絶死の森で絶滅寸前の人外お姉さんと自由な異世界繁殖生活 転移後は自分のために生きるよ~【R18版】

萩原繁殖

文字の大きさ
11 / 287

食って寝て繁って相談

しおりを挟む
 たぶん次の日。

 目が覚めると二人が横にいた。曜日の感覚がほぼないんだよね。仕方ないけど。両手を伸ばして抱き寄せる。うーん、最高。これぞ自由って感じ。

「あら、おはよう。朝から元気ね」

「ふふ、続きをするか?」

 えっ? えへへ。

 お言葉に甘えた。朝からスローライフ(意味深)は素晴らしいよ。それにしても二人とも体力どうなってんだろ。昨日の絶死ニンニクが効いているのかな。ていうか、それについていける僕って……。

 みんなで仲良くしたあと、ベッドの上でしっぽり毛繕いなんかしてた。僕はもちろん毛繕いなんてしたことなかったけど、目の前にふかふかの羽と毛があると、ついつい触りたくなってしまう。

 で、さわさわしてるうちに毛繕いのやり方を何となく理解してた。要は優しく触って、整えて上げることが大事なのだ。これがグルーミングってやつなのかな。

 二人とも共通して背中の毛繕いをすると心地良さそうにしてくれる。届かないところだしね。目を細めて喉を鳴らす。ちょっとくねくねする。うーん、やばい。
 
「あー、ケイー、そこだーそこそこーうあー」
 
 プテュエラが翼の下という新たなグルーミングスポットを開発されて、伸びきっている。身体がだらんと弛緩して、完全に野生を失っている。あのクール軍人系お姉さんはどこ行っちゃったの。これじゃ正月のOLだよ。ていうか寝るときは普通に横になって眠るんだね。

「ケイ、こっちもお願い。あれやって」

 プテュエラがぐったりして寝入ってしまったのを確認して、ベステルタがお願いしてくる。こういうところ優しいよね。優しくないって言ってたけどうそだよ。なんとなくベステルタの方が年上っぽいよね。

「じゃあ、ベス。横になって」

「ふふ。その呼び方恥ずかしいから、こういうときだけにしてね?」

 なんで恥ずかしいんだろ。女心は複雑だなあ。でもそうしておこう。
 
「ベスはこうやって背中を浄化マッサージされるのが好きなんだよね?」

「うー、そうなのよ。ほんとに気持ち良いの。なんだか、固くなった魔力の滞りが解れていくっていうか、そんな感じなのよ」

 『あれ』というのは浄化マッサージのことだ。一週間繁殖生活してた時、たまたま見つけた。浄化の出力を調整しようと思ってフレイムベアの肉に触わっていたら、なぞったところだけ色が変わったんだよね。もし魔力の流れを清浄なものにするのが浄化スキルなら、ベステルタの体内の魔力も良くなるんじゃないかと思って始めたんだよ。

 ベステルタはベッドにうつ伏せになり手を顎の下に組んで横を向いている。あれだ、ビキニのお姉さんが「オイル塗って?」って言うポーズだ。ええ、なんでも塗りますよ。やりますよ。

「でも魔力って浄化しなきゃいけないほど悪いものなの?」

「うーん、詳しくは分からないのよね。力の源であることは確かなんだけど。シュレアがそういうの詳しいのよね。今度会ったらきか……ない……と」

 新しい名前だ。シュレアさん。どなたでしょうか。もの知りそうだから理知的なのかな? いつかお会いできたら良いですね。

 ベステルタも蕩けるような顔で寝てしまった。僕は前の世界で少しだけマッサージ師みたいのをやってたことがあるんだけど、彼女の筋肉は素晴らしい。

 背筋は半端じゃないくらい分厚くボリュームがあって逆三角形だ。僧帽筋上部から下部にかけての盛り上がりが素晴らしく、大円筋が補うようにしっかりついている。脊柱起立筋は太くそれでいてしなやかだ。そして全ての筋肉が柔らかくてのびのびしている。指を当てているこっちが気持ち良いくらいだ。

 さっきまで寝てたのに、またすやすや眠る二人を見ているととても幸せな気持ちになってくる。正直、こっちに来た寂しさで突然泣いたりしそうなことがあるんだけど、彼女たちのおかげで持ちこたえている。

 もし、人の街に行くことがあったらブラシを買って毛並みや羽を整えてあげたいな。なんか彼女たちの毛並みに触れているとすごい幸せな気持ちになってくるんだよ。なんでだろうね。アニマルセラピーってやつかな? 動物って言ったら怒るかもしれないけどさ。

 それにしてもスキルはすごい。
 生活魔法は文字通り科学が無くても生活を豊かにしてくれるし、浄化スキルはすごいポテンシャルを秘めてる。まさかのマッサージ効果もありそうだからね。言語理解は無くてはならないものだし。でも繁殖生活に欠かせないのはやっぱり頑健だ。

 前の世界ではもちろんモテるってことはなく、ふつーだった。だからこんな猛獣相手の経験無かったし、ましてや二人相手なんて想像したこともなかった。いやまあ、妄想はしてたけど。

「頑健が無かったら今頃腎虚になってるよね」

 最初の一週間、このまま搾り取られてしぬんじゃないかなと思った。でも一度死んだようなもんだし、いけるところまでやってやろうという気持ちだった。そしたら意外と慣れた。もちろん気合い入れないとだめだけど、最初の頃の絶望感は無い。

