我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

文字の大きさ
10 / 276

10

しおりを挟む
「やぁ! アンリ!」

「...どうも...クリフ様...今日もとても良い笑顔ですね...」

「アンリ、なんか疲れてる? ダメだよ? ちゃんと休まないと?」

「ハハハ...それで今日は何をしに?」

 アンタが毎日来るから疲れんだよ...

「そりゃあ決まってるっしょ♪ アンリと遊びに♪」

「...ハァッ...分かりました。お帰りはあちらです...」

「相変わらずツレないなぁ」

 こう見えて私も暇じゃないんだよ...

「今日はこれから出掛ける予定なので...」

「そうなの? じゃあ行こうか?」

「...付いて来るんですね...」

「当然♪」

 何を言っても無駄だと思った私は、本日何度目になるか分からないため息を吐きながら馬車に乗り込んだ。


◇◇◇


「ところでどこ行くの?」

「今度、私が代理人を務めている作家の小説が舞台化されるんで、舞台稽古を見学しに行くんです」

「あぁ確か『ジョン・ドウ』だっけ?」

「えぇ、ご覧になったことは?」

「いやぁ、ああいう甘ったるい小説はちょっとねぇ。僕は冒険小説の方が好みかなぁ」

 まぁ男はそういう人多いよね。

「ではきっと退屈でしょうから、今からでもお帰りになったら如何でしょう?」

「いやいや、何か面白いことが起きそうだから付いて行くよ?」

 あぁもう! やり辛いな!


◇◇◇


「社長、これはどうも。ようこそお越し頂きました」

 脚本家兼演出家のトーマスが出迎えてくれた。

「どうもトーマスさん、本日はよろしくお願いします。えぇとこちらは...」

 困った...クリフトファー様をなんて紹介すればいいんだろう...

「どうも、アンリエットお嬢様の侍従を務めております、クリフと申します。どうぞお見知り置きを」

「は、はぁ...ど、どうも...」

 ちょっとクリフトファー様! そんな貴族のオーラだだ漏れさせて侍従はないでしょうよ! トーマスさん、どうしていいか分かんなくなってんじゃん!

「で、ではごゆっくりご覧下さい...」

 やがて舞台稽古が始まった。

 舞台は小説の世界観を良く表現していて、小説ファンの私としても特に言うことはない良い出来だった。例のアランとかいう役者は、相変わらず私のことを熱い目で見て来る。

 舞台稽古が終わって私とトーマスさんが話し込んでいる所に、アランが近寄って来た。そして、

「どうもどうも社長サン、観に来てくれてアリガトゴザイマ~ス!」

 そう言って握手して来た。ホントにチャラいなコイツ...ん? なにか手の中に紙が? メモか? 

 アランはニヤッと笑いながら去って行った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

【完結】もう誰にも恋なんてしないと誓った

Mimi
恋愛
 声を出すこともなく、ふたりを見つめていた。  わたしにとって、恋人と親友だったふたりだ。    今日まで身近だったふたりは。  今日から一番遠いふたりになった。    *****  伯爵家の後継者シンシアは、友人アイリスから交際相手としてお薦めだと、幼馴染みの侯爵令息キャメロンを紹介された。  徐々に親しくなっていくシンシアとキャメロンに婚約の話がまとまり掛ける。  シンシアの誕生日の婚約披露パーティーが近付いた夏休み前のある日、シンシアは急ぐキャメロンを見掛けて彼の後を追い、そして見てしまった。  お互いにただの幼馴染みだと口にしていた恋人と親友の口づけを……  * 無自覚の上から目線  * 幼馴染みという特別感  * 失くしてからの後悔   幼馴染みカップルの当て馬にされてしまった伯爵令嬢、してしまった親友視点のお話です。 中盤は略奪した親友側の視点が続きますが、当て馬令嬢がヒロインです。 本編完結後に、力量不足故の幕間を書き加えており、最終話と重複しています。 ご了承下さいませ。 他サイトにも公開中です

捨てられたなら 〜婚約破棄された私に出来ること〜

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
長年の婚約者だった王太子殿下から婚約破棄を言い渡されたクリスティン。 彼女は婚約破棄を受け入れ、周りも処理に動き出します。 さて、どうなりますでしょうか…… 別作品のボツネタ救済です(ヒロインの名前と設定のみ)。 突然のポイント数増加に驚いています。HOTランキングですか? 自分には縁のないものだと思っていたのでびっくりしました。 私の拙い作品をたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。 それに伴い、たくさんの方から感想をいただくようになりました。 ありがとうございます。 様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。 ただ、皆様に楽しんでいただけたらと思いますので、中にはいただいたコメントを非公開とさせていただく場合がございます。 申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。 もちろん、私は全て読ませていただきますし、削除はいたしません。 7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。 ※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。

<完結> 知らないことはお伝え出来ません

五十嵐
恋愛
主人公エミーリアの婚約破棄にまつわるあれこれ。

断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る

黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。 (ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)

恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ

恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。 王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。 長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。 婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。 ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。 濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。 ※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています

婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。

パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。

処理中です...