【完結】私のことが大好きな婚約者さま

咲雪

文字の大きさ
9 / 28
sideアレンディオ

9.直談判

しおりを挟む
 侯爵に先触れ出して3日後に時間を取ってもらった。


ーー侯爵家タウンハウスーー


 「ようこそ、アレンディオ殿下」
 
 「やあ、侯爵。時間取ってもらってすまない。ところで、リアーナ嬢は?」

 「リアーナは昨日領地に戻りました」


 ぐぬぬ、あくまでもリリと接触させたくないらしい。


 「こほん。さて、侯爵。先日の婚約の打診を断ったそうだが。この前の茶会でリアーナ嬢と少し話したんだが、しっかりしていて王子妃は十分務まると思うんだが」

 「王太子妃だろうと第二王子妃だろうと王族になるということは、貴族以上に責任を負わなければなりません。リアーナにはのびのびとしていて欲しいのです」

 「臣籍降下すればいいのか?なんなら、リアーナ嬢が望むのなら、平民になることも吝かでない」

 「殿下、簡単にそのようなこと言うものではありませんよ!だいたいリアーナに苦労すると分かりきったことをさせられませんよ!」

 「だったらどうしたらいいのだ」

 「そもそもなぜ、リアーナなんですか?一度会っただけでしょう?他にも令嬢はいたでしょう?」

 「一目惚れだ。だがそれだけではない。話していてとても心地よかった。こんな感情は初めてだ」

 「ほかの令嬢と違うから、物珍しいだけではないのですか?」

 「そんなことはない!どうしたら認めてくれるのだ!」

 「‥‥。はあ、そうですね。リアーナが10歳になるまで待てますか?その時リアーナの考えを尊重します。‥‥それに、殿下がそれまでにリアーナに飽きるかもしれませんし」

 「飽きることなんてあるわけない!わかったそれでいい!僕も、リアーナ嬢に見惚れらるように頑張る!それでいいな!」

 「‥‥いいでしょう。殿下の健闘祈ります」

 「後から、言ってないとかなしだぞ!約束だからな!破ったら針千本だからな!」

 「それでは、簡易的ではありますが、誓約書を作成しますからお互いにサインしましょう。しばしお待ちください」


 渋々ではあったが、侯爵から言質とったぞ!


 
 誓約書を持って父上と母上のところに行った。父上と母上は苦笑いした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 やらかしてしまった!

 舞い上がりすぎて、内容確認もせずに誓約書にサインしてしまった!

 一度城に持ち帰って両親等に見せて、納得若しくは妥協できるかを考えないといけなかったのだ!

 なぜなら、僕は自分のサインはできるが、まだ難しい言葉は意味がわからなかったのだ!

 条件は概ね妥協できたのだが、ニ項目訳がわからない!

 "好きだ、愛してるは口でも手紙でも伝えてはならない"

 "リアーナが10歳になるまでは、求婚してはいけない"

 なんだそれは!

 侯爵曰く、『リアーナが絆されてはいけないから』らしい。態度で示せ、と。

 とことん邪魔をしたいらしい。

 母上に言ったら

 『もうサインしてしまいましたからね。絶対守れないというものではないのだから、頑張ってね』

 と。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【ムスカ侯爵視点】


 我が家の末娘リアーナ。まるで天使のようなリア。嫁がせるつもりなんてさらさらない。それが!厄介な者に目をつけられてしまった!しかも王族なんて。天真爛漫さを殺すようなものだ。

 しかし、あれはなんだ?本当に5歳児か?!誓約書まで書く羽目になった。

 以前一度だけ拝見したことがあるが、あんな方だっただろうか?不敬だが、何事にも無気力というか気怠そうにしているように見えたのだが。

 タイムリミットまで4年余りある。それまでに殿下が飽きるように祈るしかない。


 はぁ‥‥。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様

オケラ
恋愛
15歳のユアは上流貴族のお嬢様。自然とたわむれるのが大好きな女の子で、毎日山で植物を愛でている。しかし、こうして自由に過ごせるのもあと半年だけ。16歳になると正式に結婚することが決まっている。彼女には生まれた時から婚約者がいるが、まだ一度も会ったことがない。名前も知らないのは幼き日の彼女のわがままが原因で……。半年後に結婚を控える中、彼女は山の中でとある殿方と出会い……。

