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「「我が名は……」」
「はいーストップー」
ダークアクションをインターセプトする。させないよ?
教会に着いて、早速報告を聞こうと思ったらバルデの「我御姉様所望する者也」という修羅の如き視線が飛んできたので、ベステルタを召喚しプテュエラと一緒に子供たちの相手を頼んだ。今は遊びという名の訓練をしている。バルデは打って変わって天使のようにきらきらの笑顔だ。
そして遊ぶ子供たちの動きにキレがあるのが末恐ろしい。それでも亜人にとっては子犬がじゃれつくようなものだが。
「だぶるおねええええええええさああああああ!!!」
案の定バルデが突撃。続いて他の子どもたちも飛び込んでいく。
「バルデは元気ねー」「ああ、ジオス神の子らが元気なのは嬉しいな」
元気すぎる気もするが。
「……亜人を初めて見ました。美しく力強い存在なんですね……」
あの痴態を見てその感想が出てくるのはすごい。初見補正入っているな……。
「シルビア、あなたはもうジオス教徒なんだから様をつけなさい。ただ、その心持ちは素晴らしいと言っておきましょう」
きゃっきゃと子供たちのはしゃぐ声を背に、大人はお仕事のお話だ。
「……それで報告って?」
その大人たちは、雑然と色んなものが積み上げられた大きなテーブルを囲んで話している。なんか下着みたいのがぶら下がっているけど無視しよう。たぶんシルビアのだ。カリンが苦い顔しているし。絶妙に有り難くないが、青と白。
「まずは、ブラス家に伝わる、コスモディア製造に欠かせない錬成器具。これをカリンさんの紹介でゴドーさんに作ってもらうことにしました。前金はケイからもらったのを渡したので張り切っていましたよ。伝手を頼ってフル稼働だそうです」
「ポーションの入れ物も?」
「紋章が描かれた入れ物ですね。同じく注文済みです。それはカリンに話を聞きながらデザインしました。えーっと、どこだっけ」
がさごそ、とテーブルを漁る。その度に物が落ちる。片っ端からカリンが拾って整理していく。
伝手ってジオス教徒かな。でもアセンブラは多方面から恨み買ってそうだから、そういう組織があるのかもね。だからやる気あるのはお金だけじゃなくアセンブラにダメージ与えられるからだと思う。
そう言えば身内を害されたって言っていたけど、生きているんだよね。毒とかなら治せるはずだから、今度それとなく訊いてみようかな。
「あ、あった。これが設計図です」
シルビアはテーブルにどん、と設計図を広げる。ほー、どれどれ。うわっ、絵が上手い。
「へー! 入れ物はいい感じだね。ジオスの紋章が活かされてる。カリンは絵が上手いね」
「恐縮です」
嬉しそうなカリン。絵心あるんだね。羨ましい。ジオス紋章が普及すれば、ジオス神の力も少しずつ上がる訳だからね。
ただアセンブラに気付かれないように自然なデザインにしなきゃいけないんだけど、元がシンプルな「Λ」のマークだから活かしやすいんだろうな。よかった。
ちなみに上から目線になったけど僕に絵やデザインのセンスなんて無いからな。
さて、錬成器具の方はどうだろう。こっちは見ても分からなさそうな気もするけど……。
「ん……? これ蒸留器に似ているね」
「蒸留器ですか?」
カリンが首をかしげる。
いや、かなり曖昧な記憶だけど。昔酒好きの友達とウイスキー工場に行って見たことがあるんだよね。流石に最新の物ではないが、かなり似ている。
「もしかしてコスモディアって、酒に浸けてその上澄みを抽出するの?」
「……おおむね正解です。なぜ分かったんですか?」
シルビアが信じられないような目で見てくる。前世の記憶、とはまだ言えないな。
「シルビア、ケイ様は使徒様ですよ? 卑賎なわたくしたちより知恵に優れるのは当然のこと。だからもっと敬いなさい。せめて下着はしまいなさい」
「あーもう、カリンはずっとこの調子なのよ……まったく。どう思いますか?」
なんで僕に振るねん。ずっと二人でその尊い会話続けていてくれよ。
「……笑うしかないんじゃないかな?」
「なんでケイがニヤニヤしているんです?」
おっと、申し訳ない。
「まぁちょっと知識があっただけだよ。これはより酒精の強いお酒を造る器具に似ているんだ。もしそんな酒作れたら酒好きの種族なら喜ぶだろうね。蒸留酒って知ってる?」
「いえ、寡分にして存じ上げません」
カリンは知らなそうだ。あまり流通していないか、秘匿されているか。いや、コスモディアポーションみたいに別の形で伝わっている可能性があるか。
やっぱりドワーフとかに上げたら喜ぶのだろうか。酒好きっていったらやっぱ彼らだけど。そういう決めつけは良くないか。……あれ、もしかして業者の人たちドワーフだったか?
