我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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37 (キャロライン視点)

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 私の名はキャロライン・ウィンバース。ウィンバース男爵家の令嬢である。   

 我が家は男爵家とは名ばかりの貧乏貴族で、子供の頃から貴族としての満足な教育なんて受けさせてくれなかった。

 その代わりに叩きこまれたのは、いかにして金持ちの男をタラシ込むかということ。

 幸いなことに容姿に恵まれた私は、家のためにとにかく条件の良い男を捕まえるようにと、それだけを言われて育てられた。

 だから成長して社交界デビューを果たしてからと言うもの、ありとあらゆるお茶会や晩餐会、夜会や舞踏会を渡り歩き良い男を求めた。

 男共は私がちょっと甘い言葉を囁くだけで、コロッと手玉に取れるんだから私に取っては軽いもんだった。

 そうやって数々の浮き名を流していた私だったが、中々これと言った男には巡り会えなかった。

 ホイホイ簡単に釣れるのは、爵位を持たない低位貴族の次男坊とか三男坊くらいで、高位貴族の嫡男や令息からは相手にされなかった。

 そう言った連中はその手の誘惑に慣れているのか、私の手練手管にそう簡単には靡いてくれなかった。

 やはり財産狙いということが透けて見えているのだろうな。私はちょっと焦っていた。なぜなら若さは永遠ではないからだ。

 そんな時だった。

 つまらない男をパートナーに添えて参加した夜会で、幼馴染みであるギルバートと再会したのだ。

「ギルバート!? ギルバートよね!? うわぁ、久し振り~!」

「君は...キャロラインか!?」

「えぇ、そうよ。私のこと忘れちゃった?」

「いやいや、ちゃんと覚えているよ」

 彼の名はギルバート・クレイン。クレイン侯爵家の次男坊だ

 我が家の領地とクレイン侯爵家の領地は隣り合っており、その関係で子供の頃から親しくしていた。

 特にギルバートとは同い年ということもあり、一番仲が良かった。あの頃はまだ純粋無垢に幼馴染みという関係を楽しんでいたと思う。もしかしたら私の初恋だったかも知れないな。

だが所詮は男爵家と侯爵家。子供の頃はともかく成長してからはお互い別世界の住人のように接点は無くなって行った。私もギルバートのことはすっかり忘れていた。

「しかし見違えたよ。随分とキレイになったね」

「あら、あなただってとても素敵よ?」

 お世辞ではなかった。久し振りに会った幼馴染みは凛々しい好男子に成長していたのだ。

 私は不覚にも胸のトキメキを抑えることが出来なかった。初な寝んねじゃあるまいし、男に対してそんな感覚を胸に抱くこと自体、随分と久し振りだなとしみじみ思ったものだ。
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