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「とまぁ、昨日そんなことがあった訳よ...」
「なんともまぁ..奇遇なこともあるもんね...私の方も似たような状況だったわ...」
「えぇっ!? あなたの方も?」
「そうなのよ...」
次の日、学園のお昼休みにいつもの中庭のベンチで、サブリナとミシェルは二人並んで座ってお互いの近況を報告をし合っていた。
するとミシェルは思い詰めたような表情を浮かべた後、徐に口を開いた。
「ねぇ、サブリナ。あの連中が破滅するのは自業自得だからそれはそれでいいとして、私はどうにも腹が立って仕方ないのよ。だからちょっと懲らしめてやりたいの。手伝ってくれないかしら?」
「いいけど具体的になにをすればいいの?」
「もうすぐ社交シーズンが始まるじゃない? 伯爵家一門が集う席でアレックス様を晒し者にして欲しいのよ。その代わり私は子爵家一門の集う席でグレイのヤツを晒し者にしてやるわ」
「なるほど! それは面白そうね!」
「えぇ、きっとスッキリするわよ」
二人は顔を見合わせて破顔した。
◇◇◇
そして始まった社交シーズン。
サブリナは伯爵家一門が集う席に出席していた。早速アレックス一家の姿を探す。居た。家長である伯爵を先頭に屯している。サブリナはゆっくりと近付き、
「おじ様、ご無沙汰しております」
「おぉ! これはこれはサブリナ嬢! しばらく見ん間にエラい別嬪さんになったものだな!」
「まぁ、おじ様ったら。お上手ですこと」
「やぁ、サブリナ。久し振りだね。しばらく会わない間に本当にキレイになったね。君の婚約者に嫉妬してしまいそうだよ」
そこへアレックスがやって来て歯の浮くようなセリフを並べる。するとサブリナは態度を一変させ、
「アレックス、あなた良くも私の前に顔を出せたもんね? あなたには常識ってものが無いの?」
「えっ!? えっ!?」
急変したサブリナにアレックスは訳が分からず混乱した。
「ミシェルが私の親友だってあなた知らなかったでしょ? 良くも私の親友にあんな酷いことをしてくれたわね! 恥を知りなさい恥を!」
「あぅ...おぅ...」
サブリナに激しく糾弾されたアレックスは言葉を失った。
「お、おい、サブリナ嬢! これは一体どういうことなんだ!? アレックスのヤツがなにを仕出かした!?」
「おじ様、実は...」
サブリナは事の次第を伯爵に説明した。それを聞いた伯爵は顔を真っ赤にさせて激怒した。
「貴様ぁ! なんということを! この恥知らずがぁ!」
「ブヒャァッ!」
伯爵は思いっきりアレックスを殴り飛ばした。
「貴様のような輩とはもう親でもなければ子でもない! 勘当だ! どこへなりと行きさらせ!」
「そ、そんなぁ! お、お父様ぁ~!」
アレックスは情けない悲鳴を上げて父親に縋り付いていた。
「なんともまぁ..奇遇なこともあるもんね...私の方も似たような状況だったわ...」
「えぇっ!? あなたの方も?」
「そうなのよ...」
次の日、学園のお昼休みにいつもの中庭のベンチで、サブリナとミシェルは二人並んで座ってお互いの近況を報告をし合っていた。
するとミシェルは思い詰めたような表情を浮かべた後、徐に口を開いた。
「ねぇ、サブリナ。あの連中が破滅するのは自業自得だからそれはそれでいいとして、私はどうにも腹が立って仕方ないのよ。だからちょっと懲らしめてやりたいの。手伝ってくれないかしら?」
「いいけど具体的になにをすればいいの?」
「もうすぐ社交シーズンが始まるじゃない? 伯爵家一門が集う席でアレックス様を晒し者にして欲しいのよ。その代わり私は子爵家一門の集う席でグレイのヤツを晒し者にしてやるわ」
「なるほど! それは面白そうね!」
「えぇ、きっとスッキリするわよ」
二人は顔を見合わせて破顔した。
◇◇◇
そして始まった社交シーズン。
サブリナは伯爵家一門が集う席に出席していた。早速アレックス一家の姿を探す。居た。家長である伯爵を先頭に屯している。サブリナはゆっくりと近付き、
「おじ様、ご無沙汰しております」
「おぉ! これはこれはサブリナ嬢! しばらく見ん間にエラい別嬪さんになったものだな!」
「まぁ、おじ様ったら。お上手ですこと」
「やぁ、サブリナ。久し振りだね。しばらく会わない間に本当にキレイになったね。君の婚約者に嫉妬してしまいそうだよ」
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「アレックス、あなた良くも私の前に顔を出せたもんね? あなたには常識ってものが無いの?」
「えっ!? えっ!?」
急変したサブリナにアレックスは訳が分からず混乱した。
「ミシェルが私の親友だってあなた知らなかったでしょ? 良くも私の親友にあんな酷いことをしてくれたわね! 恥を知りなさい恥を!」
「あぅ...おぅ...」
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「お、おい、サブリナ嬢! これは一体どういうことなんだ!? アレックスのヤツがなにを仕出かした!?」
「おじ様、実は...」
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「ブヒャァッ!」
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「貴様のような輩とはもう親でもなければ子でもない! 勘当だ! どこへなりと行きさらせ!」
「そ、そんなぁ! お、お父様ぁ~!」
アレックスは情けない悲鳴を上げて父親に縋り付いていた。
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