【完結】取り柄はズル賢い事だけです

pino

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4章 俺も初体験

28.邪魔しやがったな

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 朱里んちはごくごく普通のアパートだった。俺が住んでるアパートと大差ないぐらいの1LDK。部屋は割と片付いていて、気分良く過ごせそうだった。


「よし、俺先にシャワーするから朱里はイメトレでもして待ってな」

「う、うん……」


 久しぶりに使う事になる穴を解さないといけないからな。一緒に入っても良かったけど、一人で弄る姿を見せるのはさすがに童貞には刺激が強過ぎるだろ。

 俺はシャワーを出してボディソープを泡立てて下半身を洗いながら穴に指を這わせる。
 
 う、やっぱりキツいな。
 まぁでも初めてじゃねぇし少しやりゃ良くなるだろ。


「ん……はぁ……」


 本当は俺が朱里に挿れたいとこだけど、また土壇場になってごねられても面倒だから我慢する事にした。
 しばらく自分で弄ってると、前も反応して来た。一回抜いといてもいいけど、あんま長くやってると朱里が寝ちまうからな。ほどほどにやって早く上がろう。

 
「はぁ、朱里……」


 早く上がらなきゃいけないのに、久しぶりだからか妙に興奮して自分で弄る指をなかなか抜けずにいた。むしろ二本に増やして中をかき混ぜる。
 風呂の中でシャワーの音に混じってくちゅくちゅっといやらしい音が響いてそれも俺を刺激した。
 もう片方の手で前を触ると勃っている事に気付く。

 やば、止まらない。


「どんなけ溜まってんだよ俺……ふ、んぁ♡」


 穴を弄ってオナニーなんかした事ないのに普通にイケそうだった。
 かき混ぜる指を更に奥まで挿れて特に敏感な部分に触れると自然と体がビクンと反応した。
 あ、イク……♡

 俺は目を閉じて朱里を思い浮かべる。
 まるで朱里にされてるように、前も擦って絶頂を迎える準備を整える……


「あん♡朱里ぃ♡」

「せ、千くん!ごめん!」

「うわぁ!?」


 イクのと同時に風呂場のドアが勢い良く開いて朱里が飛び込んで来た。
 それに対して俺は驚いて中途半端にイッちまった。

 ああん!?何邪魔してくれてんだぁ!?


「朱里テメェ!良いとこで入って来るんじゃねぇよ!」

「だって!なかなか出て来ないから心配でっそしたら千くんのエッチな声がしてっ」

「あーもう最悪!中途半端過ぎ!」

「ごめん!で、でも何で一人でしてたの!?俺とするんじゃなかったの!?」


 着替えたのかTシャツにハーツパンツ姿の朱里は出続けるシャワーに打たれてびしょびしょだった。
 そして射精の途中で終わった俺のアソコはすっかり元気を失くしいた。
 イッたのにイッてないこの感覚が気持ち悪くてムカつく!俺は朱里を睨みながら教えてやった。


「何でってお前に挿れられる準備してたからに決まってんだろ!自分で弄ってケツの穴柔らかくしてたんだよ!お前の為にな!」

「俺の為に!?」

「そうだよ!お前が童貞だっつーからやりやすいようにしてたんだ!あーもう気持ち悪ぃ!」

「千くん……あの、続きは俺がしてもいい?」

「はぁ?テメェが出来んのかよ!?」

「やらせてくれないか?俺なりにちゃんと調べたから」


 朱里はシャワーを俺に当てて優しく泡と精子が付いた体を流してくれた。
 そして自分も濡れた服を脱いで全裸になってタオルで優しく俺を拭いた。
 その時に見えた朱里の下半身は大きく膨れ上がり、もう準備OKと言わんばかりに反り上がっていた。

 てか風呂場でやるんじゃねぇのかよ。
 俺はまだ収まらない怒りで朱里のやる事全てが癇に障った。それでも朱里は優しく丁寧に俺を扱って、拭き終わるとそのまま俺を持ち上げてお姫様抱っこして運ぼうとしていた。


「おい!無理だって!」

「大丈夫♡俺も男だよ」


 俺とほぼ同じ背格好の朱里に持ち上げられる訳ないと思っていたら、ニコッと笑って本当に俺を抱き上げやがった。
 って、すげぇ無理してんじゃん!顔辛そう過ぎるんだけど!

 でもさ、なんかさ、こういうの嫌いじゃねぇよ。
 朱里ってばめちゃくちゃかっこいいじゃん……

 
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