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15 女子と無縁に生きてきた非モテ男子『貴也』。ひょんなことから年下女子と交流することになる。
2人を繋ぐ夢 【後日談】
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テレビ画面に映画のエンドロールが流れ始める。
「貴也さん…彼女は作らなかったんですか?」
萌奈から急にそう言われて、貴也は驚いて横を向いた。
すると隣に座る萌奈と目が合う。
こういう時の萌奈はいつもからかうように笑う。
けれど、今の萌奈の表情は真剣そのものだった。
「…うん、そうだよ」
そう答えると萌奈はほっとしたような、けれど少しだけ泣きそうな顔をした。
「そっか…よかった」
その声は小さく、映画のBGMにかき消された。
でも貴也には、唇の動きで何を言ったのか分かった。
貴也は胸の奥がじんわりと熱くなった。
萌奈が自分のことを「好き」と言ってくれているようで、泣きたくなるほど嬉しかった。
思えば自分は萌奈に「好きだ」と告げたことがなかった。
萌奈からも、そう告げられたことはない。
けれども、わざわざ言葉にしなくても、互いに「大切な人」だと分かっていた。
だから敢えて言葉にしなかった。
だが、それは萌奈を不安にさせていたのかもしれない。
「萌奈の方こそ…彼氏は作らなかったの?」
思わず、萌奈と同じ言葉を返していた。
驚いて目を丸くした萌奈が、やがて静かに頷く。
「はい」
その一言を聞いた瞬間、貴也は嬉しいのに、涙が込み上げてきた。
「そうか。……よかった」
貴也の言葉に萌奈は耐えきれず泣き顔になった。
「私も…貴也さんが誰とも付き合わなくて…よかったって思いました」
「……うん。俺も同じ気持ちだった」
貴也は泣きじゃくる萌奈をそっと引き寄せた。
「萌奈、好きだ」
抱きしめたまま、貴也はようやくその言葉を伝える。
「ごめん…なかなか言えなくって」
すると萌奈は首を小さく横に振り、顔を上げて言った。
「私も、貴也さんが好きです」
泣きながらも、萌奈がはにかんだ笑みを見せる。
映画のエンドロールが終わり、部屋の明かりが落ちた。
自然と、二人の唇は重なった。
Fin
「貴也さん…彼女は作らなかったんですか?」
萌奈から急にそう言われて、貴也は驚いて横を向いた。
すると隣に座る萌奈と目が合う。
こういう時の萌奈はいつもからかうように笑う。
けれど、今の萌奈の表情は真剣そのものだった。
「…うん、そうだよ」
そう答えると萌奈はほっとしたような、けれど少しだけ泣きそうな顔をした。
「そっか…よかった」
その声は小さく、映画のBGMにかき消された。
でも貴也には、唇の動きで何を言ったのか分かった。
貴也は胸の奥がじんわりと熱くなった。
萌奈が自分のことを「好き」と言ってくれているようで、泣きたくなるほど嬉しかった。
思えば自分は萌奈に「好きだ」と告げたことがなかった。
萌奈からも、そう告げられたことはない。
けれども、わざわざ言葉にしなくても、互いに「大切な人」だと分かっていた。
だから敢えて言葉にしなかった。
だが、それは萌奈を不安にさせていたのかもしれない。
「萌奈の方こそ…彼氏は作らなかったの?」
思わず、萌奈と同じ言葉を返していた。
驚いて目を丸くした萌奈が、やがて静かに頷く。
「はい」
その一言を聞いた瞬間、貴也は嬉しいのに、涙が込み上げてきた。
「そうか。……よかった」
貴也の言葉に萌奈は耐えきれず泣き顔になった。
「私も…貴也さんが誰とも付き合わなくて…よかったって思いました」
「……うん。俺も同じ気持ちだった」
貴也は泣きじゃくる萌奈をそっと引き寄せた。
「萌奈、好きだ」
抱きしめたまま、貴也はようやくその言葉を伝える。
「ごめん…なかなか言えなくって」
すると萌奈は首を小さく横に振り、顔を上げて言った。
「私も、貴也さんが好きです」
泣きながらも、萌奈がはにかんだ笑みを見せる。
映画のエンドロールが終わり、部屋の明かりが落ちた。
自然と、二人の唇は重なった。
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