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5章 女装して国の裏を堕とした
82話 僕は女王様
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「ユリア様は、極めて残念なお方を眺めるお美しい目で這いつくばる豚を見下ろし、ハイヒールの硬そうな先で……と」
「ユリア様が汚されていなくてよかったのですわ……!」
「たとえそうだとしましてもわたくしたち、一生を掛けて守り抜く覚悟でしたけれど」
「は、はい……! 『こんなにえっちな格好をさせられて魂が汚された』っていう、すごいユリアさまだからこそ思わず泣いちゃっただけで、実際は手を出されていなくって……はぁ、よかったぁ……」
「け、けれどどうしてこんなにも体が熱いのでしょう? 走ったのはずいぶん前ですのに……」
「まるであの豚さんですわ!」
「あと、ユリア様があの人に無理やりと想像していた時間、悪寒と吐き気と震え以外に、不思議な感覚が……」
「あ、あの、ぼくのお兄ちゃんが言ってたんですけど、そういうのは……」
3人娘とルーシーちゃんは今日も元気だ。
朝にだくだく泣いてたのなんてもう完璧に忘れ、うっとりと、あるいは羨望のまなざしで――必死にペンを走らせ、そして息を荒くして食い入るように見つめてくる。
7歳児のくせに扇情的な格好をした、男のくせにぎりぎりを攻めたメイド服姿な僕が、パンツいっちょのおじさんを踏みつけている姿を。
……うん、君たちを泣かせた罰としてでいいんなら、もういくらでもこれで良いや。
僕はただ豚さんを踏みつけてるだけだし。
ちなみに「豚」呼びは、この豚さんが「みんなが罵ってくれたらもっとしゃべります」って言ったから。
もういやだこの変態。
「――屋敷から全速で飛ばしてきまして確認が取れました」
「お疲れ様です」
「問題ないと私兵は下げましたか?」
かつん、と、さっきまで居なかった、涼しい顔の使用人さんが戻ってくる。
「モルテール子爵が肌身離さず――持ち歩いてたために、汗まみれで危うく判別不能でありましたが、王国暗部を屠るためにあらゆる行為を許す許可書――これは、本物でした」
「筆跡的にまず間違いないと思いましたが、印までですか」
「確定ですね。彼は、お嬢様のしもべです」
「つまり、紛れもなくセレスティーヌ様がお認めになっていたと」
「はい。ベルトランにも確認が取れましたが、確かにデュクロワ領でモルテール子爵が活動する許可は出ているようです。そして王からの許しも、セレスティーヌ様でしたら問題なく下りたはず。経緯と詳細は、旦那様ならご存じかと」
「子細は旦那様の遠征帰り――を待たずに聞けそうですね」
「ユリア様。さ、ぐいっと」
「そうです、ぐいっと一発」
使用人さんたち――クラシックで伝統的で機能美あふれる、やらしくないメイド服を着た僕の世話役の人たちがきらきらしたおめめで見つめてくる。
やめて、そんな目で「お酒を一杯」ってノリで僕に踏んづけさせるのやめて。
だけども、汗ひとつ流さずに、ほんの1、2時間で戻ってきたメイドさんが断定してしまった。
なんてことだ。
ていうかどうやってそんなスピード出せたんだ、あの馬車で。
僕が着たときは休憩も挟んだけど3時間4時間はかかったよね?
