無愛想な氷の貴公子は臆病な僕だけを逃さない~十年の片想いが溶かされるまで~

たら昆布

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12話

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披露宴がまだ続いている中、湊は強引に遥の手を引き、会場を後にした。


「湊、まだ終わってないよ……! 挨拶もしてないのに」


「……必要ない。お前をこれ以上、あんな好奇の視線に晒しておくつもりはない」


湊はホテルのエレベーターに遥を押し込むと、迷わず最上階のスイートルームのボタンを押した。


鏡張りの狭い空間。湊の横顔は、彫刻のように美しく、そして恐ろしいほど無機質だった。


「湊、怒ってるの……?」


問いかけに答えはなく、到着の電子音と共に扉が開く。湊は遥を連れ込み、部屋のドアが閉まった瞬間に、彼を壁へと叩きつけた。


「っ……」


「……遥。あいつにお前の肩を触らせて、何を話していた」


湊の低い声が、静かな部屋に低く響く。彼は遥のネクタイを乱暴に解き、床に放り捨てた。


「ただの昔話だよ。それに、湊がすぐに助けてくれたじゃないか」


「……助けたのではない。俺の所有物に触れる不届き者を、排除しただけだ」


湊は遥の両手首を頭上で片手で掴み、自由を奪った。至近距離で見つめるその瞳は、嫉妬という名の昏い焔でゆらゆらと燃えている。


「……お前が愛想よく笑うたび、俺がどれだけあいつらの指を折りたい衝動に駆られたか、わかっているのか」


「湊……」


「……お前の肌に触れていいのは、俺だけだ。お前の瞳に映っていいのも、俺だけでいい」


湊は遥のシャツの隙間から、その白い胸元を強く噛み締めた。


「あ……っ、痛いよ……湊……」


「……痕が消えないようにしてやる。お前が鏡を見るたびに、自分が誰のものか、骨の髄まで思い知るように」


湊の口づけは、愛撫というよりも掠奪に近かった。強引に唇を奪われ、舌を絡ませられるたびに、遥の頭は真っ白に染まっていく。


湊は遥のスーツを剥ぎ取るように脱がせ、ベッドへと押し倒した。


「……お仕置きだ。今夜は一睡もさせない。お前の体すべてに、俺の印を刻みつけてやる」


眼鏡を外し、本能を剥き出しにした氷の貴公子。


その腕の中で、遥は恐怖を感じながらも、自分をそこまで狂わせる湊の愛の重さに、抗えない悦びを感じていた。


「……いいよ、湊。僕を……全部、壊して」


遥の言葉が火に油を注ぎ、湊の理性を完全に焼き尽くした。


窓の外に広がる都会の夜景を背に、二人の熱い夜が、誰にも邪魔されることなく深く沈んでいく。
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