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4章 まさかの目覚め!?
51.心境の変化に戸惑う
しおりを挟むそれから俺は尚輝くんの新しい友達とやらの話を聞いていた。尚輝くんはとても嬉しそうに話すから聞いていて俺まで楽しくなった。
新しい友達は同じ大学のタメで、自分とは違うタイプの子らしい。賑やかな子で、通りすがる誰とでも話すようなちょっとうるさい男だって。
「そっか~、尚輝くんは良い子だからすぐに好かれるだろうな~」
「いえ、その子がとても良い子なんです。明るくていつも笑っていて、とても元気がもらえます♪俺はずっと自分の性格やゲイって言う事で、友達を作るのが苦手でしたが、その子のおかげで自信が付きました♪」
「いいじゃんいいじゃん♪」
「あ、その子大我くんって言うんですけどね、実は大我くんとは恋バナも良くしていて、伊吹さんに恋してる事も話したんです。もちろん名前とか詳しい事は伏せてですが、そしたら大我くんも恋をしているようで、そこでも気が合ってお互いの話しを良くしてるんですよ~」
「恋バナか~!若いって感じがして羨ましいわ。大我くんって言うんだ~、へー……ん?」
楽しそうに話してるからスルーしそうになったけど、今大我って言った?
まさか俺の知ってる大我じゃないよな?いつもタイガーって呼んでるけど、あいつの本名って大我だったよな?そんで20歳の大学生……
ま、まさかな!
「伊吹さんどうしました?」
「いや、強そうな名前だな~って!」
「そうですね、かっこいいですよね。あ、そう言えば好きな人にはタイガーって呼ばれてるって言ってました」
「それタイガーじゃん!!」
「え?」
ハッ!!
思わず突っ込んじゃったけど、尚輝くんの新しい友達ってブルータイガーじゃね!?
え、二人って同じ大学だったのか!?
しかも二人して恋バナしてるとか……
俺の話してるって事かぁ!?
俺の意味深な言葉に尚輝くんは何の事?と言った顔をしていた。
どうしよう、タイガーの事知ってるって言ったらヤバいよな?俺の客だって知ったら、せっかく出来た友達にこんなにも喜んでるのに、仲悪くなって喧嘩でもしたら俺のせいじゃん!
でもさ、尚輝くんに知らないフリするのも何か悪い気がするんだよなぁ。
こんなに純粋で良い子を騙すなんてさ。
ヤベェよヤベェ!
どーしたらいいのコレ!
「伊吹さん?大我くんの事知ってるんですか?」
「えっと……」
あーやっぱりしらばっくれるか!
そんでバレた時は分からなかったみたいに言えばいいか!
うん、尚輝くんなら許してくれるだろ!
だって尚輝くんは良い子だもん。
てかさ、俺ってば何でこんなに悩んでんの?
尚輝くんはただの客じゃん?
他の客と変わらない、金払ってくれてる客だろ。
なのになんでこんな真剣に悩んでんだよ。
いつもなら嘘なんて平気でつけるじゃん。
「尚輝くん……俺……」
「どうしました?何でも言って下さい」
言葉を詰まらせる俺を心配そうに見て言う尚輝くんに、俺の胸は更に締め付けられるような思いになった。
な、何だよこれ?
俺どうしちまったんだぁ?
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