絶死の森で絶滅寸前の人外お姉さんと自由な異世界繁殖生活 転移後は自分のために生きるよ~【R18版】

萩原繁殖

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相談

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 シュレアとベステルタはいったん絶死の森に送還した。二人で温泉入るらしい。いいなあ。よし、今夜には帰るようにするぞ。

 プテュエラはご出勤。身支度を整えて、いつものように僕を護衛してくれる。なんかいいな、こういうの。後でお肉を買ってあげよう。あ、三人にプレゼント買わないとな。シルビアさんに在庫あるか確認しよう。

 ああ、あとコスモジアの製造場所どうするか考えないとな。シルビアに任せちゃってもいいんだけど。うーん。

 プテュエラを伴ってゴドーさんところに行く。ジム器具の回収だ。昨日の今日だけど、完成しているのかな?

「ゴドーさん、器具受け取りに来たよ」

「おお、ケイか。ばっちりできているぞ。持ってけ」

 ゴドーさんが何十キロもありそうな無骨ダンベルを放ってくる。あっぶな。でも、軽く受け止めてしまった。こっわ。

「おらおら、場所とって仕方ねえんだ。さっさと持って行きな」

「うわ、危なっ」

 ゴドーさんがぽいぽいダンベルを投げてくる。僕はそれを魔法の鞄で直接受け止めて収納していった。
 
 最初は片手だったけど、だんだん両手を使うようになって、一番重いのは台車で運んできた。でも、形は小さい。何でだろう。

「これは特別重い鉱石を使ってるからな。見た目以上に重いぜ。大型獣人でも苦労すると思うぜ」

 マジか。

 持ってみよう。

 ふんぬ。

「くっ、持てるけどこれは重いね」

 体感、フランチェスカよりかなり重い。これは良いトレーニングになりそうだ。

「なあ、ケイ。金は貰ったから作ったけどよ、本当にこんなんで強くなるのか? 仲間の鍛冶屋たちも首を傾げていたぜ」

 なる……はず。だって自分で実験したもん。あれが転移者だけの現象じゃなければだけど。

「問題ないよ。ありがとう」

「ならいいんだけどよ」

 納得いってなさそうだけどきちんと仕事はしてくれる。職人の鑑だ。またいろいろ発注させて頂こう。

 そうだ。シルビアのコスモジア製造設備についても話通した方がいいかもしれない。

「ゴドーさん、もしかしたら後日、シルビアっていうって人が依頼に来るかも。その時は話を聞いてあげてください」

「ケイ、俺は人族の依頼は基本的に受けねえぞ」

 難しい熊顔のゴドーさん。
 そうだった。ゴドーさんは身内を人族のアセンブラ教徒に害されたって言ってた。あいつら本当に滅んだ方が良い気がしてきた。

「その人はアセンブラ教のせいで身内を間接的に亡くしているんだ。近いうちにジオス教に入教する予定なんだけど…」

「ふーむ。そういう事情か。
 ……カリン嬢ちゃんが入教認めたのなら依頼受けてもいいぜ」

 条件付きで認めてくれた。よかった。

 あ、ゴドーさんにコスモジア製造場所について相談してみよう。

「ところで、そのシルビアが極秘に製造したがっている製品があるんだけど、良い場所知らない?」

「極秘ってのが気になるが……、従業員はジオス教徒の方が良いよな?」

 そりゃ、もちろんだ。むしろジオス教徒だけで製造したいんだけど、どうしたもんか。

「ならリッカリンデン孤児院で製造すればいいんじゃねえか? 話通しやすいだろ」

「あっ」

 うっわ。完全に盲点だった。
 
 そっか、リッカリンデンならジオス教徒しかいないし、みんなとも知り合いだ。さらにブラガさんやゴドーさんとも知り合いで、横のつながりもある。何より、孤児院の定期的な収入源にもなるし、子供達は商売のやり方や技能も身につけられる。ウィンウィンじゃないか!