「つまり……どういうことでございますか?」
「農民にまで周知されていますように、魔族は人に紛れて狼藉を働きます。その中でも特に難しい案件を処理されていたのが、そこの豚――モルテール様と」
「ぶっひぃ!」
「お黙りなさい」
ぐりっ。
「ぶひっ!!」
なにかあるたびに足先から伝わってくる、ぶよんぶよんとしたお肉がぶるぶると蠢いてくる感覚。
「さすがジュ――リア様ですね」
「調教も手慣れたもの。そういえばセレスティーヌ様も旦那様との夜を……」
「やめなさい」
「………………………………!」
「ああ、ユリア様。セレスティーヌ様の片鱗が少しずつ……」
やめて、それだけはやめて。
正直物心ついたときには死んじゃってたから母親って感覚は薄いけども、それでもこのジュリオン様ボディ兼今世の僕の肉親なんだ。
そして父親は――ジュリオン様は憎んでたけど、僕としてはどうでも良いけど、それでも知り合いなんだ。
そんなたち人の夜の営みとか知りたくない。
親のそういうのとか、子供が知るとトラウマになるんだぞ。
「………………………………」
――ぐにっ。
「ぶっひぃ! そうですぞ、脊髄が反応するその調子ですぐっふぅ!」
「お黙りなさい」
「ぶひぃ!」
イラッとして思わず踏みすぎたって思ったのが良かったらしい。
変態さんの気持ちなんて僕には分からないや。
……正直気持ちが悪いんだけども、こうして踏んでるあいだはすらすらしゃべってくれるんだよなぁ……やめた途端に見上げてくるけど。
「ユリア様が汚されていなくてよかったのですわ……!」
「たとえそうだとしましてもわたくしたち、一生を掛けて守り抜く覚悟でしたけれど」
「は、はい……! 『こんなにえっちな格好をさせられて魂が汚された』っていう、すごいユリアさまだからこそ思わず泣いちゃっただけで、実際は手を出されていなくって……はぁ、よかったぁ……」
「け、けれどどうしてこんなにも体が熱いのでしょう? 走ったのはずいぶん前ですのに……」
「まるであの豚さんですわ!」
「あと、ユリア様があの人に無理やりと想像していた時間、悪寒と吐き気と震え以外に、不思議な感覚が……」
「あ、あの、ぼくのお兄ちゃんが言ってたんですけど、そういうのは……」
3人娘とルーシーちゃんは今日も元気だ。
朝にだくだく泣いてたのなんてもう完璧に忘れ、うっとりと、あるいは羨望のまなざしで――必死にペンを走らせ、そして息を荒くして食い入るように見つめてくる。
7歳児のくせに扇情的な格好をした、男のくせにぎりぎりを攻めたメイド服姿な僕が、パンツいっちょのおじさんを踏みつけている姿を。
……うん、君たちを泣かせた罰としてでいいんなら、もういくらでもこれで良いや。
僕はただ豚さんを踏みつけてるだけだし。
ちなみに「豚」呼びは、この豚さんが「みんなが罵ってくれたらもっとしゃべります」って言ったから。
もういやだこの変態。
「――屋敷から全速で飛ばしてきまして確認が取れました」
「お疲れ様です」
「問題ないと私兵は下げましたか?」
かつん、と、さっきまで居なかった、涼しい顔の使用人さんが戻ってくる。
「モルテール子爵が肌身離さず――持ち歩いてたために、汗まみれで危うく判別不能でありましたが、王国暗部を屠るためにあらゆる行為を許す許可書――これは、本物でした」
「筆跡的にまず間違いないと思いましたが、印までですか」
「確定ですね。彼は、お嬢様のしもべです」
「つまり、紛れもなくセレスティーヌ様がお認めになっていたと」
「はい。ベルトランにも確認が取れましたが、確かにデュクロワ領でモルテール子爵が活動する許可は出ているようです。そして王からの許しも、セレスティーヌ様でしたら問題なく下りたはず。経緯と詳細は、旦那様ならご存じかと」
「子細は旦那様の遠征帰り――を待たずに聞けそうですね」
「ユリア様。さ、ぐいっと」
「そうです、ぐいっと一発」
使用人さんたち――クラシックで伝統的で機能美あふれる、やらしくないメイド服を着た僕の世話役の人たちがきらきらしたおめめで見つめてくる。
やめて、そんな目で「お酒を一杯」ってノリで僕に踏んづけさせるのやめて。
だけども、汗ひとつ流さずに、ほんの1、2時間で戻ってきたメイドさんが断定してしまった。
なんてことだ。
ていうかどうやってそんなスピード出せたんだ、あの馬車で。
僕が着たときは休憩も挟んだけど3時間4時間はかかったよね?
「つまり……どういうことでございますか?」
「農民にまで周知されていますように、魔族は人に紛れて狼藉を働きます。その中でも特に難しい案件を処理されていたのが、そこの豚――モルテール様と」
「ぶっひぃ!」
「お黙りなさい」
ぐりっ。
「ぶひっ!!」
なにかあるたびに足先から伝わってくる、ぶよんぶよんとしたお肉がぶるぶると蠢いてくる感覚。
「さすがジュ――リア様ですね」
「調教も手慣れたもの。そういえばセレスティーヌ様も旦那様との夜を……」
「やめなさい」
「………………………………!」
「ああ、ユリア様。セレスティーヌ様の片鱗が少しずつ……」
やめて、それだけはやめて。
正直物心ついたときには死んじゃってたから母親って感覚は薄いけども、それでもこのジュリオン様ボディ兼今世の僕の肉親なんだ。
そして父親は――ジュリオン様は憎んでたけど、僕としてはどうでも良いけど、それでも知り合いなんだ。
そんなたち人の夜の営みとか知りたくない。
親のそういうのとか、子供が知るとトラウマになるんだぞ。
「………………………………」
――ぐにっ。
「ぶっひぃ! そうですぞ、脊髄が反応するその調子ですぐっふぅ!」
「お黙りなさい」
「ぶひぃ!」
イラッとして思わず踏みすぎたって思ったのが良かったらしい。
変態さんの気持ちなんて僕には分からないや。
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