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影ノアside2
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祭りの前日、ロバート執事長にプルメリア様付きの侍女と、影全員が集められた。
「本来なら情報の流出を防ぐ為、結婚した女性に影が付いていくことはないが、プルメリア様は特別な方だ。旦那様より、結婚後も我が家から影を出すと話があった。侍女もしかり。希望者は、」
殆どが手を挙げる。
「最後まで聞け…。」
俺とネーロ、ライラも同様だ。
プルメリア様について行けないと思っていた。しかし、俺たちのことを宝だと言ってくれるあの御方を、生涯かけて守りたい。
どうするのが良いのか、あの日からずっと考えていた。
この機会を逃す事はできない。
「侍女に関しては、ライラが妥当だろう。ジューン、カルア、メイには家庭もあるしな。」
ジューンは執事長の奥さんだし、カルアもここの使用人と結婚している。メイは出入り業者と結婚し、現在は通いだ。
「はい。誠心誠意尽くします。」
良いな…。
「影に関しては、今の護衛二人はそのまま決まりだ。」
え?
では、何の為に希望者を募った?
「不思議そうだな。」
俺を見て執事長が言う。
「旦那様からお前達の意思を尊重せよと言われたのでな。希望しなかった場合も考えたんだよ。」
本当に、この家の方達は…。
「さて、新たに影がひとり追加となる。後は影長、任せた。決まったら、報告を。」
「はい。」
そう言うと、執事長と侍女たちはいなくなった。
「ま、力勝負だな。勝ったやつに決める。」
この仕事をしていると、他から待遇の良いオパール家へ流れてくるものもいる。その中でも呼び名をもらい、より大事に扱われるプルメリア様の影は、羨ましがられる。
皆、本気で挑む。
トーナメント制で順に戦っていき、女の影が勝利した。
「姉上…。」
その影は俺の姉のような存在。同じ孤児院の出だ。
「これで、私もプルメリア様のお側に要られるわ。旦那様の手紙を届けたときから、憧れていたの。」
「ん?何かあったのか?」
「労ってくれて、お茶までくれたのよ。」
「プルメリア様らしい…。」
ネーロも頷いている。
「では、そこの3人に決まった。報告に行くからついてこい。後は解散。」
その言葉で、サッとバラける。
実力社会。
勝った者に異を唱える事はしない。
トントントン
執事長の仕事部屋の扉を叩く。
「はい。どうぞ。」
中から声が聞こえ、扉を開く。
「追加の護衛が決定致しました。」
「女性ですか。…うん。ちょうど良かったかもしれません。侍女としても護衛をできますしね。礼儀作法は?」
執事長が姉上に聞く。
「一通りは叩き込まれております。」
「そうですか。なら大丈夫でしょう。旦那様へも報告に行きます。」
旦那様の反応も執事長と一緒だった。
「リアを選んでくれて、ありがとう。リアへは結婚前に話すから、よろしく頼んだよ。」
「「「はい!」」」
旦那様の部屋から出て、持ち場に戻る。
「プルメリア様についていくことが決まって、良かった。」
「そうだな。プルメリア様、驚くだろうな。」
「ああ。」
プルメリア様の驚く顔が目に浮かび、楽しみになる。
「私も頑張らなくちゃ!挨拶できる日が楽しみだわ。明日はふたりとも舞踏会へ行くの?」
「いや、俺達は休み。」
「祭りに行くなら、土産お願い!」
「りんご飴か?」
「そう!さすが弟、よく分かっている!」
俺とネーロは次の日、祭りにでかけた。
「プルメリア様にも土産を買っていくか?」
「プルメリア様が喜ぶ物?…何を買っていっても喜んでくれそうだな。」
「そうだな。」
俺とネーロは笑った。
その後、祭りを楽しみ、土産を持ってオパール家へ戻ると大変な事が起きていた。
「プルメリア様が怪我をされた。」
他の影の言葉に、俺とネーロは手に持っていた土産を落とした。
「「怪我の状態は!?」」
「足首を痛めたようだ。今はエメラルド家にいる。」
「…そうか。」
俺達は事件のあらましを聞き、俺は苛立ちを覚えた。
「様子を見に行く。」
「ノア、エメラルド家へ行くのか?それなら俺も行く。」
俺達がエメラルド家へ行くと、プルメリア様はもう寝ているようだった。
「怪我も大事で無いようだな。良かった。」
「そうだな。それにしても、すんなり入れたな。」
「ああ…。」
こんなに簡単なものなのか?
