我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「脳筋お嬢様...」

「なんか言った?」

「いえ、なにも...」

 チッ! 無駄に耳良いなコイツ。

「エリザベート様、念のためにこちらをお持ち下さい」

 そこへハンスがレイピアを持って来た。

「あら、ありがとう。フンフンッ! うん、中々良い手応えね」

「屋内で素振りすんの止めて欲しいんだけど...」

「ありゃ、こりゃまた失敬失敬!」

「ハァ...」

 私はため息を吐くしかなかった。

「大丈夫よ、アンリエット。心配しないで。この前と違って今回、バカ兄はスッカラカンでオマケに素手だからね。伝手も無いだろうし、すぐ捕まるわよ」

「だといいんだけど...」

 なんとなく私は言い知れない不安に苛まれていた。


◇◇◇


 夜になった。

「来ないわね...」

「今日じゃないのかしらね...」

「外の見張りはどうすんの?」

「アイツらは夜通しでも平気よ。でもアランは...」

「そうね...ハンス、悪いんだけどアランと交代して貰えない?」

「畏まりました」 

「無理しないでね?」

「なんのこれしき。どうぞお任せ下さい」

 ハンスが出て行った後、入れ替わりにアランが戻って来た。途端に私の心臓が高鳴る。

「お嬢、俺ちょっと出て来るわ」

「えっ!? こんな時間に!? どこ行くの!?」

「町の情報屋の所。なんか情報を掴んでないかと思ってさ」

「そう...」

「んじゃ、行って来るわ」

「アラン!」

 私は思わず呼び止めていた。

「ん? なに?」

「その...気を付けてね...」

「あいよ~」

 アランが出て行った後、エリザベートがニヤニヤ笑いながら近寄って来やがった...

「うっさい。なんも言うな」

「まだなんも言ってないじゃな~い♪」

「顔がうるさい」

「あら~♪ ゴメンなさいね~♪ 笑いが止まらないの~♪」

「ウザい...」

「ムフフ~♪ 甘酸っぱいのぉ~♪ 青春やのぉ~♪」

「お前もう喋るな!」

 私はクッションを思いっきり投げ付けた。

「イヤ~ン~♪ 怖い~♪」

 クソッ! 難なく受け止めやがった! これだから脳筋は!

「あ、あの~...」

 そこへ今度はウィリアムがおずおずと部屋に入って来た。

「ウィリアム、どうしたの?」

「いや、その...なんか厄介事が起こったのかなって...」

「あぁ、ちょっとね。あなたには関係無いことだから気にしないで? あ、でも屋敷から外には出ないでね?」 

「うん、それは聞いた。分かったよ。大人しくしてる。その...ケンカはしないでね?...」

 あちゃー....しっかり見られてたか...

「ケンカじゃないわ。ちょっとじゃれ付いてただけだから心配しないで?」
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