「……お金の香りがしますねぇ」
ギラついた瞳。うーん、この金貨アイ。路地裏で会ったら逃げるよ。欲望が匂いたつなぁ。
「余力があったら作ってみようか」
「宜しくお願いいたします、ぐへへ」
「シルビア、よだれを拭きなさい。みっともない」
「ヴぁー、自分で拭けるって」
幼児退行していない? お金儲けで精神が若くなっていくって聞いたこと無いんだが。ちょっと心配になってきた。商談になれば元に戻るよね?
「失礼しました。次に増築に関してですね。これに関しては相談があります」
「そちらに関しては僭越ながらわたくしが」
カリンが申し訳無さそうに切り出した。シルビアも言いにくそうな顔だ。なんかあったのかな。
「初めてお会いした時に借金取りの方々が来ていたのを覚えていらっしゃいますか?」
あ、あぁー。いたねそんなやつ。確かプテュエラの力で追い払ったんだよね。世紀末ヒャッハーな見た目だったけど。
「あの後、激しい取り立ては無くなりました。しかしこの増築を見られてしまったので……」
……ああ、それはめんどくさくなりそうだな。実際お金あるからね。
「ごめんなさい、私が先走って受注したのが原因です。カリンは悪くないんです」
「いいえ、わたくしにはシルビアに説明義務があった。それを怠ったのはこちら責任。あなたが気にすることはありません」
庇い合う二人。いやー、もうこれはさっさと借金返しに行こう。僕が立て替えれば済む話だし。
「わかった。それは何とかするよ。他には?」
「失礼しました。次に労働力、そして自衛手段の確保です。カリンと相談しましたが、ポーション製造労働力に関しては子供たちに任せられます」
あ、追加の労働力は現時点では必要ないんだね。そんなに簡単なんだね。それなら孤児院としての収入も、子供たちの就職先もひとまず問題ないか。
「ただ、自衛手段に関してはやはり厳しく……」
まあそれはそうだよね。それで、前回帰る前に奴隷購入の検討してって言ったんだよな。ずっと亜人にいてもらう訳にもいかないからな。
「それは仕方ないよ。奴隷の購入についてはどうなったの?」
「はい。商業ギルドに斡旋して頂こうかと」
困ったときの商業ギルド。どうせこの後行く必要があるんだし、ついでに確認してみるか。でも、僕はスポンサーなのであって代表はシルビアだからね。
「了解。それじゃシルビア、一緒に商業ギルドに行こうか。この後ちょうど用事があるんだよ」
「分かりました。身支度整えますね」
そう言っておもむろに目の前で服を脱いで着替えだす。あっという間に下着姿。青が好きみたいだ。
「……彼女に恥じらいは無いの?」
「……どうもそこら辺の意識が希薄なようで。子供たちもいるので止めて欲しいのですが」
おいおい、マジで悪影響になるよ。こんなズボラな大人になってはいけないよ、って忠告しないとな。
「カリンー、商会の名前は?」
「ああ、そうでした」
別の部屋で化粧しているシルビアの声にカリンが応えた。
「ケイ様。この度の事業、シルビアと勘案した結果、商会を発足させることにいたしました。商会名を考案したのでご確認ください」
まあ、シルビアが個人事業主的なままやっていく商売内容じゃないもんね。どんな名前だろう。
「はい、シルビア、ケイ様、そこに恐縮ではありますがわたくしの名前を合わせて『ブラタネリ商会』でいかがでしょうか」
……大丈夫かなそれ。ほとんどブラタ〇リだけど。
「はいーストップー」
ダークアクションをインターセプトする。させないよ?
