我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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 ウィリアムがパトリックに引き摺られて行ったのを見送ってから屋敷に戻ると、

「お、お嬢様!? 一体何事なんですか!?」

 慌てた様子のハンスが飛んで来た。私は客間へと歩きながら、

「あぁ、ハンス。なんでもないのよ。ちょっとパトリックと遊んでただけだから心配しないで?」

「はぁ...それならいいんですが...」

「それより喉渇いちゃったわ。お茶入れてくれる?」

「畏まりました。そう言えばパトリック殿は?」

「もう帰ったわ。だからお茶は私一人分でいいわよ?」

「了解致しました」

 ハンスがお茶を入れに行った後、私は客間のソファーにドッカと沈み込んだ。体力的にではなく精神的に疲れたような気がする。

 アランが言うところの「ダメ男ホイホイ」という言葉通り、自分に寄って来る男は本当にロクでもない男ばかりだということを再認識した気分だ。なんだかこのままだと男性不信に陥ってしまいそうだ。

「どこかにマトモな男って落ちていないもんかしらね...」

 自嘲気味に独り言ちて更に気分が落ち込んだ。せめてパトリックはマトモであって欲しいものだ。アランの身元調査が終わるのをちょっと心待ちにしたいと思ったりもした。


◇◇◇


 次の日、アランが出勤して来た。

「お嬢~ 今戻ったよ~」

「お帰り。首尾はどうだった?」

「上々ってとこかな。それよりお嬢、俺が居ない間になんかあった?」

「なんでそう思うのよ?」

「なんかさ~ 人生に疲れ切ったような顔してるからさ~」

「相変わらず鋭いわね...」

 私は昨日の事の顛末を話して聞かせた。

「ナニソレこの目で見たかった~ そんな面白い茶番劇が行われていたなんて~」

「いい気なもんね...こっちは結構面倒だったってのに...アンタの感想はどうでもいいからさっさと調査結果を見せなさい」

「はいはい。先に言っとくけど、見ても落ち込んだりしないでね?」

「そんな内容なの!?」

 私は読む前から憂鬱な気分になった。読み初めてそれは次第に現実となって行った。

「なによこれ...愛人が居て更に子供まで産ませてるって...本当なの!?」

「本当本当。隠す気もないのか、堂々と会いに行ってたよ? お陰で尾行が楽だった」

「オマケに相手の女は元娼婦ですって!? パトリック、正気なの!? そもそも本当にパトリックの子供なの!?」

「ビミョーだと思うよ~ だってその女、パトリックの旦那以外にも何人もの男と付き合ってるみたいだし~」

「完全に美人局じゃないのよ...パトリックったらそんな女に引っ掛かってるっていうの!?」

「ダメ男ホイホイ」

「だからうっさい!」

 腹が立った私は、またアランにクッションを投げ付けるのだった。
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