我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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142 (第三者視点11)

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 やがてもう一人の隠密衆が馬車を曳いて合流した。エリザベートはアンリエットに向き直り、

「アンリエット、私達は一先ずこれで失礼するわね。早く帰ってこのバカ兄をとことん尋問しないと」

 そう言ってクリフトファーを軽く足蹴にした。

「えぇ、分かったわ。大変だろうけど頑張ってね。その...クリフトファー様...ちょっと常軌を逸してるように見えたから...」

「そうなの?」

「完全にイッちゃってる目をしてたわ...私のことを国外に連れ出そうとしてたし...」

「あぁ、逃走先に隣国を選んだって訳ね? 頭イカれててもそこら辺は抜け目なかったってことか。危なかったわね。隣国に逃げ込まれていたら面倒なことになる所だったわ」

「本当にね...」

「それじゃあそろそろ行くわね。あんた達、馬車に乗りなさい」

 エリザベートは投降した男達に向かってそう言った。

「このイカれ野郎は荷台にでも押し込んどいて」

 次にクリフトファーを足蹴にしながら隠密衆にそう指示した。

「アンリエット、色々と面倒掛けてゴメンなさい。またね。今度はゆっくり遊びに来ることにするわ」

「えぇ、待ってるわ。さようなら」

 エリザベート達を見送った後、

「二人共お疲れ様。帰りましょうか」

 アンリエットはアランとハンスに向かってそう言った。

「へ~い、あぁ疲れた...」

「私も久し振りに疲れました...」

「あら? ちょっと怖かったけど、私は結構楽しかったわよ? 白馬じゃない馬に乗った王子様も見れたし」

 そう言ってアンリエットは悪戯っぽく笑った。

「勘弁してよ...」

 王子様役を完全にエリザベートに取られてしまった格好のアランは、そう言って苦笑するしかなかった。


◇◇◇


「お嬢、手紙が来てる」

 あれから何日か経ったある日の昼下がり。アランがアンリエット宛の手紙を持って来た。

「誰から?」

「エリザベート嬢から」

「エリザベートから? なにかしら?」

 手紙に書かれていたのはクリフトファーの処遇に関してのことだった。

「ふうん...クリフトファー様、やっぱり精神的におかしくなっていたみたいで、持ち出した財産の在り処を吐かせた後は精神病院送りになったそうよ。そこは一生出て来れないような所なんですって」

「まぁ妥当な落とし所だよね。病気ってことにすれば家督を交代するにしても角は立たないだろうし」

「確かにそうね」

「なんにしてもこれで一件落着ってことか。お嬢のお相手だけはまたもや決まらなかったけど。お嬢、そろそろお祓いとか受けた方がいいんでない? ますますダメ男ホイホイに磨きが掛かってるよ?」

「うっさい! もう男なんて懲り懲りだっつーの!」

 アンリエットはアランに向かってクッションを投げ付けた。
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