、何が貴族だってね。
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