【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ6th season

pino

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4章

戸塚、お前寂しかったのか?

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 今日の授業は冬休みまで残り少ないから自習が多かった。今の授業も自習になってて、担当教師が出てったのを良い事にみんな好きにやっていた。
 俺も好きにやっている所だが、今回ばかりは勉強をするつもりだった。と言うのも、今日は月曜日だからごんちゃんの授業があったんだけど、その時に冬休みの宿題を出されたんだ。二学期のおさらいって言ってたけど、俺には全く分からないもので、家に持って帰ってもやらないでそのまま冬休みが終わりそうだったから頭の良い奴に教わって今終わらせちまおうとしていた。
 俺は隣の席の数馬を見て何をしてるかチェックする。普通にスマホいじってるな。


「おい数馬」

「何?貴哉」


 俺が声を掛けると嬉しそうに返事をした。
 よし、忙しそうじゃねぇな。
 俺はごんちゃんに貰ったプリントを見せて全部答えを聞こうとした。


「これ、俺の冬休みの宿題。一緒にやってくんね?」

「いいけど、宿題なんてあったっけ?」

「俺だけだ。これやらないとごんちゃんに怒られるんだ」

「ごんちゃん?」

「教頭だよ。ほら、俺月曜の朝は教頭から特別授業やらされてんだろ?その宿題」

「ああ、ちょっと見せて?」


 俺の宿題を理解したようで、プリントを一枚取って見始める。常にテストでトップにいる数馬なら余裕で出来るだろ。


「答え教えてくれれば俺が書くからよ」

「答えを教える?どうやって解くかを教えるんじゃなくて?」

「そんな事してたら時間掛かるじゃん。お前が解いた方が早いだろ」

「……えっと、それって貴哉の為になるのか?」

「なる!これやらなきゃ進級させて貰えないかもしれないだろ!」

「そ、それは俺も嫌だけど!」


 何だよ、数馬の奴乗り気じゃねぇな。
 真面目振りやがって。さっさと教えちまえばいいものを。
 俺が数馬を説得してると、後ろの席にいた直登が入って来た。
 チッ、こいつに見つかる前に何とかしたかったのに。


「貴哉ってば数馬くんをいじめないで!」

「いじめてねぇよ!教えろって言ってただけだ!」

「た、貴哉はを教えろって言ったじゃないか!」

「一緒だろうが!」

「全然違うだろ!」

「ストーップ!数馬くんは貴哉には自分で解いて欲しいんだね?」


 直登が確認で聞くと、数馬はコクンコクンと頷いた。自分で解けねぇから頼ろうとしたのに!これじゃ意味ねぇじゃん!


「もういい!他当たるし!頭良い癖に数馬のケチ!」

「!!」

「コラー!数馬くんの事悪く言うな!」

「あ、あの、やっぱり俺がプリントやるよっ!だから嫌いにならないでっ!」

「数馬くんも貴哉に嫌われたくないからって甘やかすな!」


 直登の奴いちいちうるせぇなぁ。
 数馬も泣きそうになってっから俺は逃げるようにプリントを持って戸塚の席へ向かう。
 本を読んでた戸塚は隣に立つ俺を無表情のまま見上げて来た。


「よう戸塚~」

「何の用だ?」

「ちーっと勉強教えてくれね?」

「秋山が勉強だと?」


 戸塚は眉間に皺を寄せて睨んで来た。
 怖っ!何で俺が勉強したら怒るんだよ!

 ダークホースだった数馬を押さえて学年一位の成績を誇る戸塚春樹は、今回から生徒会入りし、会計?とか言う役職に就いたらしい。
 そんな優等生さんがクラスにいるんだからここはお世話になりましょって事で声掛けたんだけど、機嫌悪いのかすげぇ嫌な顔されたよ。

 あ、最近相手してやってねぇから拗ねてるのかぁ?


「戸塚、お前寂しかったのか?」

「は?」

「俺が他の奴らにちやほやされてっからやきもち妬いてんだろ?お前ってツンデレだからな~。安心しろ。お前は俺の心の友だ♪」

「お前、頭の具合がますます酷くなってないか?」

「これさ、教頭に出された俺だけの宿題なんだけど、一緒にやってくんね?」

「教頭先生の?少し見せてみろ」


 教頭の名前を出すと戸塚は気になったのか俺が持っていたプリントを手に取って見始めた。
 このまま全部やってくれればいいのに。
 俺はそんな期待を込めて戸塚を見つめていた。

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