我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「アンリ...君にとんだ迷惑を掛けてしまった...本当に申し訳ない...」

「クリフ様が謝ることではございませんわ。お気になさらず」

「済まない...」

「それでどうなりましたの?」

「あぁ、モリシャン侯爵家と話し合った結果、スカーレットは厳しいことで有名な修道院に入れることになったよ。貴族絡みで公に出来ない不祥事を起こした者が収監される施設でね。恐らく一生そこから出れないと思う。かなり精神を病んでるみたいだから、市井に放り出す訳にはいかないと判断したんだ。ともかく、二度と君には関わらせないから安心してくれ」

「なるほど...良く分かりました」

 それだけ言うとクリフトファー様は帰って行った。まだ関係各所に根回しする必要があるそうだ。本当にお疲れ様。

 何はともあれ、もうスカーレット嬢と関わることがないのなら、私としては特に言うべきこともない。

 だがこれでもう、私とクリフトファー様との間に蟠りはなくなった。後は私の返事次第ということになるだろう。

 いつまでも先延ばしする訳にはいかない。私もそろそろ結論を出すべきなんだろうな。私は相談するために兄の所へ向かった。


◇◇◇


「驚いたわ。この部屋がこんなに片付いているなんて有史以来じゃないの!?」

「皮肉を言うな妹よ。お前がそろそろ結論を出す頃だと思ってな。こうして後片付けをしていたところなんだよ」

「そうね...いい加減決めないとね...」

「まだ迷ってるのか?」

「迷ってるっていうか...ちょっと怖くなって来たってところかな...」

「なにかあったのか?」

 私はスカーレット嬢のことを兄に話した。

「そうか...そんなことが...アンリ、怖くなって来たっていうのはもしかして...」

「えぇ、私だって嫉妬に狂ったりしたらあんな風になるんじゃないかと思ったら...」

「考え過ぎだ。そんな極端な例を参考にするんじゃない」

「うん、分かってはいるんだけどね...」

 クリフトファー様には気にしないでって言ったけど、私の心の中では昨日のスカーレット嬢のあの姿が、フラッシュバックしたまま中々消えてくれない。

 まるで未来の自分を見ているような...そんなはずはないと思っても、一度考えてしまうと後ろ向きな思考にばかり囚われる。

 結局、結論が出ないまま兄と別れた。

 兄のアパートの部屋から出た瞬間、私は頭に強い衝撃を受けてそのまま意識が暗くなった。

 意識を失う刹那、スカーレット嬢の憎しみの籠った顔が目に焼き付いて...

 そのまま私は意識を失った。
 
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