我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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120 (第三者視点3)

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 まだ寝ぼけ眼な破落戸共の尻を蹴飛ばしながら、パトリックは昨日アンリエットを見掛けた辺りの場所に向かった。

「良し! ビンゴだ! おい、お前ら! ターゲットを確認したぞ!」

 そこにはちょうど馬車を降りたばかりのアンリエットの姿があった。いつもの従者も一緒だ。

「どれどれ...ヒュウ! 別嬪さんじゃねぇか!」

「おぉっ! 確かにいい女だな!」

「お相手してぇ~!」

「ちょっと待て、お前ら! ちゃんと分かってんだろうな? 手を出すのは男の方だけだぞ? 女の方には手を出すんじゃないぞ? 契約を破ったりしたらタダじゃおかないからな!」

「分かってるって旦那、ちょっと言ってみただけじゃねぇか。そんな目くじら立てんなよ」

「おい、あの二人ちょうどいい具合に裏通りの方へ進んで行くぜ?」

「ホントだ。良~し! いっちょうやったるか!」

「旦那は物陰にでも隠れて出番を待ってな?」

「本当に大丈夫なんだろうな...」

 パトリックは段々不安になって来た。

「大丈夫だって! あんな優男の一人くらいなんとでもならぁな!」

「そうそう! 大船に乗ったつもりで見てな!」

 そう言って破落戸共は裏通りに消えて行った。パトリックは物陰に隠れながら尾いて行った。


◇◇◇


 物陰に隠れて耳を澄ますパトリックにこんな会話が聞こえて来た。

「あっ! 痛っ!」

「痛ってぇ! おうおう、姉ちゃん! どこ見て歩いてんだよ! 痛てぇじゃねぇか!」

「おい、大丈夫か!? あぁ、酷ぇ! こりゃあ間違いなく怪我しちまったなぁ! 治療代を請求しねぇとなぁ!」

「おい、姉ちゃん! 金を払えないってなら体で払って貰ってもいいんだぜ~! ゲヒャヒャヒャ!」

 聞くに耐えない下品な挑発だが、依頼したのは自分だから仕方ない。パトリックはちょうど良いタイミングで出るために機会を窺っていた。すると、

「へへへっ! 大人しくしな! ぐおっ!? びてぶっ!」

「うおっ!? て、てめえ! 舐めやがってこの! たわばっ!」

「こ、この野郎! よくもやりやがったな! あべしっ!」

 なんだか様子が変だ。なにか不測の事態が!? パトリックは慌てて飛び出して行った。


◇◇◇


「さすがね、アラン。瞬殺だなんて」

 アンリエットはアランとハイタッチを交わしながらそう言った。破落戸共は一人残らず地を這っている。

「まぁね~ セバスチャンさんに鍛えられてるから~」

「しかしまぁ...こんな輩はどこの町にも居るもんなのね...」

「だね~ ゴキブリ並みにしぶといから中々根絶やしには出来ないよね~」

「アラン、町の衛兵を呼んで来て貰える?」

「はいよ~」

 その時だった。

「おい、お前ら! なにをしてい...るぅ!?」

 最後の方はなんとも間の抜けた声になってしまったパトリックね姿がそこにあった。
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