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1章
※ 美味しい〜♡
しおりを挟む※紘夢side
俺と茜ちゃんはハッピーランドの一番人気アトラクションらしいジェットコースターの順番待ちの列を見て棒立ちしていた。待ち時間120分って本当なの?2時間も並んで待つのとか暇過ぎない?てか今11時だから終わる頃には午後になっちゃうよ?
「茜ちゃん、2時間待ちだって」
「そうらしいな。並ばないのか?」
「えっ!2時間だよ?そんなに待つの嫌じゃない!?」
「人気アトラクションは大体そんなもんだろ。嫌なら辞めて秋山達と合流するか?」
えー!遊園地ってこれが普通なの?既に列に並んで待ってる人達は仲間同士でお喋りしたり写真撮ったりしててみんな楽しそうだけど、あのアトラクションにそんな価値があるって言うの?
確かにジェットコースターが動いてる所を見たけど、乗っている人達がわーわーきゃーきゃー言っててとても楽しそうだなと思ったよ。
でもさ、貴ちゃんとかみたいに苦手な人もいるんだろ?2時間も並んで俺も楽しめなかったらって思うと……うーん。
「茜ちゃんはジェットコースター乗りたい?」
「俺はこういうの好きだから乗りたいぞ♪でも乗ったのは家族と行った遊園地で小学校低学年の頃だったからな。俺も今乗ったら秋山みたいにダメになってるかもな」
パァッと笑顔で答える茜ちゃんは猫の被り物効果で可愛さ倍増だった。
そんな可愛い笑顔で、可愛い事言われたら並ぶしかないでしょう!
「乗ろう!並ぼう!せっかく来たんだもん、一番人気を堪能しないで帰る訳にはいかないもんね♪」
「ああ♪楽しもう♪」
「その前にさ~、あそことかあっちとかで並んでる人が食べてるのって何ー?ここは飲食オーケーなの?」
並んでる人達を見てずっと気になってたんだ。所々で何かを食べている人がいるのを。そして園内に入った時から甘い匂いがしていたけど、ここはもっといろいろな匂いがしてとても美味しそうに感じた。
「ポップコーンや持ち運び出来る軽食だろうな。乗り物に乗るまでなら飲食は大丈夫だろうから、長時間並ぶのを見越して用意しているんだろうな」
「俺も食べたーい♪俺達も用意してから並ぼう♪」
「そうしよう♪」
ハッピーランドの案内人の空くんがいないから、スマホでハッピーランドの園内図を出してどこで売ってるのか見てみる。すると店ではなく、通路とかにある屋台になって売ってるみたいだった。
「あ、あったー!ポップコーンだぁ♪」
「カレー味だって。美味しそうだな」
「一個はポップコーンにして、もう一個甘いの買おう♪」
ポップコーンは前にみんなと映画を観に行った時に食べた事がある程度で、その時は吉乃と一緒に食べたから塩味だった。カレー味は初めてだから楽しみだった。ポップコーンを受け取って手に持ってると、とても良い匂いがしたから我慢出来ずにパクッと一口食べちゃった。
「美味しい~♡ねぇ茜ちゃん食べてみて♡」
「えっ」
想像以上に美味しかったから、茜ちゃんにも味わって貰いたくて、俺がひとつまみ取ってあーんと口に運ぶと、驚いた顔をしていた。
「ちゃんとカレーの味するよ~♪」
「えっと……一条、さすがにそれは……自分で食べる……」
俺が差し出すポップコーンを自分の手で受け取ってパクッと口に入れてた。
あれれ?もしかして照れてる?
「茜ちゃんってば赤くなっちゃって~♪こうなったら何が何でも食べさせたいなぁ♪」
「い、意地悪しないでくれっ、俺は友達とこういう事をする免疫がないんだっ」
「そんなの俺も同じだよ~?俺も遊園地へ遊びに行ける友達なんていなかったし、こうやって一つの物を一緒に食べるなんてした事なかったよ。だから今とても楽しいの♪茜ちゃんや貴ちゃんが一緒に遊んでくれるから、今まで出来なかった楽しい事いっぱいやるの♪茜ちゃんも俺と一緒に楽しもう?」
「一条……ああ、そうだな。まだ不慣れだけど、楽しいのは確かだ。もう一度食べさせてくれるか?」
「もう一度と言わず何度でも~♪」
照れる茜ちゃんに再びポップコーンを口に運んであげる。すると今度は恥ずかしそうだったけど、ちゃんとあーんして食べてくれた。
うわぁ♡なんかこれって……
「恋人同士がやるやつみたいだね~♡」
「や、やっぱり友達同士でやるのはおかしいと思ったんだ!躊躇した俺は悪くないな!」
「まぁ仲良しだからいいじゃん?さて甘いのも買って早く並ぼうか」
俺と茜ちゃんはその後も待ち時間の間、少しずつ進む列に並びながらたわいない会話で盛り上がった。
そうしてると待ち時間の2時間もあっという間で、こういう楽しみ方もあるのかと思った。
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