我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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 そう言えば兄がエリザベートん家に拉致られてすぐの頃、

『助けて.. 』

 って一言だけ書かれた兄の手紙が届いたことがあったっけな...

 あの時はきっと『精神的に追い詰められて大変なんだ』って心境を表しているんだろうなって思って『甘えんな!』とばかりに黙殺したもんだったけど、まさか物理的に拘束されているとは思わなかったよ...

「なんて言うか...ねぇエリザベート、あなたの家系って拉致だの監禁だの拘束だのって行為が好き過ぎない? 私、思わずクリフトファー様を思い出しちゃったんだけど...」

「失礼ね! あんなバカ兄と一緒にしないでちょうだいよ!」

「そんなこと言ってもさ...やってること同じっぽくない?」

 だってクリフトファー様も私を拉致しようとしたもんね。兄妹でやってること変わんないじゃんね?

「バカ言わないで! 私はバカ兄とは違うんだからね!」

「同じ血の流れを感じるのは私の気のせい?」

 公爵家って近親婚を繰り返してるから、血が淀んでいるんだって噂をどっかで耳にしたっけなぁ...

 高貴な血を絶やさないためには仕方のないことだって聞いたことあるけど、血が濃くなり過ぎて何代かおきに異常者が出るらしいってことも聞いたなぁ...

 高位貴族ってなにかと大変だよねぇ...ウチは平々凡々な貴族でホントに良かったよ...

「気のせいよ! あぁ、でも...不思議なことに私達の兄達には同じ雰囲気を感じるのよね...」

「ん!? それってどういう意味!?」

 私は首を捻った。

「牢番の話によるとね、バカ兄は『アンリエットに会いたい!』って毎日のようにずっと叫びっ放しだそうなのよ」

「う、うわぁ...な、なんて不憫な...」

 私は心の中で十字を切った。

「それでね、パパもここんとこ毎日のように『アンリエットの所に帰りたい!』って叫んでるのよ。帰さないけどね」

「うわぁ...その姿は想像したくねぇ...」

 私は心の中でもう一度十字を切った。

「二人の兄に崇拝されているなんて、アンリエットったら妹冥利に尽きるわね?」

「全然嬉しくねぇ...」

 私は心の底からウンザリした。

「と言うより、ウチのバカ兄にとってはアンリエットの姿が聖母様みたいに映ってるのかもね?」

「そんな柄じゃねぇよ...」

 なんだその高尚な表現は...こそばゆくなるわい...

「それじゃそういうことで。またね。お見合い頑張って」

「はいはい...」

 エリザベートが帰った後、ドット疲れた私はソファーに深々と身を沈めた。
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