【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから

よどら文鳥
恋愛
 私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。  五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。  私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。  だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。 「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」  この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。  あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。  婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。  両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。  だが、それでも私の心の中には……。 ※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。 ※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。

嘘つきな婚約者を愛する方法

キムラましゅろう
恋愛
わたしの婚約者は嘘つきです。 本当はわたしの事を愛していないのに愛していると囁きます。 でもわたしは平気。だってそんな彼を愛する方法を知っているから。 それはね、わたしが彼の分まで愛して愛して愛しまくる事!! だって昔から大好きなんだもん! 諦めていた初恋をなんとか叶えようとするヒロインが奮闘する物語です。 いつもながらの完全ご都合主義。 ノーリアリティノークオリティなお話です。 誤字脱字も大変多く、ご自身の脳内で「多分こうだろう」と変換して頂きながら読む事になると神のお告げが出ている作品です。 菩薩の如く広いお心でお読みくださいませ。 作者はモトサヤハピエン至上主義者です。 何がなんでもモトサヤハピエンに持って行く作風となります。 あ、合わないなと思われた方は回れ右をお勧めいたします。 ※性別に関わるセンシティブな内容があります。地雷の方は全力で回れ右をお願い申し上げます。 小説家になろうさんでも投稿します。

春告竜と二度目の私

こもろう
恋愛
私はどうなってもいい。だからこの子は助けて―― そう叫びながらも処刑された王太子の元婚約者カサンドル。 目が覚めたら、時が巻き戻っていた。 2021.1.23番外編追加しました。

あの、初夜の延期はできますか?

木嶋うめ香
恋愛
「申し訳ないが、延期をお願いできないだろうか。その、いつまでとは今はいえないのだが」 私シュテフイーナ・バウワーは今日ギュスターヴ・エリンケスと結婚し、シュテフイーナ・エリンケスになった。 結婚祝の宴を終え、侍女とメイド達に準備された私は、ベッドの端に座り緊張しつつ夫のギュスターヴが来るのを待っていた。 けれど、夜も更け体が冷え切っても夫は寝室には姿を見せず、明け方朝告げ鶏が鳴く頃に漸く現れたと思ったら、私の前に跪き、彼は泣きそうな顔でそう言ったのだ。 「私と夫婦になるつもりが無いから永久に延期するということですか? それとも何か理由があり延期するだけでしょうか?」  なぜこの人私に求婚したのだろう。  困惑と悲しみを隠し尋ねる。  婚約期間は三ヶ月と短かったが、それでも頻繁に会っていたし、会えない時は手紙や花束が送られてきた。  関係は良好だと感じていたのは、私だけだったのだろうか。 ボツネタ供養の短編です。 十話程度で終わります。

彼はヒロインを選んだ——けれど最後に“愛した”のは私だった

みゅー
恋愛
前世の記憶を思い出した瞬間、悟った。 この世界では、彼は“ヒロイン”を選ぶ――わたくしではない。 けれど、運命になんて屈しない。 “選ばれなかった令嬢”として終わるくらいなら、強く生きてみせる。 ……そう決めたのに。 彼が初めて追いかけてきた——「行かないでくれ!」 涙で結ばれる、運命を越えた恋の物語。

これは王命です〜最期の願いなのです……抱いてください〜

涙乃(るの)
恋愛
これは王命です……抱いてください 「アベル様……これは王命です。触れるのも嫌かもしれませんが、最後の願いなのです……私を、抱いてください」 呪いの力を宿した瞳を持って生まれたサラは、王家管轄の施設で閉じ込められるように暮らしていた。 その瞳を見たものは、命を落とす。サラの乳母も母も、命を落としていた。 希望のもてない人生を送っていたサラに、唯一普通に接してくれる騎士アベル。 アベルに恋したサラは、死ぬ前の最期の願いとして、アベルと一夜を共にしたいと陛下に願いでる。 自分勝手な願いに罪悪感を抱くサラ。 そんなサラのことを複雑な心境で見つめるアベル。 アベルはサラの願いを聞き届けるが、サラには死刑宣告が…… 切ない→ハッピーエンドです ※大人版はムーンライトノベルズ様にも投稿しています 後日談追加しました

鈍感令嬢は分からない

yukiya
恋愛
 彼が好きな人と結婚したいようだから、私から別れを切り出したのに…どうしてこうなったんだっけ?

処理中です...