異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい

千晶もーこ

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75 作戦決行

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今日は作戦決行の日
私はライラと、馬車に乗った。

「上手く行くでしょうか?」
「どうかしらね。この機会を逃さないか、用心深く泳がすか、分からないけれど…。とりあえず、買い物を楽しみましょう。ライラも欲しい物を考えておいてね。」
「私ですか?」
「そうよ。3人にもお土産を買わなくてはね。」

街に着き、馬車から降りる。

「それでは、時間になりましたら、迎えに参ります。」
「よろしくお願いしますね。」

馬車は走り去った。

「さてと、端からぐるっと見ましょうか。」
「畏まりました。」
「ふんふんふんふん~♪」

鼻歌を歌いながら、歩く。

「あ、お茶のブレンドですって。この間来たときは無かったわ。行ってみましょう。」
「はい。」

私達はいくつかお店を周っていると、同じ人が一定の距離を開けて、ずっとついて来る事に気づく。

「お土産は買えたわ。…ライラ、しっかり持ち帰っておいてね。」
「畏まりました。」

そして、私達はメイン通りから外れた。
少し歩くと、足音が増える。

「増えたわね。」
「プルメリア様…。」

私達は黒尽くめに囲まれた。

「この間の方達のお仲間さんかしら?」

答えは無い。
黒尽くめは4人。

「一緒に来てもらおう。」

ひとりが口を開いた。

いきなり襲っては来ないのね…。

「なぜ?」
「…」
「理由くらい教えてもらっても良いのではない?」
「…」

襲っても来ないし、話もしない。

うーん…。

「いいわ。行きましょう。」
「「「「!」」」」
「プルメリア様!?」

黒尽くめだけでなく、ライラも驚いている。

応戦して、わざと捕まる作戦だったけれど変更ね。

「ゴホン。…それでは、ふたりとも付いてきてください。」
「それは駄目よ。ライラは帰して。」
「それはできません。」
「私のわがままに巻き込めないわ。」
「たかが侍女だろ?」
「されど侍女よ。ネーロ!」
「はい!」

今までのやり取りを見ていたからか、手は出さず私の近くに現れる。

「護衛…。居たのか?」

えーと…、この黒尽くめ達は大丈夫かしら?女性ふたりの買い物、しかも侯爵令嬢。護衛がいないはず、なくない?

「居るのに、なぜ攻撃してこない?」

黒尽くめのひとりが不思議そうにネーロに聞く。

ネーロがこちらをみて、話す許可を求めている。

相手は、話を聞く気があるようだし、大丈夫だろう。

私は頷く。

「主が囲まれただけで、手を出していては怒られる。」
「いや、普通は怒られないだろう?」
「…」
「マジか…?」

黒尽くめ達は、驚いている。
話している相手だけではない。
他の3人もただ黙っている。

悪い気配もしないのだが、どういう事だろう?

「貴方達は、舞踏会の時の黒尽くめ達と仲間ではないの?」

改めて聞いてみるが、答えはない。

「来てもらおう。」
「先程も言ったけれど、私は良いわよ。ライラは駄目。」
「助けを呼ぶだろう?」
「あら、助けを呼ばれて、すぐに捕まるような方達なの?」

黒尽くめ達は、顔を見合わせる。

この人達、全然悪い感じがしないんだけど…。

「はぁ…。何なんだ、あんたは…。」
「知らないの?オパール家の、」
「そういう事ではない。」

名乗ろうとしたら、遮られた…。

「指示されたのは、ご令嬢だけだ。行くぞ。」
「ライラは良いのね?」
「それは誰だ。俺達には一人の令嬢しか見えない。」
「都合の良い目ね。」
「…」

ライラとネーロは動かない。
私は黒尽くめ達に囲まれ、一緒に歩く。

これ、目立つよね?

と思っていると、人気のない裏道で馬車に乗せられ、黒尽くめ二人も一緒に乗り込む。残りの二人は御者席だ。

馬鹿なの?
それとも、わざと?

その馬車には、見覚えのある家紋が付けられていた。


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