【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ6th season

pino

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7章

なぁ的羽、茶のお代わりくれや

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 的羽の内定の話もだけど、紘夢が父ちゃんと話し合ったってのにも驚いたもんだ。
 知らない間にすげぇ話進んでんじゃん。


「なぁ、紘夢は父ちゃんと仲直りして、家には戻らねぇのか?」

「うん。ここに住むつもり~。父さんには帰って来て欲しいって言われたけど、ここが居心地良くなっちゃった♪月に二回一緒に食事する約束をしてここに住み続けるのを許してもらったよ」

「って言ってますけど、坊ちゃんが階段から落ちてから旦那様ずっとここに通ってますからね。大分坊ちゃんの事好きですよあの人」

「雇い主の事あの人言うなよ」

「ふーん。それなら良かったな♪せっかくここみんなで綺麗にしたんだし、ちょっと勿体ねぇなって思ってたんだよ」

「俺もそう思うー♪もうここにはみんなと過ごして来た思い出がいっぱいだよ♪これからもいーっぱい作って行こうね~♪」


 本当にこの家でいろいろやったよな。
 初めは人住んでんの?ってぐらいボロボロで埃だらけだったのに、みんなで大掃除して、その後も人が集まるにつれて綺麗になってって、今じゃ何かあれば紘夢んち~って感じのノリになったもんな。
 それもこれも紘夢の事守っててくれた的羽のおかげなのかもしれねぇな。


「なぁ的羽、茶のお代わりくれや」

「あー、はいはい。今月まではバイトですからね。やらせていただきますよ」


 俺がコップを渡すと的羽は受け取ってトレイに載せてキッチンの方へ消えて行った。
 俺はすかさず的場の後を追う。

 追いかけると、キッチンで新しくお茶を淹れてる的羽がいた。


「やーすし♪」

「へ?た、貴哉さん?」


 俺の存在にか、下の名前で呼んだ事にかは分からないけど、ビクッとして驚いていた。


「とりあえず良かったな!お前ここ出たらお先真っ暗だろ?」

「何で貴哉さんに決め付けられなきゃならないんです?まぁ間違ってませんけど」

「あとさ、紘夢の事いつも見ててくれてありがとうな。あいつ寂しがりだから誰か側にいねぇとダメなんだわ」

「それ、旦那様にも言われました。旦那様にも言いましたけど、俺は給料目当てでやっていただけです」

「それでもいいんだよ。あんなワガママ坊ちゃんの相手なんて普通の奴じゃすぐ投げ出すだろうよ。お前がちょうど良かったんだろ。これからも頼むな?」

「……少しだけ、坊ちゃんと自分を重ねていたところはあります。全体的に見たら全然違うんですけど、自分はこの世に一人ぼっちなんだって感覚が……あ、いえ、今のは気にしないで下さい」


 泰志はゴニョゴニョ言いながら淹れなおしたお茶をトレイに載せて再びリビングへ行こうとしていた。
 俺の前を通り過ぎる時、泰志は一回立ち止まって俺を見た。その目は潤んでいるように見えた。


「貴哉さん、全て貴方がいてくれたからです。勿論坊ちゃんと旦那様には感謝していますが、貴方がいなければこうはならなかった。俺は貴哉さんにも感謝しています。本当にありがとう」

「ええー!俺になんか礼なんて言うなよ!これはお前の努力だって!」

「いいえ。貴哉さんは凄いですよ。一見俺と大して変わらないように見えて、どんどんいろんな人を惹きつけて笑顔にしてしまう。それって素晴らしい才能ですよ」

「ほ、褒め過ぎじゃね?もういいよ。礼は受け取った!お茶が冷めるから行くぞ!」


 あまりにも褒められたから痒くなって来た。
 俺が先にキッチンを出ると後ろで泰志の「はい」と言う声が喜んでいるように聞こえた。

 俺の事はいいんだよ。紘夢が父ちゃんと仲直り出来て幸せならそれでさ。
 ずっと心配してたけど、やっぱり紘夢の父ちゃんも紘夢と仲直りしたくて仕方なかったんじゃねぇか♪毎日通うとかガチじゃん。

 どんな父親でもどんな子供でも親子に変わりはねぇもんな~。やっぱ仲良いのが一番だぜ♪
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