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4章 俺も初体験
29.初めて思う気持ち
しおりを挟む朱里は一生懸命に俺を落とさないようにベッドまで運ぶと、優しく下ろした後に俺にキスをしてからゴソゴソと枕の下から何かを取り出した。
俺は何だ?と見ると、何とゴムと使い捨てのローション!
ふと嫌な予感がして俺は強気に朱里を責め立てた。
「待て!何でお前がそれ持ってんだ!?誰かとヤッたのか!?」
「これは千くんと使う為に用意してた物だよ。千くん以外とはしたくないよ」
そう言って悲しそうな顔をしてから、朱里はそれでもローションの封を切り、トロリと手に取って指を俺の穴に這わせた。
さっき自分で与えた刺激がまだ残っていたから体が激しく反応した。
「アッ♡」
「い、痛い?」
俺の声に朱里はビクッとして心配そうに聞いて来た。それに対して俺は首を横に振って答えた。
「違うっ……気持ちいんだっ」
「本当?もっと弄っていい?」
「ああ……指挿れて♡」
俺の片足を上げて、ゆっくりと指を中に挿れて来る。慣らしたからすんなり入って行き、俺もまた気持ちよくなって来た。
「ン♡なぁ、指増やして?もっと奥まで挿れて?」
「うん。挿れるよ?」
「アンッ♡良い♡気持ちい♡」
俺の指示通りに人差し指と中指をゆっくりと中まで挿れていく。
朱里の指が俺の中に入ってるんだって事を考えたら余計に興奮して、俺は朱里を求めて手を伸ばしていた。それに気付いた朱里は、体を俺に寄せて俺の足を持ち上げていた左腕で抱き締めてくれた。
俺は一生懸命朱里に腕を回して刺激に酔いしれた。自分でするよりも何倍も気持ち良くて、さっき中途半端にイッた俺自身も硬く反応していた。
「朱里の指エロい♡もっとしてっ♡」
「エロいのは千くんだよ♡指動かすよ?どこがいいのか教えて?」
「んんっ!そこっそれもっとぉ♡」
「ここ?千くんここがいいの?」
朱里が指を奥まで挿れ切った後、クイっと指を曲げた時にちょうど敏感な部分に当たり体に刺激が走って自然と腰が浮いた。
もっとしてくれと言わんばかりに腰を捻りケツを浮かせる俺に、朱里は興奮してんのか息を荒くしていた。
「千くん、俺もう挿れたい。いい?」
「うんっいいっ挿れて♡」
「あ、ゴム……」
ここで不慣れな朱里登場。俺の顔の横に用意してあったゴムを取ろうとしてたから俺は両足でガシッと朱里の下半身をホールドして動きを止めた。
これ以上焦らされてたまるかよ♪
そして目一杯甘える声でこうお願いした。
「朱里のそのまま挿れて♡」
「えー!ダメだよっちゃんと付けなきゃっ」
真面目炸裂でまた俺を怒らせる気かとムカついたけど、ここはグッと堪えて戸惑う朱里にキスをした。
「大丈夫だからっ中で出して?早く朱里のいっぱいちょうだい?」
「千くんっ!!♡」
俺の穴から指を抜いて、腰をグイッと持ち上げて今度は太く硬くなった朱里のを押し当てて来た。
はぁ、やっとこの時が来たか。
散々イライラさせたり邪魔したり焦らしたりしやがって。
だから童貞は面倒くせぇんだ。でもさ、朱里なら許せちゃうんだよな。文句言いながらもこうやって挿れてもらえるまで待っちゃうんだよな。
あは♡俺、朱里の事めちゃくちゃ好きだわ♡
愛おしく思う朱里の背中に腕を回してゆっくり入って来る朱里を深くしっかりと感じる。
慣らしたとは言え指とは違う久しぶりのこの感覚に軽く震えながら俺は身を任せた。
途中で朱里の荒い息遣いが聞こえて苦しんでるのが分かる。俺も出来るだけ朱里がやりやすいように力を抜く努力をした。
こんなにも相手の事を考えて気を遣うセックスは初めてだ。
なんて言うかな、気持ち良いのは勿論なんだけど、すげぇ愛おしいよ。大切にしたい。これは初めての感情だわ。
「ぐっ……千くんっ」
「頑張れ朱里。愛してる♡」
「俺も!千くんの事愛してる!」
そして朱里が全部俺の中に入った所でどちらともなくキスをした。今までで一番激しいディープなキスだった。
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