異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい

千晶もーこ

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86 結婚式のドレス

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今日は、結婚式のドレスの相談をする日。
朝、ジェイクが迎えに来てくれた。
ライラ達が頭を下げて見送ってくれる。
馬車に乗ると、ジェイクは、自身の膝を叩く。

「リア、こちらへ」

私は、言われるがままに座った。膝に座ることに慣れてきている自分がいる。

「わざわざ迎えに来て頂いて、ありがとうございます。」
「今日も美しいな。」
「ありがとうございます。ジェイクも格好良いですね。」
「そう言うのは、リアだけだ。」
「皆、思っていても言わないだけですよ。」
「そうだろうか。」
「そうです。」

ジェイクは下ろしている私の髪や、頭を優しく触る。
日差しも窓から入り、ポカポカしている事もあって、眠くなってくる。

「リア。あと少しだが、眠かったら寝てもいいぞ。」
「でも…」
「着いたら起こす。」
「…はい。す、みま、せん。」

私はそのまま寝てしまった。

「…ア、リア。着いたぞ。」
「はい。おはようございます。」
「ああ、おはよう。」

ジェイクがニッコリ笑う。

寝起きにジェイク。
幸せ過ぎる…。

よだれは…、うん大丈夫そう。

馬車から降りると、玄関でリカーナお母様に出迎えられた。

「プルメリア、いらっしゃい。」
「リカーナお母様。この間はありがとうございました。」
「良いのよ。今日はゆっくりして行きなさいね。と言っても、ドレスの試着もあるだろうから、そうはいかないかもしれないけれど…。」
「試着ですか?」
「形の見本みたいな物をいくつか持ってきてくれると思うの。それを着て、自分に合うスタイルを決めるのよ。」
「なるほど。そういうシステムなのですね。」
「ドレスはふたりで決めていいからね。特に伝統とか無いから、好きな物で大丈夫よ。」
「分かりました。」
「リア、こっちだ。」

ジェイクが手を差し出してくれたので、その手を取る。

「楽しんで。」

リカーナお母様は、手を振っている。
私はリカーナお母様へ軽く頭を下げてから、ジェイクと歩き出す。

「この部屋だ。」

ジェイクがドアを開けると、部屋の中が見えた。部屋には、たくさんのドレスが置かれており、隅には試着スペースも作られている。そして、仕立て屋らしき女性が頭を下げている。


「我が家が世話になっている仕立て屋だ。」
「プルメリア·オパールです。今日はよろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願い致します。」

私達はソファに座る。
仕立て屋の女性は、床に立ち膝で話を始める。

「まず、どんなドレスにしたいか希望はございますか?」
「白いドレスにしてくれ。」
「白でございますか?」
「他国で白は、花嫁の純真や純潔を表し、『相手の家風に染まります』という意味があるらしい。」
「そんな意味があるのですね。分かりました。白をベースにしましょう。その他に希望はございますか?」
「グレーで刺繍を入れて頂ける?」
「ジェイク様の瞳の色ですね。畏まりました。華やかさを考えて、宝石も散りばめましょう。ジェイク様の服も合わせて、白に致します。そして、プルメリア様の瞳の青を差し色に入れます。うんうん!いい!それでは、ドレスの形を決めましょうか。こちらへどうぞ。」

私は、試着スペースへ移動する。
ジェイクは変わらず、ソファに座ったままだ。
私は小さな声で女性に話しかける。

「ねぇ、1つ言っておきたいことがあるのだけれど…。」
「何でございましょうか。」

女性が身構えたのが分かる。

「身構える様なことではないのです。実は、」

私はジェイクへのサプライズプレゼントのことを話した。デザインを決めるに当たり、ブローチの事を言っておいたほうがいいと思ったのだ。

「分かりました。教えて頂いて良かったです。それを念頭に入れて、デザイン致します。」
「ありがとう。よろしくお願いします。」
「ジェイク様は素晴らしい方をお嫁さんに貰えますね。」
「そうでしょうか。」
「そうですよ。」

小声で話しながら着付けをして貰う。

「1パターン目は、裾がふんわり膨らんだものです。」

完成すると、試着スペースから出て、鏡の前で全身を見る。

「どうでしょうか?」
「「もうちょと、シンプルな形が…」」

私と、ジェイクの声が重なる。

「ッ。…それなら、こちらを着てみましょう。」

笑いをこらえているのが分かる。
すぐに、2パターン目に着替える。

「えーと、これはちょっと、恥ずかしいです…。」

試着スペースから出ると、ジェイクの目が見開かれる。

「これは駄目だ!」
「そうですか?スタイルが良いので、綺麗だと思いますよ。」

私が着ているのは、所謂マーメイドラインと言われるものだ。

「綺麗だが、身体の線が出すぎる!」

次のパターン

「これが一番しっくりきます。」

腰から裾に向かって徐々に広がっていくドレス。

「これだな。」
「ではこちらに致しましょう。デザインをおこします。」

形が決まり着替えてから、デザインを詰めていく。

「この形で…パニエは軽い物に…動きを出して…、胸元と腕周りはレースにしましょう。」
「ええ。」
「刺繍は此処と、此処にこうして…宝石はこう。腰には青いリボンをつけます。…如何でしょうか?」
「凄い綺麗!」
「ああ、きっと似合う。」

書かれたデザインは1枚目で気に入り、思ったよりも早く決まった。

ジェイクの服もドレスに合わせて、ペアだと分かるようなデザインになった。
最後に採寸をして終わった。



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