教会に着いて、早速報告を聞こうと思ったらバルデの「我御姉様所望する者也」という修羅の如き視線が飛んできたので、ベステルタを召喚しプテュエラと一緒に子供たちの相手を頼んだ。今は遊びという名の訓練をしている。バルデは打って変わって天使のようにきらきらの笑顔だ。
そして遊ぶ子供たちの動きにキレがあるのが末恐ろしい。それでも亜人にとっては子犬がじゃれつくようなものだが。
「だぶるおねええええええええさああああああ!!!」
案の定バルデが突撃。続いて他の子どもたちも飛び込んでいく。
「バルデは元気ねー」「ああ、ジオス神の子らが元気なのは嬉しいな」
元気すぎる気もするが。
「……亜人を初めて見ました。美しく力強い存在なんですね……」
あの痴態を見てその感想が出てくるのはすごい。初見補正入っているな……。
「シルビア、あなたはもうジオス教徒なんだから様をつけなさい。ただ、その心持ちは素晴らしいと言っておきましょう」
きゃっきゃと子供たちのはしゃぐ声を背に、大人はお仕事のお話だ。
「……それで報告って?」
その大人たちは、雑然と色んなものが積み上げられた大きなテーブルを囲んで話している。なんか下着みたいのがぶら下がっているけど無視しよう。たぶんシルビアのだ。カリンが苦い顔しているし。絶妙に有り難くないが、青と白。
「まずは、ブラス家に伝わる、コスモディア製造に欠かせない錬成器具。これをカリンさんの紹介でゴドーさんに作ってもらうことにしました。前金はケイからもらったのを渡したので張り切っていましたよ。伝手を頼ってフル稼働だそうです」
「ポーションの入れ物も?」
「紋章が描かれた入れ物ですね。同じく注文済みです。それはカリンに話を聞きながらデザインしました。えーっと、どこだっけ」
がさごそ、とテーブルを漁る。その度に物が落ちる。片っ端からカリンが拾って整理していく。
伝手ってジオス教徒かな。でもアセンブラは多方面から恨み買ってそうだから、そういう組織があるのかもね。だからやる気あるのはお金だけじゃなくアセンブラにダメージ与えられるからだと思う。
そう言えば身内を害されたって言っていたけど、生きているんだよね。毒とかなら治せるはずだから、今度それとなく訊いてみようかな。
「あ、あった。これが設計図です」
シルビアはテーブルにどん、と設計図を広げる。ほー、どれどれ。うわっ、絵が上手い。
「へー! 入れ物はいい感じだね。ジオスの紋章が活かされてる。カリンは絵が上手いね」
「恐縮です」
嬉しそうなカリン。絵心あるんだね。羨ましい。ジオス紋章が普及すれば、ジオス神の力も少しずつ上がる訳だからね。
ただアセンブラに気付かれないように自然なデザインにしなきゃいけないんだけど、元がシンプルな「Λ」のマークだから活かしやすいんだろうな。よかった。
ちなみに上から目線になったけど僕に絵やデザインのセンスなんて無いからな。
さて、錬成器具の方はどうだろう。こっちは見ても分からなさそうな気もするけど……。
「ん……? これ蒸留器に似ているね」
「蒸留器ですか?」
カリンが首をかしげる。
いや、かなり曖昧な記憶だけど。昔酒好きの友達とウイスキー工場に行って見たことがあるんだよね。流石に最新の物ではないが、かなり似ている。
「もしかしてコスモディアって、酒に浸けてその上澄みを抽出するの?」
「……おおむね正解です。なぜ分かったんですか?」
シルビアが信じられないような目で見てくる。前世の記憶、とはまだ言えないな。
「シルビア、ケイ様は使徒様ですよ? 卑賎なわたくしたちより知恵に優れるのは当然のこと。だからもっと敬いなさい。せめて下着はしまいなさい」
「あーもう、カリンはずっとこの調子なのよ……まったく。どう思いますか?」
なんで僕に振るねん。ずっと二人でその尊い会話続けていてくれよ。
「……笑うしかないんじゃないかな?」
「なんでケイがニヤニヤしているんです?」
おっと、申し訳ない。
「まぁちょっと知識があっただけだよ。これはより酒精の強いお酒を造る器具に似ているんだ。もしそんな酒作れたら酒好きの種族なら喜ぶだろうね。蒸留酒って知ってる?」
「いえ、寡分にして存じ上げません」
カリンは知らなそうだ。あまり流通していないか、秘匿されているか。いや、コスモディアポーションみたいに別の形で伝わっている可能性があるか。
やっぱりドワーフとかに上げたら喜ぶのだろうか。酒好きっていったらやっぱ彼らだけど。そういう決めつけは良くないか。……あれ、もしかして業者の人たちドワーフだったか?