「ありがとう! 相談してよかった!」

「お、おう。感謝されるのはいいけど、思いつかなかったのか? それくらいお前さんなら思い付きそうだが」

 いやいや。買い被り過ぎだ。僕なんてマジで大したことない。仕事全然出来ないし。分かんないことだらけだ。

 相談することの大切を思い知ったよ。

「いやー、本当にありがとう。それが片付いたら、しばらく拠点に戻るよ。一、二週間くらいかな」

「おう、……って。お前さん、デイライトに住むんじゃないのか? 今どこに住んでいるんだ?」

 あれ、言ってなかったかな。まあ言って問題ないよね。ジオス教徒だし。

「絶死の森だよ」

「はあ?」

 きょとんとするゴドーさんを残し、リッカリンデン孤児院へ向かった。


…………


「ケイ様、おはようございます」

「「「おはようございます!!!」」」

 柔和に微笑むカリンと、元気一杯の子供達。癒やされる。

「おはよう。みんなにプレゼントがあるよ。大したものじゃないけど」

「プレゼント? まさか下賜して頂けるというのですか……? ありがとうございますこのカリン」

「わかったわかった。とにかく受け取ってくれ」

 カリンのシモベムーブを制して、ダンベルやら懸垂マシンを鞄から取り出す。

「ひん、師匠。これは?」

「これは……力が強くなって、うまくいけばレベルが上がる道具だよ」

 たぶん。まあ嘘ではない。少なくとも力がつくのは確かだ。

「レベル! アニキ、ありがとう!」

 リーノウが元気一杯だ。この子は素直で本当に癒やされる。ザルドもいい子なんだけど目標がね……。

「これで強くなってお姉様と……」

 ぶつぶつと何やらつぶやくバルデ。一番心配なんだけど、確固たる目標があるのはいいことなのかもね。

「ひん、師匠。どうやって使えばいいですか?」

 つぶらな瞳で上目遣いしてくるショタリザード。この子があっと言う間に大きくなるなんて信じられないな。

「いいかい、みんな。これはね……」

 僕はしばらく子供達と何故かカリンにも基本的な筋トレを教えた。

 主にダンベルフライとダンベルスクワット、懸垂、もしくは過重懸垂だね。ちなみにバーベルは場所取りそうだから発注していない。ベンチは何台か作ってもらったからその利用方法も教えた。後は細々とダンベルカールとかショルダープレスとか。
 本当は子供のうちから筋トレするのは駄目って聞くけど、ここは異世界でレベルもあるからね。前の世界の常識を意識し過ぎても良くないだろう。
 
 今更だけど僕はそこそこの筋トレ好きだった。ガチ勢って訳じゃないけど。痩せ型だから強くなりたかったんだよな。子供達の中にもそういう子がいて、助けになると願っているよ。
 
「ていうかカリンも筋トレするの?」

 一番軽いダンベルをへっぴり腰で持ち上げるカリン。

「は、はい、ケイ様。その、この前のことで体力不足を痛感しまして……」

「ああ……」

 あれか。あれはまあ、僕にも落ち度あるからなあ。確かに、けっこうぷにぷにだった。いや、長所だと思うんだけど。

「それならカリンはダンベル無しのスクワットと懸垂、孤児院の周りを走ることから始めよう」

「はい!」

 いきなりダンベル使って身体壊すのは本末転倒だからね。
 個人的には懸垂が最強種目だと思っている。で、下半身はスクワットorランジだ。異論は認める。あまりやること増やすと面倒くさくなるからこれくらいにしておこう。

「うおー! 鍛えるぜーっ!」
「お姉様のお役に立つのです!」
「ひん! 繁殖! 繁殖!」

 一通り子供達に筋トレのやり方を教えると、わーっ、と駆け出して各々が筋トレを始める。効率はあるけど、筋肉は個人差があるからね。それぞれにあったやり方を見付けて、筋トレライフを楽しんでほしい。あ、そうじゃないか。

