我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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 ウィリアムと別れた後、私は客間に戻ってしばらく悶々としていた。

 今後の身の振り方、つまりこれからのアランとの主従関係云々を頭に思い描いては悶絶するというのを繰り返し、段々頭がボーッとして来た。

 自分は一体アランとどんな関係になりたいのだろうか? これまで通り? それとも恋愛関係にまで発展させる?

 正直言ってまだ自分は中では結論が出ない。今までのような気の置けない主従関係で居た期間が長過ぎて、そこから先に進もうとする勇気というか気構えが中々湧いて来ない。そのせいで今まで築いて来たアランとの関係性が崩れたりしちゃうかも...なんてことを想像すると、踏み出すのが怖くて仕方ない。

 私の頭の中ではアランに対する想いと、自分のハッキリしない心が混ざり合ってパンクしそうになっていた。

「お嬢様、お手紙です」

 そんなグルグルと迷走していた私に、ハンスが手紙を持って来た。ちょうどいい。頭の中をちょっとリフレッシュさせる意味でも、なにか違うことに頭を使う方がいいだろう。

「誰から?」

「それが...差出人の名前がありません...」

「ふ~ん...なんか不穏ね...」

「どう致しましょう? 読まずに廃棄致しましょうか?」

「う~ん...」

 私はちょっと考え込んだ後、

「ハンス、あなたが読んでみて?」

「よろしいのですか?」

「えぇ、構わないわ。差出人不明の手紙なんて気持ち悪いものね」

「畏まりました。では失礼して...これは...」

「なんて書いてあったの?」

『アンリエット、本当に済まない。子供を、マックスをどうかよろしく頼む』

「これだけでした」

「貸して」

 私は手紙を受け取って筆跡を良く見る。

「内容含めて間違いなくパトリックからの手紙よね」

「えぇ、そう思います」

「う~ん...パトリックの筆跡だとは思うけど、ちょっと自信無いわね。ウィリアムを呼んで来てちょうだい」

「畏まりました」
 
 私が手紙の消印を調べていると、ウィリアムはすぐに飛んで来た。

「兄貴から手紙が来たって!?」

「えぇ、これよ」

 私は手紙をウィリアムに渡した。

「こ、これは...」 

「どう? パトリックの筆跡に間違いない?」

「あぁ、兄貴の筆跡だ。間違いなく兄貴が書いた手紙だ。これはどこから?」

「消印は隣国の王都になってるわね」

「王都...兄貴はそこに居るのか...」

「さぁ、どうかしらね。わざわざ王都に行って手紙を出しただけかも知れないし、これだけじゃなんとも言えないわね」

「あぁ、確かにそうだよな...」

「ねぇ、ウィリアム。パトリックは確信犯的に子供を置いてきぼりにしたことがこれでハッキリ分かった訳だけど、それでもあなたはパトリックに会いに行く?」

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