「……お金の香りがしますねぇ」
ギラついた瞳。うーん、この金貨アイ。路地裏で会ったら逃げるよ。欲望が匂いたつなぁ。
「余力があったら作ってみようか」
「宜しくお願いいたします、ぐへへ」
「シルビア、よだれを拭きなさい。みっともない」
「ヴぁー、自分で拭けるって」
幼児退行していない? お金儲けで精神が若くなっていくって聞いたこと無いんだが。ちょっと心配になってきた。商談になれば元に戻るよね?
「失礼しました。次に増築に関してですね。これに関しては相談があります」
「そちらに関しては僭越ながらわたくしが」
カリンが申し訳無さそうに切り出した。シルビアも言いにくそうな顔だ。なんかあったのかな。
「初めてお会いした時に借金取りの方々が来ていたのを覚えていらっしゃいますか?」
あ、あぁー。いたねそんなやつ。確かプテュエラの力で追い払ったんだよね。世紀末ヒャッハーな見た目だったけど。
「あの後、激しい取り立ては無くなりました。しかしこの増築を見られてしまったので……」
……ああ、それはめんどくさくなりそうだな。実際お金あるからね。
「ごめんなさい、私が先走って受注したのが原因です。カリンは悪くないんです」
「いいえ、わたくしにはシルビアに説明義務があった。それを怠ったのはこちら責任。あなたが気にすることはありません」
庇い合う二人。いやー、もうこれはさっさと借金返しに行こう。僕が立て替えれば済む話だし。
「わかった。それは何とかするよ。他には?」
「失礼しました。次に労働力、そして自衛手段の確保です。カリンと相談しましたが、ポーション製造労働力に関しては子供たちに任せられます」
あ、追加の労働力は現時点では必要ないんだね。そんなに簡単なんだね。それなら孤児院としての収入も、子供たちの就職先もひとまず問題ないか。
「ただ、自衛手段に関してはやはり厳しく……」
まあそれはそうだよね。それで、前回帰る前に奴隷購入の検討してって言ったんだよな。ずっと亜人にいてもらう訳にもいかないからな。
「それは仕方ないよ。奴隷の購入についてはどうなったの?」
「はい。商業ギルドに斡旋して頂こうかと」
困ったときの商業ギルド。どうせこの後行く必要があるんだし、ついでに確認してみるか。でも、僕はスポンサーなのであって代表はシルビアだからね。
「了解。それじゃシルビア、一緒に商業ギルドに行こうか。この後ちょうど用事があるんだよ」
「分かりました。身支度整えますね」
そう言っておもむろに目の前で服を脱いで着替えだす。あっという間に下着姿。青が好きみたいだ。
「……彼女に恥じらいは無いの?」
「……どうもそこら辺の意識が希薄なようで。子供たちもいるので止めて欲しいのですが」
おいおい、マジで悪影響になるよ。こんなズボラな大人になってはいけないよ、って忠告しないとな。
「カリンー、商会の名前は?」
「ああ、そうでした」
別の部屋で化粧しているシルビアの声にカリンが応えた。
「ケイ様。この度の事業、シルビアと勘案した結果、商会を発足させることにいたしました。商会名を考案したのでご確認ください」
まあ、シルビアが個人事業主的なままやっていく商売内容じゃないもんね。どんな名前だろう。
「はい、シルビア、ケイ様、そこに恐縮ではありますがわたくしの名前を合わせて『ブラタネリ商会』でいかがでしょうか」
……大丈夫かなそれ。ほとんどブラタ〇リだけど。
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