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38 (キャロライン視点2)
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「ギルバート、お連れの方は?」
「あぁ、アンリエットなら挨拶回りに忙しく動き回っているよ」
「まぁ! パートナーであるあなたを放っておいて!? 信じられないわ!」
仕方ないさ。彼女の立場からしたら、僕なんかより社交の方が重要だからね」
「えっ!? 待って、それってどういうこと!?」
ギルバートは私に彼とアンリエットとの関係を説明した。それを聞いた私は心の底からギルバートに同情したものだ。
「なんてこと...ギルバート、あなたって不憫ね...」
「不憫だって!? 僕は自分の立場に納得しているよ?」
「可哀想に...そう思い込むことで自分を慰めているのね...大丈夫よ。私は良く分かってるから。今夜は私があなたを慰めてあげるわ」
「きゃ、キャロライン!? な、なにを!?」
「いいのよ。身も心も私に委ねなさいな」
「だ、だがキャロライン、き、君のパートナーは!?」
「あぁ、いいのよ。あんな退屈な人、放っておいて構わないわ。そんなことより、ねぇ? 二人で抜け出さない?」
「ぼ、僕は...」
その夜、私とギルバートは男女の関係になった。
◇◇◇
それからは何度もギルバートと逢瀬を重ねて行った。最初は同情から始まった関係だったが、私の方がドップリと嵌まってしまっていた。
ギルバートの境遇に自分を重ねていたというのもある。立場は違えど自分の思い通りとの相手と添い遂げられないというのは似ていると思ったからだ。
そして運命のあの日を迎える。
『あぁっ! 愛しいキャロライン! 君とこうやって隠れてコソコソと合わなければならないなんて! 僕達はなんて不幸なんだ!』
『仕方ないわ、ギルバート。私はしがない男爵令嬢で、あなたは侯爵家の次男坊。そして伯爵令嬢の婚約者なんですもの。いくら私達が幼馴染みで想い合っていたって、身分の差はどうしようもないのよ』
『そんなことはない! 真実の愛の前には身分の差なんて関係無いんだ! ほら、この本にもそう書いてある』
『まぁっ! それは! 現在巷でベストセラーになっている『真実の愛は永遠なり』ね! 私、この本大好きなの!』
『僕もだよ! そしてこの本が僕らのバイブルになるんだ!』
『えぇっ!? そんなこと出来るの!?』
『出来るさ! 僕に任せといてくれ! アンリエットは僕の言いなりだからね! 伯爵家を僕に継がせるように画策して、その後で君に対する虐めをでっち上げて断罪する! アンリエットを家から追い出したら君を迎え入れる! どうだい? 完璧なプランだろう?』
私は夢を見ても良いのだろうか?
「あぁ、アンリエットなら挨拶回りに忙しく動き回っているよ」
「まぁ! パートナーであるあなたを放っておいて!? 信じられないわ!」
仕方ないさ。彼女の立場からしたら、僕なんかより社交の方が重要だからね」
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ギルバートは私に彼とアンリエットとの関係を説明した。それを聞いた私は心の底からギルバートに同情したものだ。
「なんてこと...ギルバート、あなたって不憫ね...」
「不憫だって!? 僕は自分の立場に納得しているよ?」
「可哀想に...そう思い込むことで自分を慰めているのね...大丈夫よ。私は良く分かってるから。今夜は私があなたを慰めてあげるわ」
「きゃ、キャロライン!? な、なにを!?」
「いいのよ。身も心も私に委ねなさいな」
「だ、だがキャロライン、き、君のパートナーは!?」
「あぁ、いいのよ。あんな退屈な人、放っておいて構わないわ。そんなことより、ねぇ? 二人で抜け出さない?」
「ぼ、僕は...」
その夜、私とギルバートは男女の関係になった。
◇◇◇
それからは何度もギルバートと逢瀬を重ねて行った。最初は同情から始まった関係だったが、私の方がドップリと嵌まってしまっていた。
ギルバートの境遇に自分を重ねていたというのもある。立場は違えど自分の思い通りとの相手と添い遂げられないというのは似ていると思ったからだ。
そして運命のあの日を迎える。
『あぁっ! 愛しいキャロライン! 君とこうやって隠れてコソコソと合わなければならないなんて! 僕達はなんて不幸なんだ!』
『仕方ないわ、ギルバート。私はしがない男爵令嬢で、あなたは侯爵家の次男坊。そして伯爵令嬢の婚約者なんですもの。いくら私達が幼馴染みで想い合っていたって、身分の差はどうしようもないのよ』
『そんなことはない! 真実の愛の前には身分の差なんて関係無いんだ! ほら、この本にもそう書いてある』
『まぁっ! それは! 現在巷でベストセラーになっている『真実の愛は永遠なり』ね! 私、この本大好きなの!』
『僕もだよ! そしてこの本が僕らのバイブルになるんだ!』
『えぇっ!? そんなこと出来るの!?』
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私は夢を見ても良いのだろうか?
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