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「なんだ貴様ぁ!? どこの家の者だぁ!? 両陛下の御前で不敬であろう!」
うわぁ、王太子殿下が激おこだよ~...って、そりゃ当たり前か。このまま斬り捨てられても文句言えないよね。
現に王子太子殿下、剣の柄に手を掛けて今にも抜剣しそうな雰囲気だもん。それを見てやっと、とんでもないことを仕出かしたんだと理解したギルバートが、真っ青な顔になってるけど今更遅いっての。
ギルバートの両親なんか顔面蒼白通り越して真っ白になっちゃったよ。気の毒に。まぁでもギルバートがこうなったのは、自分達の教育不足のせいでもあるんだろうからあんまり同情は出来ないけどね。
そんな風に現実逃避していたら、
「まぁ良いではないか。面白そうな余興だ。やらせてやれ」
うわぁ、国王陛下ってばとっても良い笑顔を浮かべてなさる! そう、まるで楽しいオモチャを見付けたみたいに...
「しかし陛下!」
「まぁまぁ、抑えて抑えて。それでお主、名をなんと申す?」
「は、はい! ギルバート・クレインと申します。クレイン侯爵家の次男です!」
ギルバートが水を得た魚のようだ。
「クレイン侯爵家の者か。それで? 先程は婚約破棄がどうこう言っていたようだが?」
「は、はい! 私の婚約者であるアンリエット・フィンレイ伯爵令嬢は、嫉妬に駆られてキャロライン・ウィンバース男爵令嬢を虐めていたのです! 可哀想に! キャロラインは泣いていたのです! 私はそのような心の汚い女に我慢ならず、本日こうしてアンリエットに婚約破棄を突き付け、新たにキャロラインとの婚約を結ぼうと思った所存であります!」
ギルバートは言ってやったとばかりにドヤ顔しているが、国王陛下は澄ましたお顔で、
「フム、それでそのキャロライン嬢というのはどこにおるのじゃ?」
「はっ! ここに! って、あれぇ!?」
後ろを振り向いたギルバートが奇声を上げる。そりゃそうだろう。そこに居るはずのキャロラインは今頃、アランに美味しく頂かれている最中だ。
っていうか、今頃気付いたんかい! とツッコミたい。
「どこにもおらんようじゃが?」
「あの...その...」
国王陛下の問い掛けにギルバートがしどろもどろになる。
「そもそもじゃ、婚約破棄を突き付けるのにこの場を選んだのはなぜじゃ? このような公の場所ではなく、当人同士だけで告げるべきことではないのか?」
「あぐ...そ、それは...」
国王陛下の正論過ぎる正論にギルバートが言い淀む。
まさか小説の通りにやりましたとは言えないよねぇ。
うわぁ、王太子殿下が激おこだよ~...って、そりゃ当たり前か。このまま斬り捨てられても文句言えないよね。
現に王子太子殿下、剣の柄に手を掛けて今にも抜剣しそうな雰囲気だもん。それを見てやっと、とんでもないことを仕出かしたんだと理解したギルバートが、真っ青な顔になってるけど今更遅いっての。
ギルバートの両親なんか顔面蒼白通り越して真っ白になっちゃったよ。気の毒に。まぁでもギルバートがこうなったのは、自分達の教育不足のせいでもあるんだろうからあんまり同情は出来ないけどね。
そんな風に現実逃避していたら、
「まぁ良いではないか。面白そうな余興だ。やらせてやれ」
うわぁ、国王陛下ってばとっても良い笑顔を浮かべてなさる! そう、まるで楽しいオモチャを見付けたみたいに...
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「は、はい! ギルバート・クレインと申します。クレイン侯爵家の次男です!」
ギルバートが水を得た魚のようだ。
「クレイン侯爵家の者か。それで? 先程は婚約破棄がどうこう言っていたようだが?」
「は、はい! 私の婚約者であるアンリエット・フィンレイ伯爵令嬢は、嫉妬に駆られてキャロライン・ウィンバース男爵令嬢を虐めていたのです! 可哀想に! キャロラインは泣いていたのです! 私はそのような心の汚い女に我慢ならず、本日こうしてアンリエットに婚約破棄を突き付け、新たにキャロラインとの婚約を結ぼうと思った所存であります!」
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「フム、それでそのキャロライン嬢というのはどこにおるのじゃ?」
「はっ! ここに! って、あれぇ!?」
後ろを振り向いたギルバートが奇声を上げる。そりゃそうだろう。そこに居るはずのキャロラインは今頃、アランに美味しく頂かれている最中だ。
っていうか、今頃気付いたんかい! とツッコミたい。
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