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しばらく経って気が済んだのか、やっと顔を上げたクリフトファー様に向かって私は静かにこう言った。
「謝罪は受け入れます。というより、別にクリフトファー様のことを恨んでいたりはしませんよ? 安心して下さい」
「ありがとう...そう言って貰えると救われる思いだ...」
クリフトファー様の顔にようやく少しだけ笑顔が戻った。とは言ったものの、謝罪のために来たというのは建前に過ぎないだろう。そこで私は、クリフトファー様の本音を引き出すためにちょっと踏み込んでみることにした。
「私に対する謝罪のためだけに、お忙しい中わざわざ我が領地まで足を運んでいただきご足労をお掛けしました。なんだかこっちの方が申し訳なく思いますよ」
「あぁ、いやいや。そんなこと気にしないでくれ。どうせもう暇な身の上だし...」
さて、ここはどう反応を返すべきだろうか?
①素知らぬ振りをして「えっ!? それってどういう意味ですか!?」とかなんとか問い掛けてみる。
②ここは正直に「えぇ、聞いております。随分と思い切ったことをなさいましたね?」とかなんとか言ってみる。
③余計なことはなにも言わず、ただ困惑したように首を傾げる。
どれが正解か悩んでる内に、クリフトファー様の方から続けて来た。
「どうやら既に聞いているみたいだね? 僕が家督を放棄したっていうことを?」
「えぇ...まぁ...」
そう言われちゃ認めるしかない。
「今回の件で身も心もボロボロになっちゃってね...自分の不甲斐なさのせいで二人の女性の未来を台無しにしてしまった...そんな僕がのうのうと家督を継いで、何事も無かったかのようにのほほんと暮らすってことがどうしても耐えられなかったんだ...」
どうもエリザベートの見立ては間違っていたらしい。以前、彼女は『兄なら大丈夫。あれでも公爵家の嫡男なんだから』と言っていたが、どうやらクリフトファー様のメンタルは、立ち直れない所まで落ち込んでしまったようだ。
「今の僕は公爵家の跡取りじゃなく、なにも無いただのクリフトファーだ。その上で君に会いに来た」
さっきまでの憔悴し切った表情が一変し、クリフトファー様の目に光が戻ったように見える。
「アンリエット、改めて君に結婚を申し込みたい。こんな僕で良かったら受け入れて貰えないだろうか?」
なるほど...そう来たか...公爵家の跡取りという身分を棄てた今なら、私としても結婚することに躊躇いが無くなるんじゃないか? とクリフトファー様は思っているようだ。謝罪は私に会うための口実で、こっちの方が主目的って訳なんだな。
さて、どうしたものか...
チラッとアランの方を見ると、彼は苦笑しながら首を横に振っていた。
「謝罪は受け入れます。というより、別にクリフトファー様のことを恨んでいたりはしませんよ? 安心して下さい」
「ありがとう...そう言って貰えると救われる思いだ...」
クリフトファー様の顔にようやく少しだけ笑顔が戻った。とは言ったものの、謝罪のために来たというのは建前に過ぎないだろう。そこで私は、クリフトファー様の本音を引き出すためにちょっと踏み込んでみることにした。
「私に対する謝罪のためだけに、お忙しい中わざわざ我が領地まで足を運んでいただきご足労をお掛けしました。なんだかこっちの方が申し訳なく思いますよ」
「あぁ、いやいや。そんなこと気にしないでくれ。どうせもう暇な身の上だし...」
さて、ここはどう反応を返すべきだろうか?
①素知らぬ振りをして「えっ!? それってどういう意味ですか!?」とかなんとか問い掛けてみる。
②ここは正直に「えぇ、聞いております。随分と思い切ったことをなさいましたね?」とかなんとか言ってみる。
③余計なことはなにも言わず、ただ困惑したように首を傾げる。
どれが正解か悩んでる内に、クリフトファー様の方から続けて来た。
「どうやら既に聞いているみたいだね? 僕が家督を放棄したっていうことを?」
「えぇ...まぁ...」
そう言われちゃ認めるしかない。
「今回の件で身も心もボロボロになっちゃってね...自分の不甲斐なさのせいで二人の女性の未来を台無しにしてしまった...そんな僕がのうのうと家督を継いで、何事も無かったかのようにのほほんと暮らすってことがどうしても耐えられなかったんだ...」
どうもエリザベートの見立ては間違っていたらしい。以前、彼女は『兄なら大丈夫。あれでも公爵家の嫡男なんだから』と言っていたが、どうやらクリフトファー様のメンタルは、立ち直れない所まで落ち込んでしまったようだ。
「今の僕は公爵家の跡取りじゃなく、なにも無いただのクリフトファーだ。その上で君に会いに来た」
さっきまでの憔悴し切った表情が一変し、クリフトファー様の目に光が戻ったように見える。
「アンリエット、改めて君に結婚を申し込みたい。こんな僕で良かったら受け入れて貰えないだろうか?」
なるほど...そう来たか...公爵家の跡取りという身分を棄てた今なら、私としても結婚することに躊躇いが無くなるんじゃないか? とクリフトファー様は思っているようだ。謝罪は私に会うための口実で、こっちの方が主目的って訳なんだな。
さて、どうしたものか...
チラッとアランの方を見ると、彼は苦笑しながら首を横に振っていた。
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