「ザルド……」

 だからこそ、君には繁殖ショタではなく筋トレショタにシフトしていってほしい。君の将来が心配だ。

「ザルドがどうかしたのですか?」

 おっと、感傷に浸ってしまった。カリンが話しかけてくる。

「いや、気にしないで。それより昨日言ってたことだけど」

「はい、新たな信者のことですね?」

 キラリ、と目が光る。シルビア、頼むからカリンみたいに狂信化はしないでくれよ。

「そうなんだけど、話が少しだけ複雑なんだ。でも孤児院とジオス教にもプラスな話だと思う。聞いてくれる?」

「もちろんでございます。リッカリンデンとカリンは常にケイ様に開かれております」

 にっこり。

 もうその言い回しには突っ込まないよ。

 僕はコスモジア製造とシルビアの入教、そしてゴドーさん発案のリッカリンデン工場のプランを説明していった。


…………


……


「ケイ様、そのご計画、まさにジオス神のお知恵の如き神算鬼謀。感服の念を禁じ得ません」

「そ、そっか。ならよかったよ」

「はい、素晴らしいご計画かと。
 
 新しい信者の獲得、ジオス教の布教、孤児院の慢性的な収入不足の解決、子供達の就労、ジオス教徒同士の団結力向上、憎きアセンブラへの打撃。メリットはいくらでも挙げられます。それを一手で行ってしまうとは……。このカリン、三千世界の果てまでもお供する所存です」

 言語理解スキルが三千世界の翻訳元をどう解釈したのか気になる。

 まあ、でも実際メリットはあるよね。ただ、カリンに相談したのは、計画にあたって何か問題が無いかを確認するためだ。

「何か気になる点はない?」

「そうですね。そのシルビアさん、という方とは色々話す必要がありそうですが。
 まずは、やはり、孤児院の増築は避けられないかと。今のままでも可能かもしれませんが、製造規模が現時点では不明ですし、礼拝堂を工場として扱うのは問題が。それと申し上げにくいですが費用の面でも……」

 申し訳無さそうなカリン。

 そりゃそうだ。それは僕も懸念していた。

「費用は僕が出すよ」

「そんな訳には」

「なら、借りるってことにして、将来返してくれたらいいよ」

 その方が気楽だよね。こっちとしては返されるつもり無いけど。

「申し訳ございません。過分なご厚意痛み入ります。
 他にはどこに卸すか、という問題もございます。如何お考えでしょうか?」

 おっ、これは僕にも思考を促してくれているのかな。

「やっぱり商業ギルドじゃないかな」

 あそこは公共施設である程度フェアなはずだし、資本もある。何と言っても僕に借りがあって落ち度があるのが素晴らしい。副ギルマスに感謝だな。えーっと、アル、アルフィンさんね。ありがとうございます。

「仰る通りです。商業ギルドは選ばれた大商会が運営し、ここ数十年に渡りオルスフィン商会が歴任しています。まず、間違いないでしょう」

 はー、そういう仕組みだったのね。でも考えてみれば当たり前か。つまり超やり手の商業エリートの伏魔殿か。やべ、今更ながら冷や汗が。よくもまあ、あんな啖呵切ったよな。

「後は警備の問題もあります。物が物ですから、抑止としての武力確保が急務です」

 それなあ。亜人一人付ければ解決なんだけど、それじゃ彼女たちに申し訳無い。ていうか、それじゃほぼプテュエラに担当してもらうことになっちゃうし。カリンたちも遠慮するだろう。何でもかんでも、亜人に頼るのは良くない。

 それに、最終的には僕や亜人無しで、この計画が回る必要がある。だから現地のリソースでやりくりした方が、後々やりやすいだろう。

 強制的にでも命令を守らせることができて、最悪の場合には、後腐れなく切り捨てることができる人材……。

「奴隷、とか?」

「それが宜しいかと」

 断言するカリン。意外だ。孤児院や教会に寄与する人間だから、反対すると思っていた。

 ……いや、何も言うまい。

 カリンも思うところあるだろうに、言ってくれたんだ。それをぐちぐち突き回すのは野暮だ。

 ていうか、奴隷はやっぱりいるのか。この世界も結構厳しいな。

「分かった。じゃあその方向で。これから例のシルビアさん連れてくるから、よく話し合ってね。入信もお願い」

「はっ。早急に資料を作成します」

 そう言って、そそくさとリッカリンデン孤児院に入って行った。この子本当にシスターなのか? めっちゃ有能だ。僕のアバウトな素人指示の意図を汲んでくれる。もし会社にいたら、上司を駄目にする部下になっていただろう。

 さて、シルビアさんを呼んでこよう。ああ、その前に商業ギルドにお金貰いにいこう。換金はまだだろうけど、追加のフレベ(フレイムベア)素材とダンボ(ダンプボア)、ブラサ(ブラッドサーペント)素材卸せばどうにかなるでしょ。
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