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4章 俺も初体験
30.こいつとなら
しおりを挟む朱里とのセックスの後、ベッドでぐったり横たわる朱里の疲れた顔を肘をつきながらジーッと見ていた。
うん、ガチ童貞だったな。終始不慣れな感じでもどかしいったりゃありゃしない。それでも俺に触れる時はすげぇ優しくて、俺の様子をいちいち気にしたり、傷付けないようにって言うのがめちゃくちゃ伝わって来た。
総合的な感想は、最高に良かった♡
どんな大金を積まれるセックスよりも興奮したし、度肝抜く様なテクニックのあるセックスよりも感じる事が出来た気がする。
そうなんだ、朱里とのセックスは終始ドキドキしっぱなしだったんだ。性行為にドキドキって何?って感じだったけど、多分これが本当に好きな奴とするって事なんだろうな。
愛のないセックスばかりして来た俺こそ童貞かもなとか思う。
まさか朱里に本当のセックスを教えてもらえるなんておかしくて笑えるわ。
苦しそうな顔をして息を整える朱里を見ながらそんな事を考えてると、いきなり目が開いて俺を見て来た。わお、イケメーン。
「ハッ!!」
「どうした?まだ朝じゃないぞ?」
俺は体勢をそのままに何故か慌ててる朱里のほっぺをツンツンしながら聞くと、ガバッと起き上がって俺の体の心配をし始めた。
「千くん体大丈夫?痛くなかった?」
「平気♡だって優しくしてくれたじゃん」
「良かったぁ~!あ、シャワー行く?中で出しちゃったから気持ち悪いよね?」
「何でそう言うとこだけ慣れてそうなんだよ」
ゴムやローションもだけど、こいつにはちょくちょく驚かされるわ。
俺が突っ込むと、恥ずかしそうに答えた。
「し、調べたからです!後処理も行為の大切な一部だって!」
「あはは♪紳士~♪別に自分でやるからいいって。それよりもお前はもう寝な?明日早いんだろ?ちゃんと起こしてやっから」
「本当?実はもう限界で……」
ヘナヘナ~っと再びベッドに横たわる朱里。うん。お前頑張ってたもんな。大変な仕事して来た後に俺と会って飯食ってボロクソに言われて初めてのセックスしてくれて。
いつも朱里は金が~とか仕事が~とか言って俺を苛つかせるけど、本当は俺と過ごす為にちゃんと考えてるんだって知ってるんだ。
働いて稼がないと俺と過ごせないし、金がないと美味い飯や旅行にだって行けないもんな。
朱里はケチとかそう言うんじゃないんだ。
いつも先を考えて行動してる、そんな男。
俺との関係をこの先ずっとずーっと後の事まで考えてるから、今散財したりしないように欲に負けずに制御してるんだ。
だけど、我慢出来ずにちょこっと俺に会いに予約したり、俺の意見に流されて慌てたりしちゃうんだよな。
お前のそういうとこちゃんと分かってるよ。
ありがとな朱里。
ゴロンと寝返りを打って俺の横にピトッと張り付いて来る朱里。既に寝息が聞こえて来てとても愛おしく感じた。
そんな朱里にキスをして優しく抱き締める。
「絶対に離さないからな。だからお前も俺から離れるなよ……」
完全に寝たのか返事は無かったけど、俺は満足だった。
俺はこんな性格だし、これからも朱里に無茶な事を言って困らせるだろう。だけど朱里のしつこい俺愛は認めてんだ。
俺からの重い愛を受け止められるのも朱里ぐらいだろ。
俺と会って変わったのはお前だけじゃねぇよ。
俺もお前と再会して変わったよ。
こんな気持ちにさせてくれて感謝してる。
俺は愛おしい恋人の寝顔にキスをしてベッドから出てシャワーを浴びに風呂場へ向かう。
その足取りはどんなセックスをした後よりも軽かった。
朱里、近い将来俺の嫁にしてやるからな♡
✳︎✳︎✳︎完✳︎✳︎✳︎
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