 その余裕も新しくプテュエラが加わって早々に打ち崩されたけど、また慣れてきている感じがする。ちょっと怖い。だって一日何回衛星打ち上げてるんだよと思う。十回を超えた辺りで僕は数えるのを止めた、って感じ。

 こんなにタフになった要因は二つあると思う。一つは食べ物。フレイムベアの肉が下半身にめちゃくちゃ効くのではということ。もう一つは『頑健』だ。思うに物理的にも健康的にも頑丈になるスキルなんじゃないかな。そうじゃないと説明がつかない。ぜつりん効果もあるのでは。

 無防備に寝息を立てる亜人たち。そっと身体を撫でるとくすぐったそうに身じろぎする。

 やっぱりこれからもっと増えるんだろうな。大変だけど、幸せだ。美味しいもの食べて、繁殖して。気持ち良いことしかしてない。サラリーマンしてた頃には無かった感覚だ。電車に押し込められて社会の部品だったころと今では、今の方に歓びを感じる。

 亜人たち、彼女たちには感謝しかない。彼女たちのために何か……、おっといかんいかん。とにかく幸せを追い求めよう。自由を失わないようにしよう。その結果周りも幸せになったらいいな。



「ふわあ、すっかり寝ちゃったわ」

「こんなによく寝たのは久しぶりだ」

 あの、ぐーっと伸びをすると、けっこう強調されてもぞもぞしてしまいます。

「亜人はあんまり寝ないの?」

「そういう訳じゃないんだけどね。あんまり寝る必要も無いし」

「私はベステルタみたいに家を持たないからな。居を構えるなんて煩わしいだけと思っていたが、案外悪くないな」

 まさかの事実。プテュエラさんホームレスだった。

「えっ、何処かに住んでないの?」

「ケイ、あんまり亜人は人間みたいに定住するってことはしないんだ。みんな自由にやってるよ。ベステルタとかシュレアみたいのは変わり者の部類だな」

「あなただってたまに帰る場所くらいあるでしょ?」

「あるけどここみたいにちゃんとはしてないぞ。雨避けみたいなものだ」

 ふーむ。それはどうなんだろうか。完全に僕の我が儘だけど、プテュエラの綺麗な髪や羽が野晒しになってしまうのはちょっともったいない。

「もしかしてプテュエラ、しばらくしたらここから離れるつもりある?」

「もちろんそのつもりだったが、今はどうしようかと思っているな。ケイやベスとこうしているのは心地がよいんだ。離れたくない」

 真っ直ぐ瞳を見つめてそう言う。堕ちるんだが? まあもう堕ちてるけど。

「ならずっとここにいればいいじゃない」

 さらに真っ直ぐ答えるベステルタ。二人とも心を偽らないね。

「ここの主はベスだからな。許してくれるなら喜んで滞在させてもらおう。だが、私が来たら少し手狭にならないか? それが心配なんだ」

「ああ、確かにそうね。これからまだ増えるかもしれないもの。どうしたものかしら……」

 困ったようにしている二人。プテュエラはベステルタより小さいけど、一般的な人間よりはずっと大きい。羽も広げたいだろうしね。それにもし増えるとなったら完全にキャパオーバーだ。となると。

「増築した方がいいんじゃない?」

 やり方なんて分からないけども。

「それはもちろん考えたげど、方法なんてしらないわよ?」

「ちなみにここはどうやって作ったの?」

「いい形の洞窟探して少しずつ改良していったのよ。苦労したわ」

 しみじみと遠い目をする。自宅DIYはすごいな。でも、やっぱり建築の知識は無いか。当たり前だね。

「誰かそういうの知ってそうな知り合いいる?」

「うーん、シュレアくらいしか心当たりないけど、多分彼女もあんまり知らないと思うわ」

「あいつ知識は豊富だけど研究狂いだからな」

「まあでも訊くだけ訊いてみましょうか。どうせ亜人は遅かれ早かれケイと会うことになるんだし。暇を見て呼んでくるわね」

 おっ、前から話が出ていたシュレアさんにとうとう会えるのか。楽しみだな。

「ただ、ちょっと今どこにいるか分からないから時間かかるかもしれないわ」

「気にしないで、ありがとう。楽しみだよ。他に案ある?」

「うむ、ちょっと思い当たらないな」

「わたしも」

 ……いちおう僕は一つあるんだけど言っても大丈夫かな? 反対されそうな気もするけど。いやいや、言うべきことは言わないと。それで今までの人生損してきたんだから。

 よし、言うぞ。

「ま、街に行って人に訊くってどう?」

 やべ、どもった。

「ああ、その手があったわね。ここからなら迷宮都市デイライトが一番近いわ」

「悪くないな。近くまで何度か行ったことあるから私が連れていってやろう」

 あ、あれ。全然問題無かった。もっと拒絶したり難色示されるかと思ったけど。

「何よその目。……ああ、わたしたちが人間を憎んでないか、街に行って問題ないか心配してるのね。ふふ、優しいじゃない」

「はは。憎む気持ちも無いでもないが、私たちは長生きだからな。人と違って一つの感情に長い間とらわれないのさ」

「人にも良いのがいるのも知ってるしね。まあ舐めたらぶっ飛ばすけど」

「うむ」

 あっけらかんと話され拍子抜けしてしまった。

 まあ確かに圧倒的な強さを持っているのに人を武力で支配しなかった訳だし。僕たちとは心の広さが全然違うのかもしれない。見た目は人と異なるけど、人よりずっと大きいんだろうな。

 ん? 心の広さ?
 見た目よりずっと大きい?

 まって、閃いた。魔法の鞄に家入らないかな?
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...