旦那様がそんな所へプルメリア様を嫁に出されるだろうか。
「おい。」
後ろから声をかけられる。
「「!」」
振り向くと、声の正体はエメラルド隊長だった。
「いくらリアの影でも、寝ている所へ忍び込むのはどうかと思うぞ。…心配で来たのか?」
「「…」」
俺達は何も答えなかった。
「リアが起きてしまう。こちらへ」
別室へ通される。
「俺がいながら、君たちの主人を危険に晒した。すまない。」
俺達は頭を下げるエメラルド隊長を見て、狼狽えた。そして、苛立ちもいつの間にか消えいた。
俺達にも頭を下げるとは、さすがプルメリア様が選んだ方という事か…。
「頭を上げて下さい。」
「困ります。」
「結婚してからどうなるか分からないが、君たちの様な者が、リアの近くにいて良かったと思う。」
結婚後もそばに侍ることが決まったのだが、ここで言う事ではないだろう。
「…ノアです。」
「?」
「プルメリア様から頂いた呼び名です。」
「お、私はネーロです。」
「そうか、よろしく頼む。ノア、ネーロ。」
「エメラルド隊長、」
「ジェイクでいいぞ。」
「…では、ジェイク様。この家の警備はどうなっているのでしょうか。」
「そうです。入り放題です。」
「手紙を届けに来たことがあるだろう。リアの関係者は通すように言ってある。ま、必要な時が来たら、警備体制は説明する。」
「分かりました。」
「差し出がましい事を申し訳ございません。」
「いや、リアの嫁ぎ先だ。気になるのは当たり前だな。」
俺達はその後、挨拶をして帰宅した。
次の日にはプルメリア様が戻ってきた。
プルメリア様は安静にしている事にすぐに飽き、ウズウズしていた。
可愛い人だ。
1週間後には怪我は治癒し、学園へ戻ることになった。しかし、無理は禁物だ。
それなのに、プルメリア様は子犬のような目で俺達を見る。
何も言れずとも分かってしまう。
手合わせか、走りに行くのか。
動きたいのだな…。
俺達は声を合わせて止める。結局、散歩に落ち着いた。
途中、ジェイク様からお誘いがあったようだ。
俺とネーロは邪魔になってはと、一旦離れる。
誘いを受けたプルメリア様の幸せそうな顔は、こちらの心まで温まる。
このまま、穏やかな日々が戻ってくると思った矢先…
囮?プルメリア様は、また事件に首を突っ込むのか?
プルメリア様らしいといえばらしいが…。
心配は尽きない。
俺はプルメリア様に託された手紙を持って旦那様の所へ行き、事の次第を話した。
「全くあの子は…。すぐに帰ってくるよう言ってくれ。」
「畏まりました。」
その後の話し合いで俺達は呼ばれた。
やっと、結婚後もお仕えできると知ってもらえた。姉上もメランという呼び名を貰い、嬉しそうだ。今後は一緒にプルメリア様を守る事になる。
黒幕を捕まえるための話し合いには、俺達も同席した。
話し合いを終え、俺達は学園へ先に向かい、プルメリア様を待つ。
ジェイク様が降りてくると、エスコートもせず歩き去る。その後ろから降りてきたプルメリア様は儚げに見えた。
俺はその主を見て必ず守ると、改めて誓った。
「本来なら情報の流出を防ぐ為、結婚した女性に影が付いていくことはないが、プルメリア様は特別な方だ。旦那様より、結婚後も我が家から影を出すと話があった。侍女もしかり。希望者は、」
殆どが手を挙げる。
「最後まで聞け…。」
俺とネーロ、ライラも同様だ。
プルメリア様について行けないと思っていた。しかし、俺たちのことを宝だと言ってくれるあの御方を、生涯かけて守りたい。
どうするのが良いのか、あの日からずっと考えていた。
この機会を逃す事はできない。
「侍女に関しては、ライラが妥当だろう。ジューン、カルア、メイには家庭もあるしな。」
ジューンは執事長の奥さんだし、カルアもここの使用人と結婚している。メイは出入り業者と結婚し、現在は通いだ。
「はい。誠心誠意尽くします。」
良いな…。
「影に関しては、今の護衛二人はそのまま決まりだ。」
え?
では、何の為に希望者を募った?
「不思議そうだな。」
俺を見て執事長が言う。
「旦那様からお前達の意思を尊重せよと言われたのでな。希望しなかった場合も考えたんだよ。」
本当に、この家の方達は…。
「さて、新たに影がひとり追加となる。後は影長、任せた。決まったら、報告を。」
「はい。」
そう言うと、執事長と侍女たちはいなくなった。
「ま、力勝負だな。勝ったやつに決める。」
この仕事をしていると、他から待遇の良いオパール家へ流れてくるものもいる。その中でも呼び名をもらい、より大事に扱われるプルメリア様の影は、羨ましがられる。
皆、本気で挑む。
トーナメント制で順に戦っていき、女の影が勝利した。
「姉上…。」
その影は俺の姉のような存在。同じ孤児院の出だ。
「これで、私もプルメリア様のお側に要られるわ。旦那様の手紙を届けたときから、憧れていたの。」
「ん?何かあったのか?」
「労ってくれて、お茶までくれたのよ。」
「プルメリア様らしい…。」
ネーロも頷いている。
「では、そこの3人に決まった。報告に行くからついてこい。後は解散。」
その言葉で、サッとバラける。
実力社会。
勝った者に異を唱える事はしない。
トントントン
執事長の仕事部屋の扉を叩く。
「はい。どうぞ。」
中から声が聞こえ、扉を開く。
「追加の護衛が決定致しました。」
「女性ですか。…うん。ちょうど良かったかもしれません。侍女としても護衛をできますしね。礼儀作法は?」
執事長が姉上に聞く。
「一通りは叩き込まれております。」
「そうですか。なら大丈夫でしょう。旦那様へも報告に行きます。」
旦那様の反応も執事長と一緒だった。
「リアを選んでくれて、ありがとう。リアへは結婚前に話すから、よろしく頼んだよ。」
「「「はい!」」」
旦那様の部屋から出て、持ち場に戻る。
「プルメリア様についていくことが決まって、良かった。」
「そうだな。プルメリア様、驚くだろうな。」
「ああ。」
プルメリア様の驚く顔が目に浮かび、楽しみになる。
「私も頑張らなくちゃ!挨拶できる日が楽しみだわ。明日はふたりとも舞踏会へ行くの?」
「いや、俺達は休み。」
「祭りに行くなら、土産お願い!」
「りんご飴か?」
「そう!さすが弟、よく分かっている!」
俺とネーロは次の日、祭りにでかけた。
「プルメリア様にも土産を買っていくか?」
「プルメリア様が喜ぶ物?…何を買っていっても喜んでくれそうだな。」
「そうだな。」
俺とネーロは笑った。
その後、祭りを楽しみ、土産を持ってオパール家へ戻ると大変な事が起きていた。
「プルメリア様が怪我をされた。」
他の影の言葉に、俺とネーロは手に持っていた土産を落とした。
「「怪我の状態は!?」」
「足首を痛めたようだ。今はエメラルド家にいる。」
「…そうか。」
俺達は事件のあらましを聞き、俺は苛立ちを覚えた。
「様子を見に行く。」
「ノア、エメラルド家へ行くのか?それなら俺も行く。」
俺達がエメラルド家へ行くと、プルメリア様はもう寝ているようだった。
「怪我も大事で無いようだな。良かった。」
「そうだな。それにしても、すんなり入れたな。」
「ああ…。」
こんなに簡単なものなのか?
旦那様がそんな所へプルメリア様を嫁に出されるだろうか。
「おい。」
後ろから声をかけられる。
「「!」」
振り向くと、声の正体はエメラルド隊長だった。
「いくらリアの影でも、寝ている所へ忍び込むのはどうかと思うぞ。…心配で来たのか?」
「「…」」
俺達は何も答えなかった。
「リアが起きてしまう。こちらへ」
別室へ通される。
「俺がいながら、君たちの主人を危険に晒した。すまない。」
俺達は頭を下げるエメラルド隊長を見て、狼狽えた。そして、苛立ちもいつの間にか消えいた。
俺達にも頭を下げるとは、さすがプルメリア様が選んだ方という事か…。
「頭を上げて下さい。」
「困ります。」
「結婚してからどうなるか分からないが、君たちの様な者が、リアの近くにいて良かったと思う。」
結婚後もそばに侍ることが決まったのだが、ここで言う事ではないだろう。
「…ノアです。」
「?」
「プルメリア様から頂いた呼び名です。」
「お、私はネーロです。」
「そうか、よろしく頼む。ノア、ネーロ。」
「エメラルド隊長、」
「ジェイクでいいぞ。」
「…では、ジェイク様。この家の警備はどうなっているのでしょうか。」
「そうです。入り放題です。」
「手紙を届けに来たことがあるだろう。リアの関係者は通すように言ってある。ま、必要な時が来たら、警備体制は説明する。」
「分かりました。」
「差し出がましい事を申し訳ございません。」
「いや、リアの嫁ぎ先だ。気になるのは当たり前だな。」
俺達はその後、挨拶をして帰宅した。
次の日にはプルメリア様が戻ってきた。
プルメリア様は安静にしている事にすぐに飽き、ウズウズしていた。
可愛い人だ。
1週間後には怪我は治癒し、学園へ戻ることになった。しかし、無理は禁物だ。
それなのに、プルメリア様は子犬のような目で俺達を見る。
何も言れずとも分かってしまう。
手合わせか、走りに行くのか。
動きたいのだな…。
俺達は声を合わせて止める。結局、散歩に落ち着いた。
途中、ジェイク様からお誘いがあったようだ。
俺とネーロは邪魔になってはと、一旦離れる。
誘いを受けたプルメリア様の幸せそうな顔は、こちらの心まで温まる。
このまま、穏やかな日々が戻ってくると思った矢先…
囮?プルメリア様は、また事件に首を突っ込むのか?
プルメリア様らしいといえばらしいが…。
心配は尽きない。
俺はプルメリア様に託された手紙を持って旦那様の所へ行き、事の次第を話した。
「全くあの子は…。すぐに帰ってくるよう言ってくれ。」
「畏まりました。」
その後の話し合いで俺達は呼ばれた。
やっと、結婚後もお仕えできると知ってもらえた。姉上もメランという呼び名を貰い、嬉しそうだ。今後は一緒にプルメリア様を守る事になる。
黒幕を捕まえるための話し合いには、俺達も同席した。
話し合いを終え、俺達は学園へ先に向かい、プルメリア様を待つ。
ジェイク様が降りてくると、エスコートもせず歩き去る。その後ろから降りてきたプルメリア様は儚げに見えた。
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